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☆K★B★L☆~蛇蠍~☆
年末年始は天使と悪魔がひそんでる!?
年末年始は天使と悪魔がひそんでる!? <文章> 冴南
■□□■ヘアーサロンテリトリーの年末年始の奮闘記!
店長洸矢(コウヤ)とさぼり魔の凌雅(リョウガ)
ブラコン静季(シズキ)に、限りなく冷たい静暮(シグレ)
放蕩坊主の凪紗(ナギサ)それぞれの思惑や恋の行方は・・?
いちようBOYS LOVE系小説の初級・・自己紹介小説とも言うかも(;^_^A ■□□■
キャラ紹介イラスト付きへ
年末の12月31日ともなると、どこも正月に向けて慌ただしい。
そんな中でも、この業界の忙しさは並ではない。
住宅街に位置し周りには中学校や高校、職業訓練高校などがある所に、
【 ヘアーサロン★TERRITORY 】は存在する。
理容室にしては小奇麗で学生には無論、主婦にも人気が高く、さらにそこ
で働く者達それぞれに固定客が多く常ににぎわっているが、今日はいつも
にも増しての繁盛ぶりであった。
忙しいとは言え、ここの店はいつもは店長の矢崎洸矢(ヤザキ コウヤ)と楠木颯(クスノキ ソウ)の二人、
それに予約客のみのサボり魔、日野凌雅(ヒノ リョウガ)で賄われているのだが、流石に
年末ともなると技術者3人だけでは手が足りず、バイトを雇っていた。
店の常連でもある高校生の本庄静季(ホンジョウ シズキ)は持ち前の人当たりの良さで客受
けは良かったが、どうにも雑務に対する要領の良さは無かった様である。
よって、片付かない流し場や洗濯物に三人の視線が集まる。
目は口ほどにものを言う・・と言うものだが、静季は全く気づく様子は無かっ
た。
≪何で、全然片付かないんだよ?!コーヒーも出したまま・・帰った客のは
片付けろよ!こいつ何しに来てんだよ!?口じゃなく手を動かさんかい!≫
忙しさでイライラの募る中、三人は思っていただろう。
しかし、お客様を相手に仕事中ゆえに言いたい言葉をあえて飲み込んでい
たに違いない。
そんな時、たまたま静季の双子の弟である静暮が客として新たに入って来た。
しかし、あまりの忙しさにまた後で来ようと思い立ち去ろうとしていたのだが
鈍感な静季と違って、静暮は三人の視線に気づいてしまった。
≪あのバカはバイトで来てるくせに何してるんだ・・気付けよ・・≫
客待ちで、客の1人と話に夢中になっている静季の頭をゴンっと音がしそう
な位の容赦のない拳骨が見舞った。
「いって~なにすんだよ?!あっ!静暮~♪」
いきなり殴られ、思い切り不機嫌な顔が振り向いた。
だが、殴った相手が静暮とわかるとコロリとかわり幸せそうな笑顔になった。
「いらっしゃい~!コーヒー入れるから座って!」
「いいよ要らない。それよりちゃんと仕事しろよシズ、バイト中だろう」
「おぅ!頑張るぜ!」
返事だけはいい静季と、静暮は一卵性の双子なので作りは同じなのに、
二人並ぶと全く違った印象を与える。
かたや兄、静季は肩より長めの長髪を緩く縛り、右耳に一つ、左耳に3つ
もピアスを付けているのに対して、弟の静暮はチタンフレームのメガネを掛
けているだけのシンプルさで、髪の長さも多少伸びているとはいえ標準。
一言で二人を表すなら、不良と優等生といったところだろう。
また静暮は、切れ者の生徒会長としてどちらかと言うと校内での人気が高
く静季のみに高圧的な存在で噂の絶えない人物であるのに対し。
生徒内では静季の方が、親しみやすく校外でも男女共に人気があった。
「静暮くん、いらっしゃい。ごめん、まだだいぶかかると思うから、コーヒーで
も飲んでゆっくりしてて」
入口付近で仕事中の颯が声を掛けた。
「あっ、すいません有難うございます。でも、忙しそうなので後で来ます。
一応、予約にしてもらっていいですか?」
「いいけど、今日は何時空くか解らないから又、待たせることになるかもし
れないけどいい?」
「はい、それは構いません」
取り敢えず用件を伝えて静暮はバタバタしてる静季を掴まえる。
