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浪漫的狼

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nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、お元気です?? その後調子はいか…
浪漫的狼 @ Re[1]:なんと(01/08) nanaco☆さん  わあい。すぐにお返事いた…
nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、大変ご無沙汰しております~!!…
wine ガブガブ @ Re:充電します。(04/30) エネルギーが、蓄積されたら、また再開し…
deco7 @ Re:充電します。(04/30) 充電のお役には立ちませんが、遊びに来て…
Oct 9, 2009
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カテゴリ: 創作の部屋
あ、100000アクセスが来そう。誰が次回の当選者でしょうか?



【連載題19回】

第4部

 祭の当日。

 朝方、急に雨が降り始め、遼介はちょっと驚いた。

 が、実はそれは天気予報通りであったということを彼は後で知った。そして、これも予報通

りらしく、昼前から、空はまさに雲一つ無い快晴となっていた。


 お昼のニュースでも、アナウンサーがここのところ連日の真夏日だということを、凄いニュ

ースのように連呼していた。


 そして、午後。


 時計の針は5時を回った。

 鈴香は約束通り、電車で遼介の街にやってきた。


 駅舎から外へ出てみると、もうかなりの人が街に繰り出していた。駅を出てすぐの所にも、

もう既に屋台のようなものが出ている。


 鈴香はそれを横目に見ながら、博物館を目指して歩いていた。


 夜店は6時頃から始まるということであったが、もう営業を始めている店も随分あるようだ

った。「大きな道には山車も出て凄い人出になるので、少し早めにやってきた方がいいよ」、

という遼介のアドバイスは的確だった。


 少し進んで行くと、法被姿の老若男女があちこちに見える。。

 どこで手に入れたのか、キラキラと光る風船とアイスクリームを持って嬉しそうに歩いてい

る子どもとすれ違い、鈴香は思わず微笑んでしまう。


水路脇の道路に出ると、先日は、暗い水面に街灯がちらちらとしていた水路も、今日は提灯

やら何やらの明かりで色とりどりの光が反射していて、とても綺麗だった。


次第に辺りは薄暗くなり始めていた。

 もう9月だから、この時間でも結構薄暗くなっちゃうんだ、と少しだけ秋を感じる鈴香だっ

た。

 完全に陽が暮れたらまた綺麗だろうな、と華やぐ界隈を楽しみながら彼女は歩き続けてい

た。


 祭ということで、この間ともまた様子が変わっている街並み、ちょっと迷いそうになった鈴

香だったが、やはりあの目印になるマンションが助けてくれた。



 そして、あの角が近づいてきた。

 この間、既視感めいた妙な感覚にとらわれたあの場所であったが、今日は何も感じなかっ

た。

 今日もまたあの感覚が到来するのだろうか…と、少し構えていた鈴香だったが、「まあ、そ

んなものかな。」と軽く思いながら、そこを曲がった。

 お祭りの喧噪は一気に後ろへとボリュームダウンしていった。


 路地を抜け、博物館のテラスに出た。が、意外なことに、そこには誰もいなかった。

 鈴香はゆっくりとテラスの模様の上を歩いていくと、あの黒猫のブロンズ像の下のベンチに

座って、暫くぼんやりと考え事をしていた。



「お待たせ。」と、後ろから突然声がした。

 鈴香はちょっと驚いて、すぐに立ち上がって振り向いた。

 そこには遼介が立っていた。


 「あ、びっくりさせてゴメン。待った?」

 「ううん。大丈夫。」

 そんな会話を交わしながら、鈴香の姿を見て遼介はちょっと驚いた。


 鈴香は、この間初めてここにやって来た時と同じ恰好をしていたのだ。

 ただ、髪型だけが少し違っていた。あの時は肩口まである髪をそのままにしていたが、今日

は後ろで束ねていた。


 自分を見つめる遼介の視線を感じ、鈴香も、

 「…この間と同じ恰好の方がいいかな…なんて思って。

  髪は…何となく、くくっちゃった。」

 遼介は、その鈴香の思惑が分かったような気がしたが、敢えてそこは何も言わず、


 「いいんじゃない。可愛いよ。」

 と、照れくさそうに、それだけ言うと、

 「お祖父ちゃんは多分家で一杯やって、花火に合わせて出てくると思うんで、

  …8時頃かな。」

 「…そう。」



遼介は、平蔵がいないことにちょっと肩透かしを食らった感じに見えたので、

 「ウチに招待しても良いんだけど…。

  良かったら一度連れておいでってみんなに言われてるんだ…。」

 と言ってみたが、

 「そう。でも、今日は急だし…悪いから、また今度にするわ…今日は外をぶらぶらしましょ

  うよ。」

 「そう。じゃあまたそれは今度の機会ということにしようか。」

 「うん。」




 時刻はもう6時を回っていた。辺りはかなり暗くなっていた。

 「もう、屋台とか色々始まってると思うんで、行ってみようか?」

 「うん。」

 そう鈴香は言いながら、歩き始めるとすぐ、

 「あの…。」

 と、立ち止まった。


 「何?」

 鈴香はやや申し訳なさそうに言った。


 「もう…、閉まっちゃってるよね。」


 鈴香の視線の先には博物館の新館があった。


