きまぐれうさぎ

きまぐれうさぎ

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2011.03.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
主人公の一止は夏目漱石を敬愛している。彼は青年医師として地方の病院に勤務し、ろくに家に帰れない日々を過ごしていた。



地方の病院を舞台にして夏目漱石好きな青年医師が主人公のこの作品。少し前にCMやテレビなどで紹介されていたので、知っている人も多いのではないでしょうか。

病院を舞台にはしていますが派手さや緊迫感はあまりなく、どちらかといえば地味でのんびりとした雰囲気が漂う物語です。風変わりな登場人物達の言動や、漱石かぶれの主人公の独特の語りをまったりと楽しむことがこの作品の醍醐味だと思われます。
とはいえのんびりとしていても作者は現役の医者らしいので、医療現場の描写や地方都市の病院が抱える問題などリアルに感じられるところもあります。
医療関係者や病院が舞台の話が好きな人は興味深く読むことが出来るのではないでしょうか。


ただそれだけに、小説としてストーリー自体を楽しみたいと思っている人は少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。読んでいて、展開がスローペースなうえに物語の起伏も少ないので、途中で退屈さを感じてしまうことになるかもしれないからです。
そして正直なところ、地方医療の問題も主人公が抱える葛藤もリアルではありながら、それほど目新しいテーマではないので、斬新さにも欠けるところもやや気になったりしますし。
まあ、この作品には斬新でスピーディーな物語を求めるのではなく、まったりとした雰囲気を心ゆくまで味わうことをお勧めします。


それから少し気になったのは、この作品は独特の雰囲気があるので、もしかしたら合う人と合わない人に分かれるかもしれないということです。

なんだか舞台にはやけにリアリティを感じるのに、登場人物達にはリアリティが全く感じられなかったと言いましょうか。

まあ、作者は現役の医師なので作品の舞台(おもに病院)にリアリティがあるのは当然だと思います。しかしそれに対し、主要な登場人物達(おもに御嶽荘の人々)には、既成の登場人物達を焼き直したような非現実さを感じてしまいました。
その二つの噛み合わなさが、独特の雰囲気を醸し出しているように感じてしまいました。

とはいえ、その噛み合わなさによってこの作品の持ち味である独特の世界観が出来あがっているのも事実です。

まあ、「渡る世間は○ばかり」などの橋○寿賀子ドラマのように、その独特の世界観にハマれる人には、とても楽しめる作品になるだろうと思われますので、まずは一度読んでみてはいかがでしょうか。


この作品の帯にあるように今、少しでも多くの「奇跡」が起きて欲しいと願わずにはいられません。





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最終更新日  2011.03.29 21:12:28
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