好奇心は放浪中!

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律令のしくみ☆その2(地方行政区分)

くまくまキャスター(以下くま)「引き続き、こちら藤原宮の朝集堂内から生中継でお送りしております。中央の政治組織について2、3質問がとびましたが、時間の関係でカットされまして、さっそく 地方の政治組織と行政区分 へと話をすすめるようです。あ、始まりました。ではお聞きください」
不比等「それでは、新しく設定した行政区分について発表する。この図をご覧いただきたい」

行政区分

不比等「全国をこのように 畿内(きない)と七道(しちどう:七つの地域) に大まかに分けて、それらをさらに 国(こく)・郡(ぐん)・里(り) と細かく区分した次第である。七道のうち、西海道をのぞいてはすべて畿内…つまりは中央と隣接しているのが、見て取れると思う。これは、支配をより円滑に行うためのわれわれの工夫である」
くま「チャンと畿内と七道が色分けされていて、ぶっきらぼーの割には結構マメな方ですね~。しかし何か見づらい上に、 国名も入っていないという手抜き も見受けられますので、こちらで補足したいと思います。ボードをご覧下さい。地図の色と対応させているため、黄色など一部見えにくい文字がありますが、どうぞお見逃し下さい」

畿内(黒の斜線がはいった地域)…大和・山背(やましろ)・摂津・河内・和泉の5国

西海道(さいかいどう)…筑前・筑後・豊前(ぶぜん)・豊後・肥前・肥後・日向(ひゅうが)・薩摩・大隅(おおすみ)などの諸国

山陰道…石見(いわみ)・出雲・伯耆(ほうき)・因幡(いなば)・但馬(たじま)・丹後・丹波・隠岐(おき)の諸国

山陽道…長門(ながと)・周防(すおう)・安芸(あき)・備後(びんご)・備中・備前・美作(みまさか)・播磨の諸国

南海道…伊予・土佐・讃岐・阿波・淡路・紀伊の諸国

北陸道…若狭・越前・加賀・能登・越中・越後・佐渡の諸国

東山道…近江・美濃・飛騨・信濃・上野(こうずけ)・下野(しもつけ)・出羽・陸奥の諸国

東海道…伊勢・志摩・尾張・三河・遠江(とおとうみ)・駿河・甲斐・伊豆・相模・武蔵・安房・上総(かずさ)・下総(しもうさ)・常陸などの諸国


くま「現時点…つまり、大宝令の制定後に新しく設定された国、または所属が変わった国も入ってますが、ご了承ください。しかしこうやって眺めてみると、ホントたくさんの国名が現代にいたるまでしっかり生き続けていて、思わず感動をおぼえます。特に四国4県は、この古代の地名でも十分通用しますよね~~。讃岐うどんもブームだし(関係ない?)。
ただ同時に、現代の私たちは『昔の地名というのは由緒正しいものである!』という先入観を持ってますけど、 けっこう手抜き…というか間に合わせの国名も多かったり して、そこがおもしろかったりしますね。
たとえば 前・中・後とか、上・下があたまについている国名というのは、都に近いか遠いかというのだけで決められていて、近い順から前→中→後、あるいは上・下となっている んだそうです。先ほど不比等氏のスタッフから無理やり……い、いえ、コッソリ聞き出したネタですが。
でも長く使っていれば、自然と愛着が湧いてくるものなんですよね……現代の私たちも、後世にずっと愛されるような地名を作っていかなければなりませんね。そして……」



スタジオにいるアナウンサー「ちょっと、くまくまさん!柄にもなくカッコつけているうちに、どんどん不比等氏の説明が進んでいますよ!感傷にひたる間があったら、さっさと報道に徹してください!」



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