 遼介はすぐに言った。

 「やっぱりそう言うと思ったんだよね。」

 遼介は、鈴香の気持ちを前もって読んでいた。

 彼は徐にポケットからいくつかの鍵がぶら下がっている銀の輪を取り出すと、ちょっと照れ

臭そうに笑って彼女の目の前に差し出した。



 「やっぱり、あの絵…見たいんだろ。もう一度。」


 鈴香はにっこりと頷き、そして二人は薄暗い博物館の中へと入った。


 「灯りは一部だけでいいよね。」

 と、そんなことを呟きながら、遼介はあちこち違う所をパチパチと点けたり消したりしてい

たが、結果的に一階の入り口と階段の所だけを明るくした。

 そして二階の一部にも電灯が点るのが分かった。


 「お祖父ちゃんにはちゃんと言ってあるから。」

 そう言って遼介は鈴香の手を引いた。



 何となくであったが、遼介は思わず鈴香の手を握っていた。


 少し冷たく感じる鈴香の手は、柔らかく、それでいてほんのりと温かかった。

 階段を上りながら、遼介はどきどきしていた。

 「足もと…気を付けて」というのが精一杯だった。


 そして、再びあの絵に二人は対峙した。

 「千代子さん…、きっと、昔ここで…この絵を見たんでしょうね。」

 「うん。」


 二人は暫く沈黙していた。二人の手はつながれたままだった。


 鈴香は、稚拙ながらも、少女だった千代子が、この絵に思い入れ、その思いをあの絵に重ね

たのだろう…そんな確信を持っていた。


 …そして、きっとあそこに描かれた少年のことも。



 「お祖父ちゃんに聞くのはやっぱり野暮だよな。」

 ぽつりと遼介が言う。

 「うん。」


 鈴香も、そうは言いながらも、本当にあそこに描かれた少年が、若き日の平蔵なのだろう

か…と、

 そしてそれを確かめたいという気持ちは、強くなる一方だった。

 そして、遼介も同じことを考えていた。



 平蔵と千代子…

 二人の間に、何かロマンスめいたものはあったのだろうか。


 結局、そこでも結論は出ずじまいだった。


 けれど、二人は妙な満足感に浸っていた。



 そして、『黒猫館』を後にした二人は、祭囃子の聞こえ始めた通りへと歩き始めた。


                                         〈続く〉




100000アクセスキリ番も当然やりますよ~。発表は連載終了後です。





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おかげさまで





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Last updated  Oct 9, 2009 10:15:45 PM
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独走  
水田7139  さん
1位独走ですね。
毎朝,楽しみに読んでいます。 (Oct 9, 2009 06:49:00 AM)

10万アクセスおめでとうございます!  
1位と10万が重なって尚嬉しいですね~~~♪

あっあ~~~私100,001です。うぅー惜しい!

平蔵さんと千代子さんの間にどんな物語が
あったのか・・・・非常に気になります。
祭りの中の若い2人もいいですね~ 
明日も楽しみです!! (Oct 9, 2009 09:26:18 PM)

おめでとうございます!!!  
ムッティ138  さん
10万アクセス超え、おめでとうございます!残念ながらキリ番ゲットならずでしたが、この次の企画も今から楽しみです!
平蔵お祖父ちゃんと千代子さん。何かあったんですね?子供の頃の淡い初恋の思い出でしょうか…。淡すぎて何だか切ないような気もします。それにしても、遼介くんが今回は積極的では!?ドキドキ~。 (Oct 10, 2009 01:16:15 AM)

Re:三題噺【第19回】 第4部(1)(10/09)  
ちゃと屋  さん
10万アクセスおめでとうございます!!
さすがにれんちゃんはなかったわぁ、残念っ
「可愛いよ」と言ったり、手を握ったりって意外と勇気がいるはず、遼介がんばれっ
平蔵と千代子のロマンスも気になるけど、鈴香と遼介もどうなっちゃうんだろ!? (Oct 10, 2009 06:21:34 AM)

Re:独走(10/09)  
浪漫的狼  さん
水田7139さん
ありがとうございます☆ 
 そうですか、出勤前に読んで下さってるんですね。
 お名前はいつもチェックしていました(*^_^*)
 今後もよろしくお願いします。 (Oct 10, 2009 07:04:51 AM)

Re:10万アクセスおめでとうございます!(10/09)  
浪漫的狼  さん
Nobubuさん
 凄いです。でも、100000ちょうどは一体誰?
 この連載が済みましたら、発表しますね。

 いつもコメントありがとうございます☆ (Oct 10, 2009 07:06:00 AM)

Re:おめでとうございます!!!(10/09)  
浪漫的狼  さん
ムッティ138さん
 ですね。いつも、終盤になるともっともっと書き続けたくなります。
 最後まで応援してね☆ (Oct 10, 2009 07:07:00 AM)

Re[1]:三題噺【第19回】 第4部(1)(10/09)  
浪漫的狼  さん
ちゃと屋さん
 そうなんですよね。結末は???
 さて、タイトルの方もそろそろ考えてみちゃって下さいね。 (Oct 10, 2009 07:07:51 AM)

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