気楽な奴だな。

気楽な奴だな。

愛情タンク




1号は、おっぱいがなかなか取れませんでした。

1号の頃は、断乳とか、抱き癖とか、うつ伏せ寝がいいとかを頻繁に言われた頃でした。


なので、何時までたってもおっぱいの取れないことが、悪い事のように言われていました。


こんな中、幸か不幸か、私はものすごくおっぱいが出ました。

出すぎて、捨てても捨てても、わいてきました。

出すぎて、何回も「乳腺炎」というのになり、熱が出て、病院にいきました。



そのたびに、看護婦さんたちに「いつまであげてるの?おっぱいは十ヶ月経ったら

水と一緒で、栄養もなんもないのよ!止められないのは、お母さんが甘いからよ。」


と、怒られつづけました。


何にも解らない私は、だめだめかーちゃんなんだと思い込み、

いろいろ思考錯誤、1号の断乳を試みました。

1週間泣かせても、1週間目に見たら飲む。

カラシを塗ろうが、怖い顔書こうが、テープを張ろうが、とにかくだめ。


きっと、その頃母子家庭になって、早くから保育園に行き

なんか理由があったに違いないんです。


でも、そんな余裕もなく、早く止めなきゃ、私はだめ人間や・・・って。

終いには、おっぱいを止められないってことを、人にも言えませんでした。



そんなこんなで、3歳児健診の日。

相談事にやはり「おっぱいを止める事ができない」と書きました。



すると、そのとき相談に乗ってくれた助産婦さんが、神の一言。

「何で止めるの?いいじゃない。」と。


「???へ?止めなくてもいいの?」私は耳を疑ったくらいです。

それと同時に、気持ちがすーっと楽になりました。


これまでの事をすべて話して、止めない母は、悪い母だと思っていたといいました。


すると、その助産婦さんが

「赤ちゃんが生まれてくるときに、みんな心に「愛情タンク」を持って生まれてくるの

そのタンクは、個人差があって、大きいタンクの子もいれば、小さいタンクの子もいるの。

でね、そのタンクをいっぱいにする方法として、抱っことか、話し掛けるとか、

いっぱいあるんだけども、一番の方法が、お母さんの抱っこのおっぱいなのよ。

だから、きっとあなたの赤ちゃんは、大きいタンクもって生まれてきたのよ。

だから、いっぱいになったとき、大きいタンクで、たくさんの人に愛情を分けてあげられるから。

もしも、タンクがいっぱいにならないうちに、離しちゃったら、赤ちゃんは

違う物でタンクをいっぱいにしようとするの。 それが指吸だったり、タオル噛んだり。


それでもいっぱいにならなかったら、人から奪おうとするからね。本能だから。

でも、タンクだから、増えたり減ったりするから、いつもいっぱいでいれるように

お母さんがんばってね。」と。



涙が出るほどうれしかったです。

私は子供を愛してるのに、こんなに離れたがらないのに、離さなきゃいけないことが

すごく辛かった。けど、それが子供に悪い事だと思ってたので、葛藤がすごかったです。



それを、悪い事ではなく、いいことだ!といってもらえて、ホッとしました。

それからは、堂々とおっぱいをあげ続けました。



4歳半のある日。

保育園から帰って、いつものように「今日は何したの?」と聞きながら

おっぱいをあげていたら


1号が「お母さん、もういいわ。おっぱいもういらんわ。」

と、いとも簡単に止めました。

ほんとにこの瞬間から、飲まなく、触らなくなりました。


(・・・あぁ、タンクいっぱいになったんだぁ)

心からそう思いました。




月日は経って、2号。

2号は、お姉ちゃんや、旦那もみんなそろっていたので

2歳一ヶ月で「お母さんおっぱい痛いんやんか~。バンドエイド貼って?」


と言ったら「おかしゃん、おっぱい、いたいの?おっぱい、いたいの?」

と聞いてきて、バンドエイドを貼ってくれて

「もう、おっぱいいいわ!」と、けろっと取れてしまいました。




そして3号も。


「最近えらいあんた、おっぱいの飲み方忘れたんか?」

というくらい、口に入ると、噛んでいました。

ちゅっちゅできなくなっていたんです。


それが3日ほど続いたら、はたっと止めてしまいました。

2歳七ヶ月のことでありました。



あの、断乳に悩んだ、悶々とした日々を、返して欲しい気分です。

しかし、あのときあの助産婦さんに、出会わなければ、

子育てが、上手くいってなかったかも知れません。



1号が大きくなった今。

あの頃、流行った「抱き癖、うつ伏せ寝」は、今じゃ悪い方になってますよね。

断乳も、するのは日本だけだったそうです。

今じゃ、だれもそんなこと言いませんもん。



気楽に、お母さんが、笑って子供を大きくしたいですよね。

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