てぃーたいむ

てぃーたいむ

その3



脱走その2

 夕方私の携帯に電話が入った「またお父さんがいません。探してください」と・・「えー落ち着いていたのに・・ナゼ?」と思いながら探すが駄目脳外科の先生からも電話があり「いい加減にしてください。もう退院してください!!とにかく見つからないことにはなんともならないから飲みに行きたいと昼間看護婦に言ってたらしいから行きつけの店電話して」と怒ってかかってきた・・昔から行って店に電話するといたのだ・・飲み屋の人もパジャマ着てるんだからおかしいと思わなかったのか??しかも飲んでいる・・

病院にすぐに電話したら先生が「私が迎えにいくから場所教えて」と慌てて迎えにいってくれた・・私も慌てて病院にいくと父はやはりノー天気に「酒うまかった・・久しぶりだったな~タバコも上手くて・・先生悪かったのん」とジョー機嫌!!

先生に呼び出され「もーお父さん引き取ってください!これ以上また脱走されたら私の責任問題になり医者辞めなくてなりません。いくらあなたが私を訴えなくてもここのきまりです。すぐに見つかったからよかったがこれで外さまよっていたらこの寒さだと死んでましたよ。また脱走されても困るのでとにかく引き取ってください・・」といわれ私も困ってしまい泣けてきた・・「父を引き取ると言っても主人の父もいて自閉症の義弟がいて子供も小さいのにこれ以上父を引き取ったら私どうかなってしまいます。体が2つあればいいのですが・・誰も見てくれる人いないんです・・かと言って父をひとり家において置くのは心配だし一体どうすればいいというのですか?縛ってもいい薬使ってもいいどうか次の病院か施設が見つかるまで置いてもらえないでしょうか?お願いします」と泣きながら訴えた。それしか出来なかった・・頭下げた・・このときほど親子であるのが悔しかった・・涙が止まらなかった・・どうして私がこんな思いするのかと・・気持ちが通じたのか

「じゃあ鍵のかかる病室に入れていいですか?また脱走したときは何がなんでも引き取ってくださいよ。それが条件です。あなたそう簡単にほかの病院や施設受け入れはしてくれませんよ!アルコール性痴呆は日本の医学会のブラックホールだから・・つまり受け入れるところがないんですよ・・」「えーそんなんじゃあ世の中のアルコール性痴呆の方はどうしてるんですか?」と聞くとふらふら飲み歩いてそのうち帰り方がわからなくなり凍死してしまうケースが多いそれか内臓が悪くなり死にいたりますね・・」と・・鍵のかかる部屋に入ることになった。父は相変わらずノー天気に「ご飯まだか・・今日は飲んだから気分がいいな。」ともー私は疲れがどっと出てとりあえず置いてもらえることになったがこの日から受け入れてくれる病院探しが始まり毎日脱走しないように祈る日々が始まった。

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