NEVERMIND

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流れ星に願い事を

僕がその女性と知り合ったのはあるオンラインゲームがきっかけだった。
彼女は読書が趣味と言う普通の明るい女の子だった。
僕も読書が好きだったので気が合い、それからいろいろな話をした。
本の話、恋愛の悩み、今日あったこと、などなど・・・
ある日、彼女は僕に自分の今の状況を話し始めた。
それは、彼女が入院していること。
僕は「そうなんだ。早くよくなるといいね。」くらいにしか受け止めていなかった。
それは彼女の病気が重くなく、すぐ退院して元気に暮らせると思っていたから・・・。
しかし、僕の予想は間違っていた。
彼女は先天性の心臓病で、もうこの先長くないと言いった。
僕は僕に出来ることを必死になってやろうとした。
出来ることなんてなかったのかもしれない。
でも、彼女のために何かしてあげたくて、彼女と毎日話をした。
彼女を飽きさせないように。少しでも元気がでるように。

毎日話をするようになって二ヶ月が過ぎようとしていた時、彼女からメールが届いた。
なんてことない普通のメール。
『今から話せる?』
僕はいつものように彼女と話を始めた。
しかし、いつもとは違っていた。
彼女は最初にこう言った。
「私もうダメかもしれない。だから、最後に話したかった。」
はっきり言って信じられなかった。
僕だって本当はわかっていた。終わりがくることを・・・。
でも、こないことを望んでいたし、期待していた。
僕は彼女にいつものように接した。いつものように今日あった出来事なんかの話をした。
話したいことはいっぱいあったのだろうけど、話が一つ終わると沈黙がやってくる。
僕は彼女に「なんの話がいい?」と訪ねた。
彼女は少し考えてから言った。
「幸せな話がいいなぁ。」
そんなこと言われたって僕だって急に思いつかない。
僕も少し考えてから、言った。「幸せな話じゃ無いかもしれないけど、流れ星の話するね。」

 僕:「流れ星を見た時、願い事言ったらなんで叶うか知ってる?」
彼女:「ううん。わからない・・・。なんで?」
 僕:「流れ星って一瞬しか見えないのにその短い間に自分の願い事言えるってとは、それだけ強くその願い事を叶えたいって思ってる証拠だと思う。そんなに叶えたい願いだったら、それに向かってどんなこともがんばれるって意味だと俺は思ってるよ。」
彼女:「そっか。そうだね。いろいろありがとうね。疲れたから少し休みます。」
 僕:「わかった。お疲れさま。待ってるから必ずまたメールしてこいよ。」
彼女:「うん。メールするね。」
これが僕と彼女の最後の会話。

それ以来、彼女とは話していません。今、どうしているのか分かりません。
メールもきていません。
生きているのかそうでないのかも・・・。
彼女と過ごした時間は楽しかった。
喧嘩もしたし、一緒に笑ったりもした。
僕の人生でかけがえのない時間になった。
友達には「騙されてたんだよ。」って言われます。
今となってはそれが真実なのか確かめることはできません。
でも、嘘だったとしても彼女が元気ならそれでいいと思っています。
僕と二ヶ月間、話をしていた人間は確かに実在したのだから。


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