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中学1年のとき、
学校の音楽室で友人がチェロを弾いたときのことを
いまでもはっきり憶えています。
いつもいたずらばかりしていた彼が
目の前でチェロを弾いてくれたのは
ものすごいカルチャーショックでした。
私のうしろの席でいたずらばかりしているヤツと
目の前でチェロを弾いている者が同じ人物だとは、
まったく信じられないことでした。
だからなおさら、そのとき弾いてくれた
サンサーンスの「白鳥」は耳に残りました。
それ以来、この曲がどこかから聞こえてくると
いつも友人の弾いた音を思い出します。
それはいまも続いています。
今回、友人がコンサートを開くと聞いたとき
すぐに行きたいと思ったのは
サンサーンスの「白鳥」以外の曲を聴いてみたい
という思いからでした。
私はチェロの曲を聴いたことがないので
コンサートで友人が弾いた曲は
どれも初めて聞くものばかりでした。
曲はどれもテンポが早くて
比較的にはげしいものが多かったのに
彼の左手はつねに軽いタッチで
弦を押さえているように思えました。
彼が軽快に弓を動かすのを見つめながら
私はずっと落ち着いていて心地よく聴くことができました。
コンサートのあとでレセプションに出ました。
友人とはちょっと挨拶を交わしただけで
あとは一緒に行った友人とのミニクラス会になりました。
でも会場を出て皆と別れ、ひとりになると
私の中に流れてきたのはやはり音楽室で聴いた
サンサーンスの「白鳥」でした。

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