ココ　のブログ

その後の福島第１原発（４）

その後の福島第１原発（４）

　政治家が「私は国民の為に、頑張ります」とか「国民の為に、額に汗して働きます」と平気で当たり前の事を言う図々しさに今や国民は「騙されないぞ」としか受け取れなくなって久しい。福島原発事故は人災なのに想定外の天災に依るものとして片付けようとしている。以前にも書いた事だが危機管理というのは、あらゆる事を想定して安全の為に対処する事なのに、想定外という事をぬけぬけと言うのは、全く考える能力が無く、単なる間抜けである事を指すだけでしかない。それを錦の御旗のように言うのは国民を馬鹿にした言葉だ。事実、彼等は国民を馬鹿にしているのは誰もが薄々感じ取っている。だから次の選挙で落ちる仕組みになっている。が、それでも舌の根が乾かない内に亦ノコノコと出て来て騙そうとする。

関西の原発・美浜原発（京都府）

　政治家の親が急死した為に急きょサラリーマンを辞め立候補して当選したた二世議員の妻に直接聞いた話だが、「立っているモノには電柱でも頭を下げなくてはならないのヨ。政治家なんて大変な仕事で、成るものではないワ。サラリーマン時代の方がどんなに良かった事か」とバリ支局長時代を述懐していたが、地盤・カバン・看板を持った処に生まれたが為に政治家になって、それなりに苦労する人も居る。彼は大臣にまで成ったが前政権が華やかな頃だったから未だ良かった方と言えよう。だから真に心から政治家に成った訳ではないから、その政権はとうとう潰れてしまった。今でも政治家を続けているが、それなりに苦労している事だろう。政治家とは権力を持ってこそ存在価値があると言えるのだろう。

関西の原発・動燃もんじゅ原発（京都府）

　だから政治家に成った途端、誰もが総理の座を狙って運動する。権力が無ければ何もできないと信じているのである。国民の方を向いてないと見られるのは手法やポーズが下手なだけで、誰もが基本的にそういう考え方だ。仮に野党であっても運が向けば大臣にも首相にもなれるチャンスがあるからだ。一本釣りされて閣僚の一員になった元自民党議員が内心嬉しそうな顔をしているのを、苦々しく見て同僚の議員が嘆いていたが、実際は議員は自分の事しか考えないものだからモラルも糞もない。誰もが権力に擦り寄る。だから慾の皮で突っ張った議員は菅という男に振り廻されて醜態を晒すのである。姑息な手法であっても延命工作を続けるドタバタ田舎芝居を国民はため息をつきながら次期政権に夢を託すのである。

関西の原発・大飯原発（京都府）

　しかし、期待は裏切られるのが世の倣いだ。それを知ってか知らずしてか、政治家は図太く厚顔無恥で生きて行く。要は経験年数と知名度で国民に支持されているという自己暗示に掛かろうとするのである。人が良いというのは馬鹿（不名誉）を意味し、人が悪いというのはしぶとく強かで打たれ強く名誉のように思っているから馬鹿には成りたくないのである。大久保利通を憲政の父と仰ぐ国会議員連中は悪は名誉で、馬鹿は不名誉と信じているのだ。そこで菅首相がそれを狙っているとするなら、お門違いも甚だしいと申し上げておこう。彼は無責任で馬鹿だという烙印が既に国民から打たれてしまっているのである。支持率がそれを物語っている。同胞の議員からも見放されているのは珍しい。

関西の原発・高浜原発（京都府）

　「まあ、粘るだけ粘ってみれば？どうせ後は地獄が待っているだけだから」と落ちるのを待っているのである。だから彼を支える筈の閣僚連中までもが自分も巻き添えになっては困るとして半身の構えで仕事をするから地に足が着いていない。そういう状態だから原発事故処理も残りの全国の原発対策もまともに進まない。まして自然災害である地震・津波の対策なぞ地方政府におんぶに抱っこで、地方政府は政府に期待しているからボールの投げ合いごっこだ。間の国民は馬鹿みたいにぶーぶー文句を言うだけで国民運動にまで発展しない。阪神大震災の時でもそれに似た状態が初期にはあった。しかしボランティア精神がが急激に目覚め、ボクなんかも兵庫県へ単独でボランティアに出掛けたぐらいだった。

志賀原発

関西の原発・敦賀原発（福井県）

　やがて国民運動にまで発展して何とか震災後まもなく大方は沈静化したのだった。阪神間の高速道路の復旧や神戸のビル群の短期間の復旧に世界は日本の奇跡とまで言わしめた程だった。それなのに東北地方は「当分放って置く地方」とまで言われ、人の良い東北人が文句も言わない（部分的にはあっても国民運動にまで行っていない）から政府は益々増長して好きなように振舞うのである。海外も何故日本人は怒らないのか？と訝っているぐらいだ。東京人は東北地方の窓口でありながら東北から電力を供給してもらっていたくせに自分の事ばかり主張して知らん振り。関西からは阪神大震災時の恩返しという謳い文句ではあるものの余りにも遠すぎ電力のサイクルも違う事から県別自治体による東北支援ボランティアをする程度だ。（つづく）