ラジオと映画とちょっとジャジーな日々

ラジオと映画とちょっとジャジーな日々

渋谷毅さんのこと ♪‐5

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ライブ・ハウスは30人も入ればいっぱいの
こじんまりしたところだ。

「ジャズわかってますから。」

っていう感じの人たちが、
薄暗い店内で静かにお酒を飲んでいる。

さっきまで、気負いでいっぱいだった私だが、
今度は、一転気後れして、
一番奥の、一番隅の暗がりに席を取る。

「ジャズわかりませんから・・・」小さくなっていよう。

ジャズわかりませんけれど、

このライブが素晴らしかったのは、わかった。

素人でもわかった。

峰さん、林さんが自在に演奏する2本のサックス
自由に、でも決してバラバラにならない。

そして、二人をさりげなく、
自然に包み込んで、その場を作っているのは、
やっぱり渋谷毅さんのピアノだ。

「自分が、自分が」というところは全く無い
でも、渋谷さんがいなくては、この空間は作れない。

絶対に必要な存在なのだ。

「何という人だろう・・・」
ちょっと泣きそうになった。

感動でいっぱいになった私は、
さっきのエレベーターでの勢いもあって、
また渋谷さんのところへ行ってみた。

「すごく良かった!」という気持ちを伝えるのに、

「すごく良かったです。」 と言ってしまった。

ダメじゃん。
もう、これで終わり…、感想。

きっと、そんな賛辞は聴きなれているだろう皆さんは、
ちょっとこちらを見て「ありがとう。」と言った。

ジャズに詳しい人ならば、
きっともっと色々な言葉で表現ができるのだろうな…。
シュン。

そこで引き下がればいいのだけれど、
私には、どうしても渋谷さんに聞いてみたいことがあった。

失礼なことは承知だ。

でも、渋谷さんと直接言葉を交わすなんて、
もう、一生無いだろう…と思うと、
この機会を逃すわけにはいかなかった。

(つづく)

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