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日常・・・
プロローグ
赤い砲弾が放物線を描いて青い空を舞った。
そして地面に着弾した瞬間に爆発が起きる。
緑が広がる森林の中で、そんな光景が繰り返されていた。
「進め!」
そう叫んだ男に向かって、赤い色のレーザーが命中する。
「撃て!撃つんだ!」
そう叫んだ直後には、黄色いレーザーが森林を支配した。
そんな光景のさなか、一機のガンシップが降下してきた。
第一線とは少し離れた場所にガンシップは止まる。
そして扉が開くと、特殊なスーツで身を固めた、5人の人間が勢いよくおりてきた。
『健闘を祈るぞ。第21小隊さん』
一番初めに降りた威厳のありそうな男の腕にある、通信機からそう声が聞こえる。
「分かってるって。では、迎えよろしく!」
その男が腕の通信機にそう叫ぶと、ガンシップは扉を閉めてはるか上空に飛び立った。
それをみた威厳ありの男は、他の4人の前に出て、いかにもリーダーっぽく説明しだした。
「いいか諸君、我々の任務は銀河同盟に反乱する反乱分子と戦ってる第32中隊の援護と保護をする事だ。
あくまで俺達は援護であることを忘れるな。目だたなくても良いんだぞ」
そのとき、話している男のはるか後方で大きな爆発が起きた。
「激しいこっちゃ」
「エクス隊長」
それを見た話を聞いている4人のうち、頬に十字の傷をつけている男が手を上げた。
威厳のありそうな男、第21小隊長エクス・クラウンは手を上げた男を指出した。
「なんだ、ザック」
いやいやながら聞くと、ザックは笑いながら答えた。
「話はこれまでにして、さっさと突撃しましょう」
そういうと、ザックは輪を抜け出し戦いの前線へと走り出した。
「待て!あの馬鹿やろう!まあいい、アダム、お前は近くの高所からいつものとおり頼む!」
「了解」
そういわれたアダムという赤毛の青年は、背中のジェット・パックを駆使して近くの高所を目出していった。
「残りの者は俺に続け!」
「了解!」
残った2人とエクスは前線へと駆け抜けていった。
ザック・ペリーは草木を蹴り飛ばし一気に前線へ出た。
「俺が全て片付けてやるよ!」
そういいながら、手にしているブラスターライフルを撃ちまくる。
彼のライフルから発射された黄色いレーザーは、気の影に隠れているゲリラ達に命中していく。
一通り周りを片付けたザックは腕の無線に向かって叫ぶ。
「クリア!さぁ俺についてきてくださいよ!」
「でかした!よし、みんな散らばれ!」
エクスがそう叫ぶと、後ろについてきた2人も一斉に分散する。
エクスは目の前から飛んでくるレーザー弾を避けると、木の陰に隠れた。
「第32中隊隊長聞こえるか!?こちら21小隊隊長エクス・クラウン!」
無線にそう叫ぶと、返答があった。
『こちら32中隊長だ!援護感謝する!』
「そっちの兵力はどのくらいだ!?」
エクスはそう叫びながら、銃の装填を行う。
『約半分に減っている!今川辺の洞窟に避難したがやばいかもだ!至急援護を!』
「分かった。今から行くからな!」
エクスは通話を終えると、今度は小隊メンバー全員に無線を繋げた。
「皆、第32中隊は川辺の洞窟にいるらしい。直ちに向かってくれ!」
通信を終了させると、彼は木の陰から前方を見た。
「とにかく、場所を掴まないと・・・」
その時、彼は背後に何か気配を感じ取った。
振向くと、反乱分子の一味と思われる3人がエクスに銃を向けているではないか。
「くそ・・・」
エクスは銃を放棄すると、手を上げた。
「覚悟しな!」
反乱分子の一人が引き金に手をかけた。そのときだった。
「隊長!!」
エクスは地面に伏せた。その叫び声を直感的に誰のものか判断したのだ。
するとエクスの背後から、筋骨粒々で坊主頭というとてもインパクトある男が姿を現した。
手には大きなガトリング式のマシンガンを構えている。
「くたばれ!」
その一言で引き金を引くと、色鮮やかなレーザー弾がたちまち発射され、次々と3人の反乱分子を貫いた。
あっさりとした結末に、エクスは笑顔で立ち上がった。
「また助けられたなベン」
筋骨隆々のベンも笑顔でエクスに近づく。
「これで助けた合計が56回になった」
「俺が助けた回数は33回か。遠く及ばないな。とにかく、前進するぞ」
エクスとベンは二人並んで、森林の中へと走り出した。
ザックは森林を抜け、川の流れがすぐ近くにあるところまでくる事ができた。
「さて・・・どこの洞窟だ」
「いたぞ!」
その声にザックは振り返ると、5人ほどの反乱分子が追ってきていた。
「しつこいやろうだぜ!」
そういいながらブラスターライフルを連射する。
しかし、相手が多すぎた。彼は瞬く間に囲まれてしまったのだ。
