月明かり


東には太陽が仕事を終え 月がうっすら姿を見せている
澄み渡った空 こんなにも暖かい陽射し
電車は無常にも景色を奪ってゆく
外では北風が吹いているのか 行き交う人は目を細めている
いくつもの川を越えて横浜へと向かっていた

日本は狭いだなんて誰が言い出したんだろう
こんなにも素晴らしい街並が まるで永遠と続く様なのに

窓の外にはお化粧した山々が構えている
君にも見せてあげたいなぁ

あとどれくらい電車に乗るんだろう
月だってあんなに大きく はっきりとしてきた

いつの間にか山は姿を消していた
代わりに大きな街が見えていた
名古屋を少し過ぎた所だ
電車の中には疲れた顔した人で溢れていた

空の果ては薄いオレンジ色だ 雲が夕陽に誘われ赤く燃えている
目に映るもの全てが まるでスポンジの様に 僕の心は吸い込んでゆく

不思議だね こんな穏やかな気持ちなのに
ふと君の事を想うだけで悲しい気持ちになる
不思議だよ 早く家に帰って話したい
でも寝てるだろうな 風邪なんか引いてないだろうか
今でも僕の事を好きでいてくれてるだろうか…
こんな弱い僕だからいけないの?こんな僕だから…

君に貰った詩が心の中で響いている
まるでスタジアムで沸き起こる歓声の様に
君を想う気持ちなら誰にも負けない 信じてくれるだろうか
人を好きになるのに理由なんて要らない 

僕と同じ気持ちで君がいてくれるならば きっと素晴らしい恋になる

約束するよ

だからもう1度信じてくれないかな 時間がかかってもいい
この想いが君の胸に届くなら

こんな事を思っているうちに 車窓はまた景色を変えていた
暗闇に包まれた空
満月が綺麗に輝いている
月は太陽に追いつく事は出来ないけど 
いつか僕は君を捕まえる
星が落ちてきたなら 何を祈ろうか…

君に逢いたい あいたくてアイタクテ 苦しい
君と笑顔で会えるように
だから君がずっとずっと 元気でいますように

優しく包み込んでくれていたお陽様はもういないけれど
次は僕が君を包み込んであげたい
沈む事なく 永遠に

月明かりの下 
僕の簡単な想いをここにつづっている

おやすみ



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