彩感(つれづれ日記と社労士受験)

彩感(つれづれ日記と社労士受験)

雑則、罰則





内容としては、それほど重要でもないのですが、

一般常識として知っていてもいい事があるので、

取り上げてみたいと思います。


1、徒弟制度の排除


労働基準法第69条 (徒弟の弊害排除)
第一項 使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。
第二項 使用者は、技能の習得を目的とする労働者を家事その他技能の習得に関係のない作業に従事させてはならない。


これは、昔あった徒弟制度を排除する目的で、決められた条文です。

今の時代にあっては、死文化している感もありますが、

趣旨を考えてみるに、技能の習得を目的とする者であることを理由とあることから、

たとえば、入社したてで技能をまだ十分習得していない新入社員に対して

「仕事もまだ覚えていないんだから、休めると思うなよ」

等の発言、強要はこの69条に抵触する可能性があると、考えます。

又、次項の罰則でも触れますが、労働基準法上一番重い罰則である強制労働違反にも

該当するかもしれませんので、注意が必要です。



2、災害補償

労働基準法上、法定されている使用者の災害補償責任は、いわゆる「労災」を

適用した場合には、免除されます。

詳しくは、「労働者災害補償保険法」のところで説明することになると思いますが

同法の勉強はまだまだ、後になりますのでここでは労基法で制定されている内容を

簡単に説明します。

もし使用者が労災を適用せず、かつこの災害補償責任を負わない場合は違法となります。

療養補償・・・業務上負傷した場合は、必要な療養の費用を負担する。

休業補償・・・業務上負傷し休業した場合は、平均賃金の100分の60を保障しなければならない。

傷害補償・・・業務上負傷し、その後完治したあと、尚後遺症が残った場合は一時金を支払う。

遺族補償・・・業務上死亡した場合は、平均賃金の1000日分の補償をしなければならない。

葬祭料・・・・業務上死亡した場合は、平均賃金の60日分の補償をしなければならない。

打切補償・・・療養開始後3年を経ても負傷又は疾病が完治しない場合は、平均賃金の1200日分の保障を行って、療養補償を打ち切ることができる。

などがあります。

なお、労働者の重大な過失によって業務上負傷した場合は、

使用者の休業補償または傷害補償責任が

免責されますが、解雇予告手当と同じようにこれは、会社が判断できるものではなく

労働基準監督署の認定を受けなければなりません。


3、申告

労働基準法第104条 (監督機関に対する申告)
第一項 事業場に、この法律又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
第二項 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。


労働者は、監督機関に対し法令違反を申告する権利が保障されており、

また使用者はその行為に対し、労働者の処分等をしてはいけません。

この104条のほかにも、「公益通報者保護法」というのがあり、

この法律では、申告を受けた監督機関、使用者等の行為義務が詳細に法定されています。


4、使用者の行為義務

ア、法令等の周知義務
イ、労働者名簿の作成義務
ウ、賃金台帳の作成義務
エ、記録の保存義務(3年間)

などがあります。

法令等の周知義務は、以前触れた就業規則の周知義務も含まれますが、

その他にも、このブログで説明しているような内容を、労働者に周知する義務が

使用者に負わされています。


5、、罰則

労働基準法では、割増賃金の不払い、その他使用者の行為義務違反等に対し

罰則を定めています。

その中で、一番重いのは強制労働違反です。

労働基準法第5条 (強制労働の禁止)
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

強制労働違反に対しては、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の

罰金が科せられます。

業務上必要がないのに、脅迫等をもって、休日等に強制出勤させる事は、同条に該当する

場合があるかもしれません。

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