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死の運命がベートーベンに訪れる時、彼にはある疑問がありました。「私は何の病気で死ぬのだろうか。」有名な聴覚障害、そして命を奪う肝臓疾患。1827年に58歳で亡くなるとき、彼自身、病気の原因が分かりませんでした。しかし2000年10月17日、彼の遺髪をウィリアム・ウォルシュ博士が依頼され鑑定したことで、その原因が明かされます。依頼元は、サンホセ州立大学のベートンベンセンター。遺髪はなんとサザビーズのオークションで入手したといいます。遺髪からは通常の100倍の濃度の鉛が検出。死因は、鉛の過剰摂取による中毒死と推定されました。鉛の異常摂取の原因は分かりません。鉛による治療の結果とも言われます。しかし可能性として、鉛のグラスでのワインの摂取が考えられます。古代ローマでも鉛のコップで、好んでワインが飲まれました。ワインは鉛を溶かし、ワインに甘みを与えるから。古代ローマの滅亡を早めたのも、鉛の食器といわれます。ところで、20%以上の鉛を含むクリスタルガラスは大丈夫でしょうか。ご安心ください。クリスタルガラスでの中毒例はありません。安心してワインをお楽しみください。*ところで、今日はなぜ、「運命」などが出てくるのでしょう。実はあることが起きたのです。それは、★野いちご★さんの日記で。
2007.07.31
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書きっぱなしの私の日記でもその後も物事は進んでいます。今日はまとめて、「日記、それから」を書くことにしました。「カブトエビ、それから」たんぼの水はなくなり、カブトエビも姿を消しました。あのたんぼの土の中には、乾燥に強いカブトエビの卵が、来年の田植えを待っていることでしょう。「アポロチョコの実験、それから」アポロチョコを見つけましたが、水に浮きません。不器用なのかと思い、アポロの先端を平らに切り、容器の底に逆立ちさせて設置。静かに水を注ぐ方式に変更。しかし、浮きません。どうも表面張力が効かない様子。チョコの表面がすぐに暑さで融けてしまうためと思われます。しかしチョコを半分ぐらいに切っても浮かないので、ひょっとして無理なのかもしれません。「宝くじ、それから」私は宝くじより、★野いちご★さんのチョコボールのおもちゃの缶詰に興味があります。こちらの当たりの方が、宝くじより確率が良さそうです。ところで、楽天さん。私は1年半ぐらい、楽天ビンゴを引き続けていますが当たりません。これはおかしくないですか? 確率的に。「脳内メーカー、それから」先回は、悲しい結果の脳内メーカー。思い悩んだ私は、ついに禁断の“姓名の間にスペース”で挑戦しました。その結果です。 素晴らしい!決めました。これを“採用”です。
2007.07.30
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選挙の後、消費税はどうなるのでしょう。そんなことを、つい考えてしまいます。かつてイギリスでは、窓にも税金がかけられていました。それは19世紀のこと。窓ばかりではなく、換気穴にも税金はかけられます。そのため貧しい人々は、窓のない暗い部屋で過ごさざるを得ませんでした。1825年にようやく窓が8個までは無税となりました。しかし税金の高さから、窓が8個以上の家はイギリスの1/7しかありませんでした。窓税が廃止されたのは1851年。この後に、ようやくイギリス国民は、窓ガラスからの陽光の射す部屋に住めるようになりました。イギリスの画家たちも、ようやく明るい部屋で絵を描き始めます。昔の絵が暗いのには、窓税の影響もあったのです。イギリス国民は窓税により、かえって光の恩恵を実感しました。もし消費税が増税されれば、私たちは物のありがたさを、感じることができるのかもしれません。
2007.07.29
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電話を発明したのは誰でしょう?今でも、この問いに、多くの人はこう答えるでしょう。はい、アレグザンダー・グラハム・ベルですと。電話の特許申請でのドラマは有名です。初めに電話の特許申請をしたのはエジソン。しかしあまりに概念的な申請に、この特許申請は却下されます。そして1876年2月14日、ベルが電話の特許を申請。その2時間後に特許保護願いを申請したイライシャ・グレイに先んじて、電話の特許権を取得します。この出来事は早期の特許申請の重要さを語るエピソードとなりますが、今日では更に新事実が語られるようになりました。ベルは特許申請の際に、グレイの特許保護願いを事前に見て、その場でグレイの可変式抵抗器による送話器のアイデアを自らの申請書の欄外に書き込んだのです。実際にベル初の通話試験でも、グレイ型の電話が使われます。そして後にグレイとの特許紛争では、特許権で得た資金にものをいわせ、有能な弁護士団でグレイを叩き潰します。さらに他の発明者からも、電話器に関わる特許権を買収。拒む発明者は、グレイと同様に特許紛争に巻き込まれます。そしてそれは、資金が尽きるまで続きます。まさに、ベルを電話の発明者にしたのは、後の「ベル帝国」が生み出した多額の資金だったのです。先発明主義のアメリカでは、グレイが手続きをすれば発明者として認可されたはずですが、紛争に疲れたのか、グレイがその手続きをすることはありませんでした。一方でベルは、後のAT&Tとなるベル電話会社で利益を生み続けます。今日では電話の発明者は、エジソンでもグレイでもベルでもないとされています。その発明者は、ドイツのカッセル公国のヨハン・フィリップ・ライス。彼は遅くとも1860年にはガルニエ工科大学で、電気による送話器を発明しています。徐々に事実が明らかになってきましたが、全ては過去のこと。ちょっと電話をかけてみます。もしもし、電話を発明した方はいらっしゃいますか?すみませんが、あなたはどちらさまでしょうか?
