きまぐれの音

きまぐれの音

シンデレラストーリー

フコク生命ミュージカル シンデレラストーリー

2003.8.26 青山劇場 夜の部 2幕11場

脚本:鴻上尚史
演出:山田和也
音楽:武部聡志
作詞:斉藤由貴

シンデレラ:大塚ちひろ
王子:井上芳雄

武部聡志氏日本でも有数のアレンジャー、コンポーザー、そしてプレイヤーである。
そして20年にわたりユーミンのツアー音楽監督としても我々に感動を与えてくれている人だ。
そんな武部氏がミュージカルに挑戦!ということで是非とも観たいと思っていた。

今まで誰もが疑問に思っても人に聞けなかった数々のシンデレラの謎を解き明かしてゆくストーリーである。

曰く、シンデレラと継母と二人の姉の生活費はどうなっているのだろう?
曰く、何で魔法は深夜0時で切れるのだろう?
曰く、何でガラスの靴だけは魔法が解けないのだろう?

などなど。

どうでもいいような事柄であるがこれがいちいち可笑しい。鴻上氏をはじめとする名うてのスタッフ陣と個性溢れる俳優陣の苦心と遊び心の賜物である。

スタッフ、俳優ともそれぞれの出自や得意ネタを出し合い、それがとてもうまく生かされていると感じた。

王子役の井上君はエリザベートのルドルフ役で抜群の定評を得ているが、少女漫画から抜け出て来たようなルックスと安定した美声に演技力も
さらに加わった感がある。日本のミュージカル界にはなかなか美形で美声の若手が育っていないから、井上君の今後がますます楽しみになってきた。

シンデレラ役の大塚さんは、役柄にふさわしく素直な歌い方で大役ながら等身大の初々しくも芯の強いシンデレラを演じていた。

武部氏の音楽は、想像を超えて意外にミュージカルの王道を極めているように感じた。初ミュージカルにして、バラード、ロック、ロックンロール、
ラテンとよくもまあこんなヴァリエーションに富むオリジナルを作ったものかと驚いた。テレビドラマのサウンドトラック等も多数手掛けているが新分野に挑戦して見事に成功をおさめた武部氏に拍手!

舞台セットはシンプルなほうであるが、かぼちゃの馬車の電飾&宙乗りはユーミンのステージを思い出し笑えた。

その他の超個性的な俳優陣についてもひとりひとり感想を書きたいところだが、キリがないので オフィシャル・ホームページ を見て想像してください。

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