「朝からこんなに忙しかったのか?」
「そう!昼飯もまだなんだぜ・・もうヘトヘト・・マジ疲れた~」
ちらりと時計を覗くと時刻は午後2時をさしていた。
そして、先程の場所に目を止めて静暮は覚悟を決めた。
「そう言うセリフは、ちゃんとやることやってから言え!何だよあの洗濯物
の山は!何の為のバイトなんだか・・ほら手伝ってやるから働け!」
冷たい視線に、高圧的な静暮の様子に周りの視線が一瞬集まるが二人
共、一向に気にすることなく静暮は兄である静季を顎で使い、また言われ
てる静季も気にもせず、忠犬のごとくテキパキと働き、見る見る内に雑務
が片付いていった。
パタパタと嬉しさにうちふるう尻尾が見えそうな程に、見事な飼い主と忠犬
の関係が垣間見えた気がした。
主従関係?・・何はともあれ洸矢達にとっては、静暮様様!!であった。
理美容業界においては、年末の忙しさは一年の総纏め。
ここでの稼ぎが僅かばかりのボーナスに色を添える。
だから、普段ならば重役出勤に途中退社でそうそうにおさらばするはずの
凌雅でさえ慌ただしく駆け込むお客を手際よく仕上げて逃げ出す暇を見つ
けること無く働いているのだった。
内心は引きつっている事間違い無しであるが、そこはプロ!どんなに疲
れていようと笑顔でもって対応しているあたりは流石であろう。
時刻は、午後4時。
ようやく客足が止まり、かなり遅めの昼食を順に取っていく中、成り行きで
手伝うはめになった静暮も流石に疲れてきていた。
客として来ていたはずなのに、未だに彼の髪は整えられてはいなかった。
「ごめん、静暮くん凄い待たせたうえに手伝ってもらって・・本当に助かった
よ。有難う・・ごめんね、あともうちょっと待ってくれる」
颯が本当に申し訳なさそうに言う。
「あぁ、いいですよ。ここまで来たら最後まで手伝いますから。矢崎さんが
空くまで待ちますからどうぞ、食事に行って来て下さい。」
しばらくして、颯と入れ違いにか先に手が空いて食事に行っていた凌雅が
戻って来た。
「シグっち、サンキュ~♪お前来てくれて助かったわ!やっぱり飼い主が
居らんと上手いこと行かんわ、ホンマ何べんどつきに行ったろうかて・・」
「・・駄犬ですからね。本当にすいません」
「まぁ、あれはあれで頑張ってるけどな、ノリが良すぎて口ばっかりで・・
手も一緒に動いてれば言うこと無しなんやけどな。帰ったら良う調教しとい
てや!頼んだで♪」
遠慮なく食事中の静季を肴に笑って、凌雅は仕事中の洸矢と代わるべく
立ち去った。
凌雅と代わって、洸矢も食事へ行くとばかり思っていた静暮に洸矢は、
笑顔で席へとうながした。
「ごめん待たせて、いいよ、どうぞ」
「えっ、食事行かれてからでいいですよ、僕なら・・」
思わず椅子に導かれるまま座って慌てて断ったものの・・。
「あぁ気は使わなくていいから・・俺、今日は朝飯遅かったからさ。ほら、
やっと空いたし今切らなかったら俺の手が今度何時空くか分んないぞ。
それとも、今日は別の奴がいい?例えば、・・静季とか?」
笑って意地悪く言う、静季じゃまだシャンプーしか出来ないのに。
「・・じゃぁ、すみませんお願いします」
「よし!今日はどうする?いつもみたいでいい?OK!」
疲れを感じさせない優しい笑顔に静暮は頷くと目を閉じた。
・・時刻は4時55分・・
「やった♪ようやく終わりや~今日は、5時閉めやろ?洸ちゃん♪もう終る
で今日は!」
疲れきっただらけた身体とは別に、目が期待にきらきらと輝いている。
もとから31日は、5時で終る予定であったので、洸矢に異論などはなかっ
た。
ただし、それはお客様が入って来なかった場合のみである。
「一応、5時までは受付だけどな」
そう言って笑って頷く。だが、こちらの予定通りに行くことなどはそんな時
に限ってありえないのだ。
えてしてそんな思いの時に限ってお客様という者はやって来るのだ・・・。
それはそれは、嫌味なほどのジャストタイミングで・・。
「よっ!お疲れさん♪」