2007.07.28
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街中に人だかり。何かと思えば、宝くじの販売でした。あいかわらず、宝くじは人気です。しかし宝くじの期待値はどの程度でしょう。期待値、つまり投資に対して、どれだけの賞金がもらえるか?サマージャンボでは、期待値は142円です。つまり300円の券を買うと、142円の配当が期待されるのです。142円、これはあまりに低く思えます。実は競馬でも配当は75%。つまり100円で75円配当金が期待できます。それでも宝くじは大人気。なぜでしょうか。その答えは、宝くじ券の裏に書かれています。宝くじの益金は、都道府県市町村の公共設備公共事業に投資されるのです。この公共設備費に使われるため、宝くじの配当金は低く設定されているのです。なるほど、そうなのです。あの方々は、宝くじを買うふりをして、学校や公共施設などへの寄付をしていたのです。全くの匿名での寄付、なんと奥ゆかしいことでしょう。今日も宝くじ売り場には、長い行列ができています。そして多額の寄付が集まっています。他人に冷たくなったという日本人。しかし、まんざら日本人も、捨てたものではないですね。
2007.07.27
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イギリス人は紅茶好き。そう私たちは思っています。しかしそれは、昔からのことではありません。1870年ごろまでは、イギリスでもコーヒーが広く飲まれていました。しかしその後、コーヒーは急速に廃れます。その原因は2つあります。ひとつは、コーヒーの価格が急騰したこと。植民地セイロンのコーヒーが虫害によって被害を受け、紅茶栽培に転換します。その結果、コーヒー価格は急騰し、紅茶は安くなります。もうひとつの理由は、コーヒーの品質悪化。コーヒー豆が不足したため、業者がチコリを混ぜて販売します。チコリはキク科の多年草ですが、糖分を多量に含み、根をローストすると、コーヒーに似た色と苦味を生みました。しかも政府はチコリの混入を表示さえすれば制限しなかったため、純コーヒーと呼ばれるものでも25%のチコリの混入がありました。この結果、イギリス国民は、高くて不味いコーヒーから離れていったのです。上質のコーヒーが安く飲める現代の日本では、無理に紅茶にこだわる必要もありません。紅茶ももちろん良いですが、私はやはりコーヒー党。上質のコーヒーを、19世紀のイギリス国民より贅沢に頂くことにします。美味しいコーヒーが頂ける、この幸せに感謝!
2007.07.26
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懐かしいアポロチョコレートが欲しくなりました。それと言うのも、ガリレオの実験がしたくなったからです。地位の低い数学者ガリレオに、ある日、哲学者が挑戦します。その哲学者はピサ大学のフラミニオ・パパツォーニ。哲学者の地位は高く、実にガリレオの10倍の高給で働いていました。パパツォーニは言います。平べったいものは水に浮かび、細いものは沈むと。ガリレオはその逆を実験で証明します。水よりやや比重の大きい三角錐の形をしたロウ。このロウは、平らな面を下にすると沈みます。しかしとがった面を下にすると、このロウは水に浮かびました。哲学者の誤りが証明されたのです。ポイントは水の表面張力。ですから実験では、ロウ全体を水で濡らすと沈んでしまいます。表面張力が働きにくくなりますから。この実験が、アポロチョコでもできるらしいのです。アポロチョコはあまり見かけませんが、お手軽な実験です。400年前にガリレオが考えた実験。さて、21世紀の私たちにはできるでしょうか。
2007.07.25
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「そばにいるよ」は、ぶぶチャチャの素敵な絵本。おちしんじさんの可愛いイラストと、おけやあきらさんの優しい文章。愛犬家の、心を揺さぶる話です。私の文章で、本のご紹介をします。ぜひ、実際の絵本の絵とお話をご覧ください。*ぼくは、いぬのチャチャ。飼い主のきみを守ろうとして、トラックに跳ねられ,死んでしまった。体のない、ぼくはとても自由だ。でも、きみ。なぜきみは、そんなに悲しそう。いつもきみは、ぼくを笑顔で迎えてくれてたじゃないか。お散歩、かけっこ、お昼寝。きみといっしょの時間は、いつも輝いていた。あのころの、すべてが、いとおしい。きみの悲しむ顔は見たくない。でも、もしきみが・・・。もし、きみが、ぼくを忘れてしまうとしたら。もう一度、あの頃に戻りたい。いまのまま、きみのそばにいたい。ああ、でも・・・。月の光が、ぼくを空に引き寄せる。もう、時間がない。きみとは、いっしょに、いられない。たとえ気付かれなくてもよいから。だから、きみといっしょにいさせて。もう一度でいいから、きみの笑顔をみせて。ああ、でも、もう時間がない・・・。*奇跡を願う、チャチャ。もし、奇跡が起きたなら、それはきっと、やさしい幸せの始まりに。【絵本】「そばにいるよ ぶぶチャチャより」,おけやあきら/おちしんじ,PHP研究所,2000年 (ISBN:9784569611082)ぶぶチャチャ
2007.07.24
