ココ の ブログ

寂しい人生と楽しい人生(1)

寂しい人生と楽しい人生(1)

 人の運命は、宇宙と言う大自然によって定められた路線の中で、個々の人々がもがいて勝ち取るレースのようなものである。それを演劇(ドラマ)だと言う人も居る。小さいとは言え、宇宙の先の遠い処まで星の成分を採取して地球に戻って来させる芸当をやってのける程の偉大さもあるから単に大きい小さいという物理的表現は適切ではないのかも知れない。人間は風に吹かれて揺れる一本の葦のようなひ弱なものであるが、唯、葦と違う点は考えるという事だとパスカルは言ったが、思考するという無限の大きさが人間の存在を大いに高らしめているのは間違い無いようである。陰陽五行や四柱推命で人の運命や宿命を研究して来て、ブログにも書いたりしているが、何時も様々な人間の生き方を見聞きして想う事がある。

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 それは今日のブログ表題のような「寂しい人生と楽しい人生」についての事だ。言い替えれば人の幸せについての比較である。当然ながら誰しも幸せに成りたいと想っている。それを求めて人生のレースが在るのかも知れない。しかし、青い鳥を求めてチルチルとミチルのきょうだいが世界を旅して廻って見付からなかったものが、実は我が家に在ったと言う話はある意味で恣意的である。それは物事の価値観にも通ずる事で、想い込みとか客観性に欠けるとか身勝手な考えで決めつける面が感じられるからだ。普遍妥当性のある考え方と人は言うが、神のような考え方は一瞬はあるにしても長続きするようなものでもなく、余程崇高な哲学者や宗教家でもそれを維持するのは難しいものである。

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 要は、構える事なく淡々と物事を観、飄々と生きる事が出来れば、幸せなぞ求めなくとも勝手に付いて廻るものなのであろう。かく言うボクなんか、毒舌は吐く、憎まれ口はきく、崇高な理念を説くかと想えば俗な事を言って人から軽蔑されたり、時には笑わせたりして生きているから「一体あいつは何を考えているのだろう?」と想われる事しきりである。その上、大酒を飲んだり、セレブに憧れたり、権力者に反発したり、ボランティアに励んだり、山に登って仙人に憧れたりと様々な好き勝手な事をして来て、どれもモノにしていないから、言わば俗物の代表の様なものだ。そのくせ批判力は旺盛で曲がった事が嫌いだから、人に迷惑を掛け無知を売り物にする鉄面皮の馬鹿を見ればこの世から消してしまいたいと想う。

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 しかながら法治国家だからそういう輩でも生きる権利があるだけに心の中で勝手に空想するだけの事だが、明治維新の頃の勝海舟に言わせれば「世の中で、己の無知を知らず、身勝手な輩ほど手に負えないものは無い」と嘆いている程だから何時の世にもどうしようもない馬鹿は居るものである。そういう輩はそれなりに精一杯生きている積りなのかも知れないが、心に余裕が無いから人の事を考える幅が無いのだ。幅が無ければ奥行きも無いから皆無という事になり、まるで動物のようなものである。腹が減れば吠え、自分よりも強い相手には尻尾を巻いて逃げるか、蔭でコソコソと動き回る。仮に自分の利益になると判断した相手なら尻尾を振って付きまとう。おこぼれ頂戴という訳である。ハイエナがそうだ。

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 彼等は他の動物が獲ったのを横取りしようと集団で襲う。禿鷹もそうだ。腐る寸前の死肉ばかりを漁るから時には中毒を起こして悶絶する事もある。天罰のようなものである。ところが、神や仏は天罰というものを知らない。知らないと言うよりそういう概念すら無いのだ。少なくとも仏教には無い。天罰が下ると想いたがるのは人間の勝手な考えに過ぎない。大自然はバランスで成り立っているから何かが偏って歪みが出れば元に戻るべく是正されるだけの事である。それがたまたま悪人がバランスを崩すような行為をとった時にバランスを保とうとする全体が他の部位へ影響して働き、悪人の行為が抑えられる(元の正常な状態に戻る)仕儀となり、その結果の現象を観て人は天罰と言うのだろう。

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 その具体的な現象は人々の数だけあり、数え切れないぐらいあるだろう。分かり易く言えば、樹木の枝ぶりが何らかの力で切り取られたり無くなったりした場合、樹木は自分の持つ復元力とバランス力で其処に新たな枝ぶりを生じさせ全体のバランスを保とうとする。太陽の光を満遍なく受け成長する樹木も何かの蔭になった場合、成長は遅れる。が、一旦、その蔭が取り除かれると健全な育ち方をし、バランス良く枝ぶりが伸び見事な樹木に成長する。屋久島の杉が新たに芽を出す処には大木が倒れている場合が多い。倒れた事によって地面に太陽が射し込み、新たな芽が出るきっかけになるのである。中には倒れた大木の窪みから新しい生命の芽が出る事もある。大木が肥しとなって新しい生命をバックアップしているのだ。(つづく)

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