僕も新しい生活の中でいつもの冴えない日を送っていた

君の声はからっからに乾いた僕の身体に染み込んでいった

君のその香りは錆び付いた僕の心にそっと花粉を落としていった


あの頃は話しをするだけで良かったはず

あの頃は声を聞くだけで安心出来たはず

誰よりも君を好きでいたのに

誰よりも君の傍にいたかったのに



君と唇を重ねたあの蒸し暑い日は見知らぬ空の下

心を込めて君へと贈ったいくつかのラブソング

溢れてくる涙を押し殺して君とさよならをしたあの改札口

潤い満ちた僕の心に君は見えない愛を落としていった


電車の中で移りゆく景色を眺めながら

君の顔をふと空へ浮かべながら

僕の気持ちをそっと囁いてみるけど

そこに君はいるはずもなくて



君とけんかをしたのは夏の終わりそして秋の始まり

出会ったばかりのことを想い出すと

贅沢でわがままな自分がいることに気付く

そして苛立ちを覚え訳もなく流れてくる涙は

決して消えることはなくてシーツに溶けていった

まるで絵の具を薄めた水を服に零してしまった子供のように。


君と出会ったのは桜の花びらも散りゆく季節で

今ある季節は暑さと寒さが入れ替わる季節の変わり目

夏とも秋とも言えない季節


冬になれば僕の誕生日がくる

知ってるよね?僕の誕生日の秘密



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