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甘党にとって、ケーキなどの甘い洋菓子は魅力的。甘い和菓子も夏には最高のデザートです。しかしご注意を。虫歯は甘党のあなたを襲います。このブログでの登場したイギリス女王エリザベス一世は大の甘党でした。砂糖菓子やケーキを、宮廷の贅沢なデザートとともに食べていました。しかも彼女は歯を綺麗にみせるため、硝酸や軽石で歯を擦っていました。エナメル質の取れた歯に、多量の砂糖が襲い掛かります。かくして彼女は虫歯に。虫歯は歯槽膿漏となり、更に血液中に細菌が入り込みます。つまり敗血症です。度重なる発熱、ふるえ、頭痛、関節痛。さらにはあらゆる臓器が侵されていく。そして彼女は息を引き取ります。ヨーロッパ諸国を畏怖させたイギリス女王は、ケーキの誘惑に敗れたのです。皆さん、くれぐれもケーキの誘惑にはご注意を。それでは今日は、ねこさん、いぬさんのお菓子をご紹介しましょう。ふふふふ。
2007.07.23
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ありがとうございます。お陰様でようやく準一周年を迎えることができました。かなり厳しい状況もありましたが、皆様の応援のお陰でこの日を迎えることができました。この時期は何かと、日記が書きにくい時期だと感じています。実際、常連の方の中にも、この時期は一時休止されている方が散見されます。そんな悪条件のこの時期に、なぜ1年前、私が日記を始めたかは不思議です。履歴を振り返りました。7/21に日記を始めるものの、当然にコメントはありません。日記への初コメントは、8/19の吹雪深雪さんでした。この後、吹雪深雪さんおひとりに日記を添削頂くような感じで、日記更新が続きます。他にもコメントを下さった方は見えますが、既にブログを止められています。そして、9/21のあやはじくんさんまで、常連さんは見えませんでした。少しコメントが増えたのは、下記の11/25の日記でした。アメデオ・モディリアーニこれからようやく日記のペースが出てきました。今日で55,000ヒットを超えれば、プロフィールをご紹介とお約束しました。しかし残念ながら、アクセス数は21日終了時で54,608ヒットでした。応援頂いた皆様には申し訳ありません。ただ日記更新は毎日継続しておりましたので、ご容赦ください。もっとも私は少しほっとしていたりして・・・・。とはいえ、あまりに申し訳ありませんので、少しだけプロフィールをお話します。私を陶磁器の販売業者の様に思われている方も見えるようですが、陶磁器はあくまで趣味の世界です。私は3大学を転々と卒業,修了し、工学の博士号を授かっています。ですからあくまで理系の人間なのです。そんな私が続ける不思議なお話日記。少し内容が荒れ気味なのは、これから修正していきます。ですので、これからも応援頂ければ幸いです。本当に皆様、ありがとうございました。これからもご支援をよろしくお願いします。
2007.07.22
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古い本を読んでいました。9・11事件で墜落したUA93便を描いた本です。当時はあまりの加熱ぶりに、読む気にならなかった本。乗員乗客44名を載せた93便をハイジャックした、テロリスト4名。ワシントンへの自爆テロを狙うが、未遂に終わり、シャンクスビル郊外に墜落。乗員乗客は全員、帰らぬ人となる。無数の携帯電話の通信やボイスレコーダーから、乗客が飛行機を取り戻すために抵抗したことが判明しています。柔道の全米チャンピオンやラガーマンなどのスポーツマンが、乗客にいました。アマチュア飛行機の操縦ができる乗客も2名いました。かれらは食事用カートを盾に、コックピットに突入。飛行機を取り戻そうとします。しかし通常1万メートル以上の高度を飛ぶこの航空機は、当時は300mの低空を飛んでいました。空気抵抗の大きい低空では、アマチュアパイロットでは93便の操縦は困難。ましてや93便は一時は音速を超えて飛行し、さらにひっくり返り背面飛行していました。93便は低空の背面飛行から、時速900kmを越える高速で、地面に45°もの急角度で墜落します。墜落現場には直径9mのクレータはあったが、エンジン1個と窓枠数個以外は飛行機の姿はありません。ましてや乗員は血の一滴も、そこにはなかったのです。全ては地表から10mもの深さに、機体ごと完全に埋まっていたのです。乗客がコックピット突入時に最後に残した言葉。「さあ、かかれ!(レッツ・ロール)」遺族基金はこの言葉が悪用されるのを防ぐため、登録商標を取得した業者から5万ドルで買い取ることになります。さらに乗客を英雄扱いすることで、テロへの攻勢は強まり、レッツ・ロールを胸に刺繍した民兵が報復に参加します。遺族の苦しみは、事故の後に始まったのです。許されないテロですが、自爆まで決意するテロリストが出る背景は何でしょう。殺人訓練を受けていたとはいえ、40人を相手にカッターナイフを唯一の武器として命をかけるテロリスト。事実、その無謀な行為は、乗客の抵抗により阻まれます。テロは許されません。ただ次の遺族の言葉も、私の心に深く残りました。アメリカは、その行動が他の国に与える影響について、考える必要があります。時には穏やかな手段のほうが、他国の文化や信条、生活様式を無視したやり方より、はるかに有効なことを学ぶべきです。この事件をきっかけに、誰も成長しないなら、乗客の死は本当に無駄に終わります。乗客の死を無駄にするか、それとも同じことを繰り返すのか。それを決めるのは、アメリカという国の、反省と成長にかかっているのではないでしょうか。
