自然療法センター

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高齢者に出される不要な薬


薬や検査に関係なく医療保険から一定の入院料が支払われる定額制度が90年に老人病院に導入され、どこの病院も薬を減らした。「そうしたら患者が元気になった」と、学会などで話題になったものだ。

 医療現場では今でも高齢者に不要な薬がたくさん出されている。「筆頭が睡眠薬・精神安定剤」と、北摂総合病院理事の中野次郎さんは指摘する。
 高齢者は薬の分解が遅い。安定剤ジアゼパムが血中で半分になるのに青年の4倍近く、約80時間もかかる。

 不眠の訴えに医師は睡眠薬や安定剤を出す。薬が長く体内に残ってふらつく。倒れれば骨折して寝たきりになる危険性がある。筋肉の緊張をほぐす作用を持つ薬だとさらに転びやすい。血圧を下げすぎてもふらつき、同様の危険性がある。

 高齢者には孤独でこもりがちになり「うつ」傾向の人も多い。睡眠剤はうつを悪化させ、老人性痴呆(ちほう)を早める。昼間は眠らず、適当に動いて体を疲れさせ、寝る前の興奮を避ける――など自然に眠る工夫がまず大切だ。

 抗不整脈剤は逆に重い不整脈を引き起こし、心停止を招くことがある。高齢者に脈の乱れ(期外収縮)は珍しくないが、大半は症状のない良性不整脈だ。約10年前から米国では無症状の不整脈に薬を出さなくなったが、日本では簡単に薬を出す医師が少なくない。

 「医療には限界がある」と全日本病院協会副会長の天本宏さん。79年の米厚生省報告によると、高齢者の寿命を決定する因子の半分(50%)は運動や食事、禁煙などの「生活習慣」だ。人間関係や住宅などの「環境」、生まれつきの「遺伝子」が各20%。そして、薬を含む「医療」が残りの10%に過ぎない。


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