5時の鳥時計の鳴き声と共に、元気よく入ってきた客を見るなり凌雅は睨
みつけていた。
「おっす!どうした、凌くん不機嫌じゃん?まぁええけどな、いや~まだや
ってて良かった。カットして!」
「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ、仕事だったんですか?」
不貞腐れている凌雅に代わって、颯がにこやかに対応する。
「・・いや、それがさぁ~聞いてくれる、パチンコに行ったらこれがつきまく
ってもう大勝ち!凄いのなんのってさぁ~やっぱ前の日に仏像磨いてやっ
たお返しかなぁ~♪感謝感謝。それでなかなか離れられなくて、今になっ
たって訳で・」
上機嫌でまくしたてる彼は、見た目の服装は20代といった感じだが、す
でに30歳を過ぎている店の常連で、尚且つ凌雅の古くからの知り合いで
ある。
そして、長髪でチンピラ風のいでたちだが実は、全然そうは見えないが寺の長男。
つまり、・・・・稲尾凪紗(イナオ ナギサ)
通称・・・ナギはお坊さんなのだ。
ただし、寺の跡継ぎは間違いなく次男が継ぐだろうともっぱらの評判で、
遊び呆けてるクソ坊主といったところだ。
そんな訳で、情け容赦なく凌雅の拳骨が凪紗を直撃した。
「・・いっ・・てぇ~・・何するんだ、凌くん俺は客だぞ!!」
「お前、ふざけんな!今日は5時までって知っとるやろ・・嫌がらせか・・
ボーズ決定や!誰かサンマイ取って!」
「ほら、凌雅。遠慮はいらん、坊主らしく刈ってやれ」
手際良く渡されたバリカンを手にして凌雅はニヤリと笑う。
「さっすが、洸ちゃん♪2mm入れていいの!いいね、それで行こう♪」
通常サンマイは8mmの事を言う。(多分ね・・。)
それなのに2mmとは・・・珍しく意見一致で笑いあう二人を見て颯はナギ
に同情せずにはいられなかった。
「こ・・・洸矢くん?・・うわっ・・マジで入れる気か?!・・やめろ凌雅!!
俺が悪かった。ごめん、すまん、ボーズはやめてくれ・・・しゃれになんねぇ
だろうが・・」
サァ---ッと血の気の引く思いをナギは味わった。
凌雅だけなら冗談ですむが、洸矢まで関わるとなるとそれは冗談では終
わらない。
「まぁ、今年も後僅かで終わりだしね、根性入れ替えて真面目に坊主でも
やれば・・」
冷めざめとつれなく洸矢に言われる。
「そうそう、まぁ気にすんな普通は一ヶ月で1cm伸びるもんやけど、ナギや
ったらもっと早く伸びるやろ~♪」
「うわぁ~~やめやめ!!わかった、今日は俺の奢り!!」
≪・・・・一体・・俺が何したって言うんだ・・・。≫
心底慌ててナギは謝った。しかし別にナギに落ち度などはない。
たまたま朝から立ちっ放しで働きずくめの洸矢達の逆鱗に触れただけで
まぁ、さぁ終わりだ~♪とささやかな幸せを噛み締める寸前でぶち壊され
てしまったのだ、ましてやそれが気を許している相手ともなれば、プロらし
からぬ行動にでても致し方ない。
「ラッキー♪、ナギが奢るって~♪洸ちゃん!」
「じゃ、早くカットしてやれ、買出しに行ってもらおう。静季終ったら、一緒に
付いていって買ってきてくれるか?」
「いいですよ♪静暮も一緒に行こう~」
「ちょっと待て、買出しって?」
普通にカットしてもらえるようになったナギだが、事態が掴めずにいた。
奢るとは言ったが・・買出し?何のこと?何するんだ?状態である。
「ちょっと、ナギ動くな!!買出しは、買出しやろ!酒とか・・食べもの・・
なんも無いからな~おおきに!まぁ今日は一年の総纏めの日だろ。って
言っても実家に帰ってもなぁ~って感じだしな。皆でわいわい過ごすお疲
れ会みたいなんをやるわけよ。忘年会のようで、新年会にも繋がる・・」
「もしかしてその会費っていうか・・経費?俺持ち?」
「なに言うてん、自分奢る言うたやろ・・それに大勝ちしたんやろ♪」
ナギは誰も味方になってくれるもののない、既に客扱いから程遠い所に
いる自分の立場に泣けて来ずにはいられなかった。
【 ヘアーサロン★TERRITORY 】の二階には、洸矢と凌雅が住んでい