2007.07.21
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東京タワーの傍の増上寺の前に立ち、違和感を覚えていました。建築様式ももちろんですが、何よりも違うもの。それは増上寺の色でした。見慣れてきた奈良の神社仏閣は、その歴史から黒ずんでいます。それに対して増上寺は、あくまで赤いのです。赤は人々の信仰に用いられた神聖な色でした。古来から人々は疱瘡(天然痘)を恐れました。赤は天然痘の象徴。人々は赤い布や紙で天然痘を払います。赤は厄除け、そして異形の色。赤鬼、赤天狗、猿田彦、それらは赤い顔をしています。傷口に塗る赤チン。解熱剤もかつては赤色が流行りました。これらも「赤の呪力」に頼るからこそ。しかし今日、赤チンも赤色である理由を失いました。なぜなら呪力に代わり、医学が信仰されるようになったから。血の色でもある赤が失われるとき、人の心もすさむ気がします。 赤はまだ、私たちにとって、大切な色なのでしょうか。
2007.07.20
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楽天さんの広告がブログに付くようです。勢いあまって、有料化しないでくださいね。******楽天ブログでは、ユーザの皆様により質の高いサービスを無料にてご提供させていただくために、様々な場所に広告枠を設置させていただいております。この度、既存広告枠に加えて、ブログのフッタ部分に新規で広告を設置させていただくことになりました。この広告を取り外すことはできません。定期的に表示される内容は変更されます。7/20(金)のリリース予定となっております。何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
2007.07.19
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少し悲しいことがありました。皆さんからご紹介のあった脳内メーカー。なかなか接続できませんでしたが、ようやく楽しむことができました。使ったのは、脳内メーカーと、脳内メーカー(正面)です。まずkopanda06では、こんな結果です。なかなか面白い結果です。さらには、にゃんにゃん分析で楽しんでいました。これでのkopanda06の結果はこれです!和みます~。しかし、悲劇は突然に訪れるもの。ふと好奇心がわきました。私の本名では?そしてその結果がこれです・・・。いくらコンピューターとはいえ、少しは気を使って欲しいものです。あまりに見事な結果です。たしかに頭の中が「悲」一色になりました。ついに正体がばれましたので、今日はもう眠ります。では、おやすみなさい。明日は、良い日でありますように。
2007.07.19
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季節柄、お化けに会いたくなってきました。お化けや妖怪が好きな私ですが、残念ながらまだ出会ったことがありません。感性が不足しているのでしょうか。ラフカディオ・ハーンは「怪談」で日本を紹介しました。帰化して小泉八雲に改名したハーン。むじな、耳なし芳一などは多くの人に親しまれました。戦後、ハーンは西洋の視点でしか日本を見ていないとして否定されます。たしかにハーンは日本の因習を誇張して捕らえすぎ、西洋との違いを強調しすぎました。しかし明治において、ハーンは日本をこよなく愛した作家でした。ハーンの書いた「むじな」と「耳なし芳一」。のっぺらぼうに化けたむじなも芳一も、どちらを目を持ちません。そしてハーンも極度の近視なうえ、若くして左目を失明しています。見えない左目で、異界の者達を捕らえたのでしょうか。私も生まれながらの弱視で、右目はほとんど見えません。しかし右目で異界を捕らえることはできない様です。感性をつかさどる右脳につながる左目が、異界への世界を開くのでしょうか。ハーンは見えない左目を、人目から隠したといいます。私の右目の外観は普通ですので、隠す必要は全くありません。ハーンの異界への扉は、その外界からの隔絶にも一因がある様に思えます。いつかお化けに出会えたら。そんな私の願いは、当分は、かないそうもありません。
2007.07.18
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昨夜、雷雨の中、停電になりました。明かりが消えて、初めて明かりの大切さを知ります。昔の明かりは、灯火器で油を燃やして得ました。油に灯芯を浸して燃やす道具に、「ひょうそく」があります。また丸い壺に灯芯を立てる形の灯火器は「たんころ」。私はこの丸くて親しみやすい「たんころ」の方が良い。ろうそくが高価だった当時、シンプルなたんころも貴重な油灯火器。飾りも何もないたんころからは、当時の庶民の生活を窺い知ることができます。停電に理由をつけて、かすかな明かりを楽しむのも一興。台風、地震、雷雨。そんな自然の脅威との語らいは、明かりを消した夜にのみ可能だから。「たんころ」
2007.07.17
