彩感(つれづれ日記と社労士受験)

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労災保険について



とても重要な法律なのですが、

とても奥が深い法律で、働く人たちに具体的に展開していくためには

もう一段階必要です。


その為に、衛生工学衛生管理者や労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントなどの

資格があり、実務としては、社労士よりもその方々にお願いする事になるのでしょうか。



かわって、労働者災害補償保険法は、直接的に労災事故の補償という形で

労働者に深くかかわってくるものです。



原則として、労基法により労働災害の補償責任は第一義的に使用者が負います。

ところが、使用者が全てその責任を負うと、完全な補償の実現が難しいという事で

労災保険ができました。


労災保険を適用する事により、使用者の補償責任が免除されます。

ここまでの制度を作っていて、前回お話した「労災隠し」の件は

この制度の趣旨を考えるだけで、犯罪行為と言ってもいいと思います。


労災保険は、農林水産業の極めて小規模(常時5人未満)などを除いて

全ての事業が強制適用事業となります。

もちろん派遣労働者も対象です。


又、事業主の責務として、労災保険適用に対して

1、事業主の証明

2、事業主の助力

が、義務付けられています。

労災申請書類に事業主が記名捺印しない、

労災申請そのものを妨害するなどの行為は

労働者災害補償保険法施行規則第23条に違反します。


又、適用される対象は、業務災害と通勤災害です。

付け加えるならば、業務災害・通勤災害に該当するかどうか認定を行うのは

会社ではなく、所轄労働基準監督署長です。

たまに、会社が勝手に判断して

「この災害は業務災害に該当しないので、労災申請は行わない」

と、労災隠しを正当化する発言も見受けられますが、

もちろんこれは、違法行為です。


業務災害については

業務起因性と業務遂行性を判定して、認定するかどうか判断します。

業務遂行性とは、労働者が被災当時、労働契約等に基づいて事業主の支配下に

置かれている事を言います。

業務起因性とは、業務に起因して発生した災害が原因で、傷病等が発生した事を

言います。

過去の通達で具体的に該当するものを挙げてみます。



1、建築作業中の突風による建物倒壊による負傷
2、上司の雑用をしていた部下の死亡
3、作業中、炊事場へ水を飲みに行き、途中で負傷
4、作業中、手洗所へ行くための途中の事故
5、事業場の給食による食中毒
6、道路の傍らで休憩していた道路清掃員の自動車事故
7、自宅から出張先へ行く途中の負傷(出張の場合、通勤途中でも通勤災害ではなく業務災害となります。)
8、会社の通勤専用バスに乗車する際の事故
9、突発事故のため会社から呼出しを受け、休日出勤する途中の事故

などが、実際に通達により出されています。

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