日曜日の午後,あん子が熱をだした。
38度5分という。
月曜日と火曜日の中間テストを控えていた。
妻は,夕食のとき,勝手にあん子を休ませるような言動をした。
「明日休みなさい。元気になってから,後で試験受ければいいじゃない。
試験の時,市の陸上記録会に出る人と同じく,後で試験受けられるよ。」
「そんなことはあり得ない。試験という公正なものを,病気だから
といって休んだものに,同じテストをすることはあり得ない。
記録会の子どもは先生が引率しており,試合終了後,学校に戻り
先生の監督の元で試験を受けるはずだ。」
あん子はあいづちをうった。
「おとうさんのいうとおりだよ。試合後学校に戻り試験を受けるそうだ。」
「バイオリンの諏訪内さんは,チャイコスキーコンクールの
とき,高熱を出して,出場して優勝した。」
「バイオリンだったら,大丈夫だけれどね。」
と体調不調な様子で答える。
「試験が終わったら,救急車が呼ばれるくらいの覚悟で
やらなきゃいけないよ。
これからの人生,いろいろなことがある。
病気したって,やらなけれはないことがある。
もし,試験中倒れたら,保健室に行って試験を受けなさい。」
「試験が終わって倒れて,救急車で病院に行って,成績が悪かったら,かっこわるいね。」
夜の8時過ぎにこんなことをいうので,病院に行く機会もなかった。
「12時まで後3時間ある。」
「そんな時間までやれない。」
と行って,食堂を出て行き,直に部屋が暗くなった。
今日,体調が回復しないので,車で学校に送った。
今日の夕食のときも,体調が悪そうだった。
妻は,また
「早くやすんだら」
とつまらぬことをいう。
「理科がわからないから,やる。」
「明日は,試験が終わったら,ゆっくり休み。ピアノも休んだら。」
「そうする。」
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