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2007年発行の「温暖化の世界地図」で、温暖化の影響の最新データを確認しました。少しずつですが、確実に地球環境は温暖化に向っている様です。今の地球は過去1000年で、最も暖かくなっています。南極半島の氷河は、すでに85%も後退。北極海の海氷面積は、1970年に比べても14%減少。キリマンジャロの山頂の雪も2025年までには消滅すると予想されています。グリーンランドは場所によっては、3.2kmの深さの氷床があります。これが融けるとどうなるでしょう。温暖化の影響と思われるもので、記憶に新しいところでは2003年の欧州の熱波があります。この熱波では35,000人が亡くなりました。炭酸ガスと温暖化の関連は、まだ分かりません。しかし現在の炭酸ガス増加率は、過去65万年のいかなる時よりも200倍も高いのです。14日、「アニヤ・ハインドマーチ」の綿製エコバッグが銀座で売り出され、警官隊も出動する混乱となりました。エコバッグが奪い合いとなったのですが、エコロジーへの関心が高いからとは言えないでしょう。このバッグはイギリスでは1時間で2万個が売れ、オークションで定価の10倍の値がつくプレミアム品。ここにあったのは、「エコ」より、まさに「エゴ」。製造元のレナウンは喜びましたが。身近なエコは簡単です。エアコンを少し控える。近距離の車の移動を控える。タイヤ圧も高めにセットし、スピードも控える。電球ではなく、蛍光灯を多用するなど。私も近距離の移動は自転車に代えています。もし温暖化で海面が1m上昇すると、港の修理費だけで日本は1300兆円を失います。もう少し、温暖化対策に費用をかけても良いのかもしれません。
2007.07.16
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科学と錬金術の境界は、かつてはほとんどありませんでした。マイセンの陶磁器を作り上げたベドガーやカリオストロ伯爵は、錬金術師として有名です。しかしニュートンが「最後の錬金術師」と呼ばれていることは、あまり知られていない気がします。近代科学の父と言われるニュートン。しかしその本質は錬金術師でした。彼の科学的業績は、人生の前半の50年のみです。後半の30年は錬金術に専念し、錬金術で使う水銀に侵されていました。万有引力も、ニュートンは次の様に考えていました。「引力の存在は、万物が神の意思により地に引かれることの証明である」近代科学の解釈は、ニュートンを近代的な考えの持ち主と位置づけました。しかしニュートン自身は、あくまで中世の人だったのです。時代の見方により、その人の印象が大きく変わるということでしょう。錬金術があるとすれば、核反応の世界。核反応の研究者が錬金術師とすれば、ニュートンはやはり先進的な科学者とみなすことができるのでしょうか。
2007.07.15
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昆虫は脳の設計で大きな失敗をしました。昆虫は脳の役割を、2箇所で分担しています。抑制的な指令を出す本来の脳と、鼓舞的な指令を出す食道下神経節。この2つはつながっていなくてはなりません。しかし昆虫では、この2つの脳の中央を食道が貫いているのです。それは脳が発達すれば、食道が締め付けられることを意味します。高度なコロニーを形成するミツバチは、花の蜜を吸うだけ。飛翔能力の優れたハエも、液状の食物を取るだけ。芸術的な巣を作るクモも、獲物の体液を吸うだけ。いずれも流動食しか食べられません。昆虫は小食です。そして食物を我慢しても、昆虫の脳の肥大化には限界がありました。その結果、人の様な知能が生み出されることはありませんでした。もし昆虫の脳設計が適切だったら。もし昆虫の脳の中央を、食道が貫かなければ。今頃、地球は圧倒的な数の、高度な知能を持つ昆虫で支配されていたかもしれません。そして彼らは、よりグルメな食事を楽しんでいたに違いないのです。
2007.07.14
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1+1は、1にはならない。ただそのことを語るSFの古典、「冷たい方程式」。今日、遠い昔に読んだトム・ゴドウィンの名作短編を思い出しました。ある星に宇宙船で医薬品を届ける主人公。しかしその宇宙船には、兄に遭うために密航した少女が載っていました。宇宙船にはひとり分の空気と燃料しかありません。ふたりでは星に着くことはできないのです。どうすれば少女を救うことができるのか。シンプルな課題を前に、この作品に続く作品群が多くの作家により生み出されます。いわゆる「方程式物」です。多くの方程式物も読みましたが、満足のいく内容は少なかったと思います。特に日本作家物は、「方程式を解く」というよりパロディ物が大半。筒井康隆さんの「たぬきの方程式」が真面目に思えるほど。冷たい方程式で、少女はただ兄に会いたかっただけ。罰金刑だと思っていた彼女には、生か死かの選択が課せられます。現実でも、理不尽な選択をする機会は多くあります。なぜ一方を選ばなければならないのか。どうして両立はできないのか。「死ぬほどのことはしていない」心に残る、彼女の叫び声。今日、私は、現実世界の冷たい方程式を、また解くことができませんでした。冷たい方程式
2007.07.13
