彩感(つれづれ日記と社労士受験)

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就業規則と制裁規定の制限




就業規則の効力

労働基準法第106条1項 (法令等の周知義務)
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則 ・・・中略・・・ を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

最高裁判例
就業規則が法的範囲としての性質を有するものとして、拘束力はを生ずるためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要する

就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、作成義務があります。

しかし、ただ作成すれば良いのではなく、使用者はその就業規則を労働者に周知しなければなりません。


極端な話、最高裁判例にもあるように、ただ作っただけで、

使用者が就業規則を隠ぺいしたり、労働者が閲覧を希望したにもかかわらず拒否した場合、

その就業規則の拘束力が生じないと、判断される場合もあります。

又、就業規則の効力の優劣ですが

法令(労働基準法等)>労働協約>就業規則>労働契約

となり、当然、法令に違反する就業規則は認められません。


制裁規定の制限

職場規律に違反した労働者に対しても、労働者の生活を脅かすおそれのある

制裁は禁止されています。


労働基準法第91条(制裁規定の制限)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。

制裁に該当する事案1回に対して、減給額は平均賃金の1日分の半額以下でなければなりません。


月給制の場合、1ヵ月のうちに複数の制裁事案があっても、その減給額は

月給の10分の1以下でなければなりません。


賞与も賃金であるため、この規制の対象となります。

つまり、制裁事案1回に対する額は平均賃金の1日分の半額、

総額は本来支給される賞与金額の10分の1までが限度です。


すなわち、職場規律に違反する事案が複数あっても

「ボーナスはなし!!!」

とする事は、労働基準法違反となります。



自分の会社の就業規則も見た事がないという方は、ぜひ一度確認してみるといいと思います。

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