る。・・・とは言っても、凌雅は始終ライブに出掛けてて友達の家に泊り込
む事が多く、殆ど洸矢1人で住んでいるのと代わりはなかった。
だが、この建物の持ち主は店長である洸矢ではなく、実は凌雅の物な
のである。
ふとした妙な縁で知り合ったのだが、気が付いたら店長に祭り上げられ
ていたのだ。
凌雅、本人曰く、『オレは、店長向きとちゃうから・・従業員の事でごちゃ
ごちゃすんのパス!と言うわけで任した。あぁ、金の事ならいつでも言って
な、じじぃからいくらでも巻き上げたるさかい~♪』
にこにこ笑って強引に嵌められた・・・。
丁度、洸矢の方にも多少苦しい状況にあってたため、二階に住まわせて
くれることを条件に今に至っていた。
もちろんオーナーである事と、従業員である事は別。
そう言うけじめは必要だと思うので、その立場は対等。
だが若干慣れてきた所為か、少々遊びが酷すぎる凌雅の所為か、日に
日に洸矢の立場の方が強くなって来ている様である。
さて、無事ナギのカットも終り、今年最後の大掃除を終えた面々は、そ
んな二人の住処に上がりこんでいた。
二人それぞれのプライベートルームとは別に、丁度挟んだ位置にあるリビ
ングでは既に出来上がった者が何人かいる様であった。
「ナギ、白菜がたりへん!切って」
「あぁ?・・お前、自分でやれよ・・」
グツグツと煮立つ鍋を囲み飲んでいる中、相変わらず態度のでかい凌雅
が言った言葉にナギは溜め息を吐く。
≪・・さっきは、鶏肉しか買ってきてないの?肉は豚バラがいい!!とか
言って買いに行かせて、帰ってきたら今度は白菜・・俺はお前の奴隷か?
・・言いたいが・・≫
言葉に出して言ったならば間違いなく肯定されるだろう・・。
それが分っているので、敢えてナギは心の中で嘆くのだった。
「・・僕が切ってきますよ、白菜だけでいいですか?」
はたで見ていて気の毒に思ったのか静暮が言った。
「あ、本当?サンキューシグっち♪じゃあ、エノキと春菊も♪」
「分りました。じゃぁ、すいませんけどこれ、ちょっと預かっててください」
静暮にもたれかかりすっかり酔いつぶれていた静季を、自分から離すと
清清すると言わんばかりに投げ捨てた。
慌てて近くにいたナギが抱きとめる。
≪俺が受け止めなかったらこのガキの頭は床を直撃してるぞ!?≫
ビックリしているナギを気にすることなく、コキコキと首を慣らしてほぐし、
立ち去る。きっと、来年・・・もうすぐ今年になるが、ブラコンの静季に明る
い未来はないだろう。・・・あっても困るだろうが・・・。
時が経つにつれて、皆のテンションも変わって行く。
酒は飲んでも呑まれるなとはよく言ったものだが・・・。
さまざまな酔い方の中、凌雅はザルの如く、どれだけ飲んでもいつもと変
わりなかった。
ふと、何気なく周りに目をさまよわせた時に凌雅の目に日本酒を片手に
眼つきが変わりつつある颯の姿が映った。
「ゲッ、誰や!颯ちゃんに日本酒飲ませたんわ!?」
普段は優しく人一倍気遣いに溢れる颯くんだが、彼は日本酒を飲むと人
格が変わる・・。
ビールだけとかだと、さほど問題はないのだが何故か日本酒には弱く、チ
ャンポンなんかした日には、先が思いやられるほどの変わりぶりだったり
する。
それを過去に何度か経験済みの凌雅はゲンナリせずにはいられない。
そんな凌雅に、ほろ酔い加減の義兄、日野晟駕(ヒノ セイガ)が答える。
「酒は僕のをやったが不味かったのか?」
「あぁ、兄ちゃんマズすぎや・・・あかん・・参ったな・・」
「すまなかったな・・・」
素直に謝られて凌雅はさらに引きつった・・。
普段は素直と無縁の巨大な猫を被っている大阪から帰ってきた義兄は母
親が違うのだが、凌雅をいたく気に入っており、実家ではなくここに直に来
ることが多い。
今日もやはりこちらに寄ってみたら、丁度ナギがいたのでよけい実家に行
く気がしなくなったのだろう。
会えばあってで二人でよく噛み合わない漫才みたいな言い合いをしてい
るが、以外にナギとは仲が良い様だ。
外で二人で一緒にいるとどうしてもゴロツキに弱みでも握られて脅され
