彩感(つれづれ日記と社労士受験)

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医師の面接指導(過重労働)



労働者のメンタルヘルスケアに深くかかわる法律です。


その中で、2006年4月に労働安全衛生法の改正があり、下記の条文が追加されました。

労働安全衛生法第66条の8(面接指導等)

第1項 事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令に定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。

ここでいう厚生労働省令で定めるとは次の事項です。

時間外・休日労働が月100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者から申出が

あったときは、事業者は必ず医師による面接指導を行わなければなりません。

この医師は、事業者の指定でも、労働者の指定でもよい事になっています。

そして、事業者は面接指導の後、遅滞なく医師より意見を聴き、

適切な事後措置をしなければならないのです。

これは、事業者の行為義務です。

尚、月80時間以上の労働者に対しては、努力義務となります。


この改正により、労働者のメンタルヘルス管理は事業者の責任という考え方が

定着していく事を望みます。

厚生労働省労働基準局勤労者生活部企画課によると

「過重労働が原因で精神疾患を患った従業員が企業を相手に損害賠償請求などを起こした場合、改正法によって企業の不作為が問われるケースが想定される。」

との認識を示しており、これまで以上に重い司法判断が下される事が予想されます。


ここで重要なのは、この条文でも労働者の申出を前提条件としており

意思表示と内容証明でも触れたように、意思表示が大切となってきます。

これが法律上の大原則なのです。



サービス残業などの明白な違法行為のほかにも

いままで問題視されながらも、ある意味で黙認されてきた

過重労働・過労死・モラルハラスメント(パワハラ)などは

今後、事業者の品格・資質の問題として、大きく問われていく事になると考えます。

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