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「則天去私」は、晩年の夏目漱石の人生観。解釈は様々ですが、私心を捨てて、自然の摂理に従うという考え方。自然の流れに身を任せるとする、人生を達観した境地です。「明暗」の連載を開始した頃、漱石は既に満身創痍でした。胃潰瘍、糖尿病、神経痛、神経衰弱などに蝕まれ、執筆を続けます。しかし1916年12月9日、容態はいよいよ悪化します。小学生の娘の愛子さんが泣き出すのを見て、泣いていいよ、と声をかけたきり、意識は混濁します。夕方、意識朦朧としたまま、自らの胸を開いて最期の言葉を残します。「水をかけてくれ、死ぬと困るから。」そしてそれに看護婦が応じた後につぶやいた、「よし」という言葉が最期となります。自然の流れに身を任せるとした則天去私。しかし最期の言葉は、それとは逆の「死ぬと困るから」でした。子供達が気になったのか、それとも未完の「明暗」が気になったのか。真意は分かりません。でも私は少しほっとしました。そして、いっそうに漱石が好きになったのです。
2007.07.12
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今日は絵本「レッスン」からのお話。ロバートは学校に通います。そして先生は、ロバートに毎日違う問題を出しました。初めは簡単な問題から、そしてだんだんと難しく。学年が上がる毎に、問題は難しくなります。ある日の問題。「引越しで大切なペットとお別れをしなくてはなりません。 一番大切な親友とのお別れ。あなたはどうしますか。」ある日の問題。「両親が離婚して、原因はあなたにあるかもしれません。あなたはどうしますか。」ある日の問題。「あなたの子供がトラブルを起こし、母親も事故で怪我をしました。あなたはどうしますか。」次々と出される問題を、ロバートは解いていきます。ある時は涙し、ある時は逃げ出しかけながら。問題を解き、ロバートは学年を上がっていきます。そして年老いたロバートに、新たな問題が出されます。「あなたは心臓発作を繰り返し、息をすることさえ苦しくなってきています。 あなたはどれほどの人を愛してきましたか。 あなたが死んでも、あなたを忘れないのは誰ですか。」ロバートはついに気がつきます。これまでのレッスンは、全てたった一つのレッスンだったことに。その答えを、ここで語るのはやめましょう。最後にロバートは椅子に寄りかかり、深く息をつきます。顔には満面の笑みが広がってきました。そしてロバートの学年は、またひとつ上がりました。
2007.07.11
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陶磁器関係のブログにも関わらず、最近は陶磁器の話題が少なくなっています。昨日はついに原爆の話まで書く始末。これはいけません。何がいけないかを考えて、ふと思いつきました。陶磁器の神様への感謝を忘れているのです。そこで今日は陶磁器の神様の話題。波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)と波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ)。二神とも土の神、そして粘土の神でもあります。火の神とも関連が深いので、粘土を焼成して作る陶磁器の祖神とされます。群馬県榛名郡の榛名(はるな)神社が、二神を祭る代表です。また神聖な土には呪力が備わるとされます。奈良県橿原市の畝尾坐建土安(うねおにますたけはにやす)神社は、香具山の土の説話と関連があります。今日は陶磁器の神様の話題を取り上げ、陶磁器の神様に感謝します。これでこのブログも安泰でしょう。そうです。ここは西洋の陶磁器のブログです。そう、西洋の・・・? !! 西洋!!
2007.07.10
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先日、米政府ロバート・ジョセフ核不拡散問題特使から、原爆投下を正当化する発言がありました。今日でも原爆を正当化する見解は、世界の主流です。昭和20年、天皇から和平への検討要請が告げられました。原爆投下45日前、日本はソ連に和平の仲介役を依頼します。しかしソ連には思惑がありました。アメリカと密約を交わし、北海道を占領する計画です。日本は大切なときに、和平の仲介役を間違えました。日本は天皇制さえ守られれば、降伏に応じるつもりでした。ポツダム宣言の下案には第12条として、天皇制の存続がありました。しかし最終的なポツダム宣言には12条はありません。ソ連は戦争が終わっては困るのです。そしてアメリカは、ソ連参戦前に戦争を終結させたかった。歴史学者ガー・アルペロヴィッツはこう述べます。「アメリカはどの選択肢よりも、原爆を使いたかった。」日本はポツダム宣言を黙殺するしかありません。そしてアメリカは言います。「戦争の終結には原爆の投下が必要だった。」世界の核抑止の理論、それは効率に基きます。「400機の戦闘機が必要なところを、原爆はたった1機で済ませてくれる。これほど効果的な兵器があるだろうか。」原爆投下は京都、広島、横浜、小倉に絞られました。そしてこの地域は、原爆投下の“効果”を確認するために、事前の空爆は避けられました。35万人の市民が暮らす広島。そのときには既に、日本には防空能力はありませんでした。エノラ・ゲイの乗員は述べます。「対空砲火なし。迎撃なし。ただ原爆を落とすのみ。それだけのこと。」広島の原爆の投下日は、落下傘につけた圧力センサで効果が確認できるように、風のない日が選ばれました。最も能率的な爆発の理論高度は790m。