目の変化びと

目の変化びと

PR

2006年05月07日
XML
.
   道草


来たか長さん待ってたほい
もう生れます
ああ云うものが続々生れて来て
そう同じものばかり生んでどうする気だろう
身代りに誰かが死ななければならないのだ

宿屋に寝ている苦しい人
汽車で立って行く寒い人

夜は何時の間にやら全くの冬に変化していた

乱れかかった髪に櫛を入れて
汗ばんだ額を濡れ手拭で拭いて
顔へ霧を吹き掛け
口移しに水を飲ませ
死のように静かな光を薄暗く室内に投げた

彼女の魔力をこの一点で喰い留めなければならない

(『道草/夏目漱石』(新潮文庫)より全行引用しています)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025年11月05日 11時45分31秒
コメント(0) | コメントを書く
[詩(のようなもの)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Comments

ミズナ@ Re:ミズナさんへ(12/10) gaMeさんへ お返事をありがとうございます…
gaMe @ ミズナさんへ 「悟りについて」をおもしろいと言っても…
ミズナ@ Re:悟りについて(その33)(12/10) こんにちは。 「悟りについて」 なんか、…
gaMe @ まちがい けっきょくのところ、この頃(2006年)や…
gaMe @ もがいていた時期 この頃(2006年)書いてた、【私=瞬間ご…
無空無限@ Re:川を渡る(01/06) 幾月か幾年かは存在にまかせて、喜び祝い…
gaMe @ これ書いて、4〜5年経って、思うこと。 こんな文章を自分が書いただなんて、ほん…
gaMe @ 結末を知って見ると… この前(2018年8月19日)見ておもしろかっ…
gaMe @ 約 数 「同じ個数に分けられない(1個ずつは除く…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: