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梅雨入り(7)

梅雨入り(7)

 6月生まれのボクは梅雨男である。だから誕生日は半分が雨天の日だった記憶があるだけに、雨は好きでも嫌いでもない。慣れてしまっているのである。寧ろ雨は縁起が良いとされる事が多く、何事も好いように解釈するようにしている。因みに建売住宅などでは雨天の訪問客は良い客とされる。何故ならわざわざ雨の日に来ると言うのは水掃けや雨水の流れを観て判断する真剣な客が多く、自分が住む以上、そういう点に神経が行く客は冷やかしではないからだ。ボクの場合、此れまでの経験で試験や何か問題がある交渉事に雨が降っている場合は概して上手く行く前兆である事が多く、ゲンが良いのだ。要するにモノは考えようで、嫌だ嫌だと思うと良い事も悪い事も味噌くそになってしまうものである。

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 だから梅雨は梅雨なりの良さや美しさがあると想えば人生も亦楽しである。日本画の墨絵を連想すれば容易に理解出来る。風が吹けば桶屋が儲かる例え話ではないが、直接的には雨具屋は雨を喜び、露天商は嫌うのは当たり前過ぎて面白くもないが、雨で結果的に喜ぶ商売は案外多くあるものである。気がつかないだけで巡りめぐって自分の利になるケースもある。世の中はそういう関連性があって成り立っているものだから逆の場合もある。逆の場合とは、現在、日本中で大騒ぎになっている福島原発問題がそうだろう。日本にアメリカ型の軽水炉式原発が導入されて一番喜んだのはアメリカの原発産業だった。何故ならアメリカによる被爆国となった日本に原発が導入されるという事は安全性が証明されたようなものだからだ。

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 スリーマイル島における原発事故(1979)でメルトダウンを起こした為にアメリカ国内だけでなく世界中から顰蹙を買い、アメリカでは原発が不人気になった処に日本が大量に買いつけてくれたからだ。そもそも核兵器を開発する為にウランからプルトニウムを作る施設が原発の原点だった。それ以外の原発ではトリウムによる原発も開発されたが、それではプルトニウムが作れない事が分かったから開発は中止されてしまった。プルトニウムは猛毒で僅かな量で発ガンし死亡してしまう地球上には無かった恐ろしい放射性物質である。その甚大な爆発力を利用したものが核爆弾であった。核爆弾投下後、広島に黒い雨が降り大量に死の灰を撒き散らし、更に被爆者を増やした事は井伏鱒二の文学にもなり黒澤明の映画にもなった。

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 同じ雨でも悪い雨もあれば良い雨もある。林芙美子の小説ではないが屋久島に降る霧のような雨のお陰で屋久杉は成長し縄文杉のような樹齢数千年というものもある。数十年前に新婚旅行で屋久島を一周した際、途中の旅館でシャワーのような美しい霧雨を暫くジッと観入っていたものだった。日本の地の果てのような処にまで来た意味をかみ締めていた。妻はハワイかヨーロッパに行きたがっていたのにボクの独断で決めたのだった。今のこの気持ちは将来良い想い出になるからという言葉を彼女は信じたのだった。確かに、地の果てのような屋久島は世界遺産に登録され今では旅行客も多いが、当時は一種のかけのようなものだった。その、屋久島の雨による伏流水は透明度も良く純度の良いミネラルが多い事で有名だ。

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 だから、そういう宝物のような水を、水の少ない中東へタンカーに積み込んで輸出していると聞く。中東へ行く時に空荷では無く水を積み込んで行く訳であるからタンカーも安定航行でき無駄が無い訳である。そもそも地球の水は宇宙から氷惑星によって運ばれたものだという学説がある。つまり、氷惑星が中東辺りに衝突して溶けて水となり、それが海水になったもので、当たったエリアは砂漠になったというのである。そのせいで地球の自転速度が変わったとも言われる。30年ほど前にその学説を読んだ時、そんなバナナ(?)と想ったものだったが、案外真実を言い当てているのかも知れない。考えてみれば、マグマの塊のような星だった地球に元々水は無かったと考える方が自然である。

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 但し、水素は大量にあっただろうから酸素と結合して水が出来たと考えられなくも無いが、氷惑星が地球に衝突したと考える方がロマンがあるようにボクには想えるのだ。尤も、福島原発の燃料棒が空焚きになりメルトダウンして、核燃料の再臨界で超高温になり冷却水が水素に変化し、充満し、原子炉建屋が爆発したという恐ろしい現象以上に、氷惑星の激突の方が超エネルギー爆発が起きたであろう事は容易に想像できるものの、矢張り其処にロマンを感じるのは、人間の先祖が地球から生まれたものではなく何処か遥か遠くの宇宙から運ばれて来た生命体から派生したと見る方が、親水性である生き物のルーツにこそふさわしいからなのかも知れない。梅雨入りでシトシトと降る雨を眺めながら、そういう事を連想してしまう。(つづく)

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