てるサラリーマンといった感じに見られがちだが、晟駕はエリートコースま
っしぐらであるにも関わらず結構、破壊的考えの持ち主であった。
そう言う意味ではまさに、類は友を呼ぶ、と言ったところだろう。
「なんだぁ、つまみがねぇぞ!おいおい、聞いてるのかよ?」
普段とは違う、もの凄くドスを効かせた声で颯が唸る。
「あぁ~やっぱり・・・」
どうするかなぁ・・・ほっとくか逃げるか・・なんて凌雅が思っている間に颯
のターゲットが洸矢に絞られていた。
「・・んっ?酒も足りねぇぞ!おら、洸矢買って来い!!」
「・・・う~ん?」
にへら~と笑っている洸矢は既に酒に酔ってて颯の声は届いてはいない
様であった。
「随分と面白い光景ですね、お待ちかねの野菜ですけど・・・矢崎さんや
楠木さんって随分変わりますね・・」
呆れ果てた様子で周りを眺め、静暮は一番飲んでいるわりには変わりの
無い凌雅に感心しつつ、哀れにも思った。それはお互い様なのだが、今
や酔っ払いの天国・・素面の地獄と化しているこの場所では・・。
もはや流れに身を任せなすがままに・・せめて逆らわずに放って置く事
ぐらいしか・・所詮酔っ払いに何を言っても無駄な事なのだからと開き直る
しかない二人だった。
「悪いな静暮・・今日はもうどうにもならんが、明日酔いが覚めたらきっちり
お礼するし、させるな。証人になれよ!まずは颯ちゃんから虐めたる!」
次々と酔いつぶれる者や、凌雅によってやっと酔いつぶされた者など、よ
うやく静かな時間の流れにかわり静暮と凌雅以外は皆、爆睡中にあった。
「楠木さんがまさかあんな変わるなんて、以外でしたよ」
「あれは、普段が溜めすぎやからな、まぁ今年最後だしええやろ・・」
「矢崎さんはこれはこれで以外ですね」
今や凌雅の肩にもたれてすやすやと眠る洸矢を眺めて静暮が笑う
「可愛いやろ?取ったらあかんで!」
「生憎そんな度胸はありませんよ・・あっ、カウントダウンが始まりましたね」
TVではアイドル達がコンサート会場からファンと一緒に新年を迎える為
のカウントを始めていた。
『・・3・・2・1 ハッピーニューイヤー!!』
TVからひときわ大きな歓声が上がる。次々にうつる笑顔のアイドル達。
酔っ払いに付き合って、少々疲れていた凌雅達にも笑みがこぼれる。
「今年も兄弟揃ってお世話になりますので宜しくお願いします」
「・・静暮、今年もヨロシクな♪洸ちゃんもおめでとう♪」
もたれている洸矢の額にキスを落とす。
まだ酔いが残ってて微睡みの中にいる洸矢は、凌雅を見上げて幸せそう
に微笑む。
「・・ほんとなんだか可愛いですよね、こんなこと言うと失礼かもしれません
が・・」
「酔うと洸ちゃんガードゆるゆるやからなぁ~普段と変わるやろ?酒も強く
ないわりに飲むの好きだから困るんや・・まぁ昔から可愛かったけどな」
「・・昔?」
「洸ちゃんは覚えて無いみたいやけどな、ずっと昔・・まだ全然今の俺と違
ってて…何の力も無いただのガキのころ・・・洸ちゃんが必死に助けを求め
てる時に何も出来なかった・・・俺はほんとにただそこにいるだけで・・もう、
10年近くなるのに忘れられへん・・・」
弱音を吐かない凌雅にしては珍しく、淋しそうに笑う。今にも泣き出しそう
な顔で・・。
静暮はただ、静かに耳を傾ける。
酒は人の心の最後の扉を軽くする。
「・・洸ちゃんはどうか知らんけどな、俺は洸ちゃん好きやからもう、あの時
みたいになって欲しく無いんや・・最近ちっとも笑ってる顔見てへんけどな、
えぇよ・・怒ってても感情だしてくれてるだけで嬉しいんや・・」
きっと、二度と語る事の無い凌雅の想い・・・儚げな優しい笑顔を浮かべ
凌雅は静かに眠りについた。
それぞれの想いを胸に秘めながらも・・・新しい年が明ける。
ハッピーな幕開けになるかどうかはそれぞれの思いしだい!
まずは、一緒に幸せになろう!!
― END ―
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