実際にはややずれて580mの高度で炸裂しますが、効果は絶大でした。原爆は瞬時に1000万度の温度を発生させます。太陽より熱い火球は、爆心から600mまでの地表を4000℃の高温にします。爆発の圧力は数百万気圧。それは毎秒260mの暴風を発生させます。それは時速940kmの乗り物に跳ね飛ばされるようなもの。爆心から2km以内の全てのものは、火災嵐で焼き尽くされます。そして計算されたとおり、死の灰が降り注ぎます。トルーマン大統領はこう述べました。「原爆によって、何千人ものアメリカ兵が救われた」一方で、現在までに広島、長崎でなくなった一般市民は、37万人に及びます。そして効率的なはずの原爆は、なぜか長崎にも投下されます。米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題特使は先日、こう述べました。「原爆の使用が何百万人もの日本人の命救った。」たしかに何百万もの日本人は、アメリカによって奪われないですみました。37万人で許されたのです。原爆。それはたしかに極めて瞬時に機能し、かつ効率的な兵器でした。効率に基いて、今日でも原爆を正当化する見解は、世界の主流です。被爆した5歳の女の子の言葉が残されています。「その日もおとなりの猫に、牛乳を飲ませようとわくわくしていました。そして中庭に出た途端・・・・」せめて今日のフィギュリンで、あの時あげられなかった牛乳を。
2007.07.09
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本日、関西地区では毎日放送では23:30から、「世界遺産」の放送があります。その中で、先日のサグラダ・ファミリアの放送があります。内容も先日の日記に関係しそうです。もし興味がある方はどうぞ。ところで、先回、私は思い込みでサクラダ・ファミリアと書きましたが、正しくは“サグラダ”・ファミリアです。訂正します。すみませんでした。
2007.07.08
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天然理心流の天才剣士にして、新撰組一番隊隊長、沖田総司。剣の達人でありながら、肺結核を患っていたことはあまりに有名。池田屋事件では、全身に浴びた返り血で、誰も沖田の喀血に気がつかなかったほど。それからも、毎日のように人を切ったという。しかしついには病に倒れ、闘病生活に入ります。1868年5月28日。沖田は庭の梅ノ木の下に、黒猫を見つけます。猫に嫌なものを感じた沖田は、猫を切ろうとします。しかし猫の視線に射すくめられ、切ることができません。翌日も、猫とのにらみ合いは30分も続きます。翌30日の昼頃、沖田の容態は急激に悪化します。傍で看病する植木屋の婆さん。そして目を閉じたまま残した、最期の言葉。婆さん、あの黒猫は、また来てるだろうな。黒猫を切れなかった天才剣士。あの黒猫は、死神の化身だったのでしょうか。幸い私のもとには、死を伝える黒猫はいない様です。まだ、今のところは。
2007.07.08
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七夕。それは、織姫と夏彦の再会のとき。ふたりは再会の時を、時の流れによって知る。出会いは生き物にとって大切なこと。小さなショウジョウバエにとっての雌雄の出会い。その機会は、熟した果物に集まることで得られる。ショウジョウバエを引き寄せるもの。それは熟した果実からの、アルコールの匂い。だから彼らは、グラスに注がれたウイスキーに魅かれる。私がウイスキーに魅かれる以上に。そんな彼らは、ショウジョウバエ。つまり、「猩猩(しょうじょう)」、酒好きの妖怪、猩猩バエと呼ばれる。果実や樹液に集まる彼らが、病原菌を媒介することはない。彼らに奪われないようにと、ウイスキーを飲む速度が速まる。一杯、また一杯。いつしか、私が猩猩になる。そんな七夕の日の夜。
2007.07.07
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信楽焼のタヌキは、なぜ笠を被っているのでしょう?そんな質問を、ponko96さんから頂きました。その答えは笠の形にあります。笠の形が示すのは山。笠は山のミニチュアです。そして笠の内側は、外部から切り離された異界。まさに神や妖怪の住む世界です。化け狸である信楽の「酒買い狸」は、山の妖怪として、そして異界の住人として、笠を被るのです。*異界とされる山は、神や妖怪が住みます。山の神は、大山津見神(おおやまつみのかみ)。大山津見神は、天皇の寿命を決めました。天皇の祖先、邇邇芸命(ににぎのみこと)が、大山津見神の娘の三姉妹に求婚したときのこと。大山津見神は、美しい木花佐久夜毘売(このはなさくやびめ)と、容姿が劣る石長比売(いわながひめ)を差し出しました。しかし、邇邇芸命は木花佐久夜毘売と結婚し、石長比売を返します。大山津見神は、こう告げます。もし石長比売と結婚すれば、お前の命は岩のように長く続いたものを。木花佐久夜毘売と結婚したお前の命は、花のように儚く散るだろう。こうして、天皇の寿命は、限りあるものになりました。意外にも天皇の祖先は、「メンクイ」だったのです。急に天皇の存在が、身近に感じられました。
2007.07.06
