健康の王様

健康の王様

~小野小町~



  花の色は 移りにけりな いたづらに 

          わが身世にふる ながめせしまに

  出典:古今集・春下

 意味:美しい花の色は、色あせてしまった。この長雨が降っている間に。 それと同じように、私が物思いにふけっている間に、私の若さも過去のも のとなってしまった。

 作者:小野小町(生没年未詳)小野 篁の孫、あるいは出羽の国の郡司・ 小野良真の子とも言われる。絶世の美女だったが、晩年おちぶれて諸国を 流浪したという「玉造小町」の伝説(俗説)がある。

小野小町
                    小野小町

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梅雨時になると、このうたを思い出します。
そういえば、
雨の音を風流だと感じるのは、日本人だけだとか・・・
欧米ではほとんど雑音として扱われるそうです。
四季の移ろいは、
日本人の感性を高めたのですね。
やっぱり素敵、大和の国。

さて、彼の句ですが・・・作者小野小町は世界3大美女にも数えられる日本の名花です。ただ、才色兼備の彼女は男運に恵まれず、おちぶれて諸国を 流浪した(小町の髑髏が風雨にさらされ「秋風の吹くにつけてもあなめ/\」と詩を詠んで、それに在原業平が下の句をつけたという説話もある)不遇の晩年を重ねると、このうたは尚いっそう奥深いですね。

外見の美しさも、一芸に秀でたことも、小町に真実の幸福を齎してはくれなかったのですね。哀れとはこのようなことをいうのでしょう。

庭園に降りしきる珠の雨を、十二単の麗人が短冊と筆を携えて、時の過ぎ行くままに縁側で、溜め息まじりに眺める姿・・・・・晩年のわが身を知っていたのかとさえ思わせる、才女小町。

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「冷泉家記」などの文献では、宮中での生活を終えた小野小町は、縁者をたどって井手の里に身を寄せ、井堤寺別当の妻となり、六十九歳でその生涯を終えた、とされています。・・・僕は、こちらの結末を信じたいです。


  色も香も なつかしきかな 蛙なく

         井手のわたりの 山吹の花

               *****

お粗末様でした(微笑)



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