「武器を捨てな!」
反乱分子の一人がザックに命令する。
しぶしぶザックは銃を投げ捨てると、両手を挙げた。
「おお、威勢が良いじゃないか。同盟の回し者さん。さぁ、さっさと確保しろ」
「待てよ」
ザックは片手を前に出して近づく反乱分子どもを静止させた。
ザックを取り囲む中でも、リーダー核の男がきょとんとして訊く。
「どういうつもりだ?」
「おいおい、俺達は正規の訓練を受けてる特殊部隊だぜ?お前達、所詮銀河の反乱者どもが、俺たちにかなうと思ってるのか?」
ザックは嫌味たっぷりに笑いながら言い放った。
やはり逆鱗に触れたらしく、リーダーと思われる男が顔を真っ赤にした。
「くそ!・・・おい!とっとと撃ち殺してしまえ!」
「やっぱ、分かっちゃいないな。勝ったつもりでいるが、お前達はもう負けてる」
ザックはそういって、小さく微笑むと、息をめいっぱい吸い込んだ。
「おーい!助けてくれよーーーーー!!!」
ザックがいい終えた瞬間、リーダー格の男の隣にいた男が突然倒れた。
「何だ!?」
続いて反対側の男が、そして次にその隣の男が。
次の瞬間、ザックが前転してもうひとり残っていた男を殴り倒した。
「くそぉ!」
リーダー格の男がザックに銃口を向けた。が、もう遅かった。
男の頭はしっかりと撃ち抜かれていた。
ザックはホッとすると、上のほうを見上げた。
「サンキュー、アダム」
ザックはGoodサインを空に浮かぶアダムにむけてした。
ジェットパックで浮かび、スナイパーライフルを構えた赤毛の青年アダムはGoodサインを返した。
第21小隊の中でも一番小柄なメンバーが森林を駆け抜けている。
ゴーグルをつけ、肩まで伸びる髪を振り乱しながら。
「大丈夫ですか!?」
視界が開け、ザックの姿を確認するなりそう叫んだ。
「どうした?メリルちゃん」
死体から銃をあさっていたザックがきょとんとした顔で見上げる。
メリルと呼ばれた隊員はゴーグルを外した。
メリルは大きな瞳に肩までの髪と幼さの残る顔立ちは、いわゆるベタな美少女というわけである。
「お、メリルちゃん。相変わらずかわいいな」
「ちょっと、黙ってくださいよ」
メリルが少し怒り気味になったので、ザックもさすがに冷やかしをやめた。
そのとき、ザックの背後、メリルの前方で銃を構える音がした。
「動くな!野郎共!」
銃を向けてるのは、先ほどザックが殴り倒した男である。
「しまった、もう目を覚ましたか」
ザックが舌打ちしながら立ち上がる。
メリルはザックと、空で様子を伺うアダムを確認して無線を口に当てた。
「プランA-2なんてどうです?」
メリルがそういうと、ザックは頷いた。
「いいね~」
『了解だ』
アダムも無線越しに肯定する。
一人だけ訳の分からない反乱分子の生き残りは、テンパって口を出した。
「おい!一体何を言ってるんだ!」
そういうと、男の引き金を引く腕に力がはいった。
「いまだー!」
ザックが叫んだ瞬間にアダムが発射した弾が男の脇に着弾する。
驚いた反乱分子の男は慌ててアダムに銃口を向けた。
「くそったれめ!」
アダムに銃口を向けるため、男は上を向いた。
その時、メリルは銃を構えなおし引き金を引いた。
「しまっ・・・」
男は隙をつかれて腹を撃ちぬかれ、同時に後ろへと倒れこんだ。
一瞬の静寂。それを破ったのは例の如くザックだ。
「ふぅ~、やったぜ」
『お前は何もしちゃいないだろ』
無線でアダムがダメだしをする。
ザックは一安心しているメリルを見て言った。
「あの男、俺とメリルちゃんを見て野郎共って言ってたな。メリルちゃん、胸がアレだから男だと・・・」
「だから黙ってくださいよ!」
そう言ってメリルは、ザックの腹をライフルで殴った。
『おっと・・・』
アダムが無線越しに驚愕する声が聞こえる。
ザックはわき腹を押さえながら、苦しげに起き上がった。
「ふぅ・・・相変わらず強烈だなぁ」
そのとき、全員の無線が鳴った。
『聞こえるか?第32中隊は無事保護完了した。皆の現在位置は?』
声の主は隊長のエクスである。
ザックは周りを代表して無線に口を当てた。
「アダムとメリルと一緒にいます。今からそちらに行くからさ、場所を教えてよ、隊長さん」
ザックの言葉に、呆れたように鼻を鳴らしたエクスが答える。
『ああ、わかった。位置はA23のF55の地点だ。とにかく急げよ、退却する』
「了解です」
ザックは無線を切ると、メリルを見た。
「さぁ、おうちにお帰りと行きますか」
降下して来たアダムも一緒に、3人はエクスとベンが待つ地点へと歩き出した。
第21小隊は、帰還を始めた。
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