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雨が少なく、今年は出番が少ない傘。かさには2種類あります。日本に古くからあった頭に被る「笠」と、今日私たちが使う柄のついた「傘」。「傘」は海外からの舶来品。唐国からの傘なので、「からかさ」と呼ばれました。そのためか、近世までは「庶民は笠、貴族は傘」とされてきました。歌舞伎には、「清水の舞台から飛び降りる」という演出があります。いくら芝居でも、そのまま飛び降りるのでは助かりそうに思えません。そこで役者は傘をさします。傘を手に、舞台に降りてきます。ふわりふわりと。傘をさせば空をも飛べる。その様なロマンを庶民は抱きました。芝居では、時には亡霊も傘を差して空を飛ぶ。さらにはからかさの一本足の亡霊まで。時には空を舞い、時には妖怪に変化する傘。その不思議な力も、今年の雨を引き寄せるには、力が足らないようです。蕪村の俳句。化けさうな 傘かす寺や 夕時雨
2007.07.05
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「フランスのかわいいアンティークと雑貨たち」という本を眺めていました。ページを彩るリモージュの陶磁器、そしてアールヌーヴォーのガラス。エナメル彩色の香水入れに、小物入れ。ギリシアの神々を描いたカメオに、落ち着きのあるジュモーの人形たち。いつも不思議なのはシンブルの人気。シンブルとは指貫のこと。以前にも書きましたが、海外ではシンブルは人気のコレクターズアイテム。日本の骨董で言うと蕎麦猪口の収集と似ています。しかし日本ではあまり人気を感じません。私自身もシンブルは持っていないのです。ショップにも多くのシンブルがありますが、どなたか収集されている方は見えますか?
2007.07.04
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5万アクセスを迎えることができました。ありがとうございました。コメントを下さる方の中では、バルディッシュさんが最もキリ番近くの50,002番目でした。続いて★野いちご★さん、ゆうか0373さんとなります。思いの他、早い5万アクセスでした。最近はゲストの方が増えた分、アクセスが増加している様子です。どうも5万5千アクセス宣言の影響らしく。ネットの力はすごいですね。暑い今年の夏。ネットも少し暑くなっています。私はもう少しで忙しさを一山越えそうです。もうしばらくはお返事の遅れなどがございますが、ご容赦ください。1年経つと、常連の皆さんの顔ぶれも入れ替わりつつあります。1年を越えることの大変さを実感する昨今です。これからも、よろしく応援をお願いいたします。
2007.07.03
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アントニオ・ガウディが残した未完の傑作サクラダ・ファミリア。そのサクラダ・ファミリアに倒壊の危機があると言います。高速鉄道AVEのトンネルが、この教会の地盤から僅か数mの距離に掘られるためです。スペイン政府は安全と説明していますが、実際に落盤事故も起きている軟弱な地盤。協会側は政府に対して、工事中止の裁判を起こす姿勢です。しかし現在の工事が、教会から申請されておらず、政府は不法建築として反論する構えです。重要な世界遺産を不法建築とは驚きです。サクラダ・ファミリアは、9本の塔が完成し、20年後には現在の設計は完成すると言われます。永遠に作り続けることを命題としたサクラダ・ファミリア。その教会は成長を止めるとき、まさに崩壊の危機を迎えています。このことに、私はガウディの教えを感じます。教会は建設を終えれば、あとは崩れていくしかない。人も成長を終えれば、崩れ去るのみ。その厳しいガウディの声を。
2007.07.02
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たんぼに無数に動き回る黒い影。それがカブトエビです。私はこちらに来るまで、カブトエビを見たことはありませんでした。それだけに、当たり前の様に無数にカブトエビがいるのは異様に感じます。そして近所の人から見ると、興味津々でたんぼを覗き込む私の姿も異様でしょう。2~3cmの大きさで、初めはおたまじゃくしかと思っていました。動きはかなり早く、写真に撮るのは困難なくらい。水面をすばやく泳ぐもの、泥の上を走るものがいます。思いの外、じっとはしていません。集団行動もせず、むしろ複数が出会うと喧嘩する。くるっと、急反転するのも得意です。砂を巻き上げ、泥に潜ることもできるよう。“かぶと”というものの、その体は柔らかそう。興味から本まで読みました。どうやら私が見ているのは、アメリカカブトエビ。意外にもカブトエビは、大正4年以降に日本に来た帰化生物らしい。寿命はわずか1ヶ月。しかし泥の中に生まれる卵は乾燥に強く、水がなくても数年間耐えられる。その卵の強さで、3億年前から生き延びてきました。彼らは泥を巻き上げ、雑草の種を浮かします。そのためにたんぼの除草作用を持っていることが知られています。農薬には弱いですが、雑食ですのでたんぼは農薬なしで済みます。綺麗な環境であることを示すカブトエビ。今朝もカブトエビを見てきました。彼らは人を恐れません。その姿からは、農家の人とカブトエビの良い関係を感じるのです。
2007.07.01
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