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フェアリー・ラブ 2. 美 咲
フェアリーラブ 2.美 咲
1.始まり
美咲ぃ~、僕のジーンズは?」これが始まりだった。
「そんなの汚れてるから洗っちゃったよ。代わりにあたしの穿きなよ、
ワンサイズ下だけど入ると思うから。
いつも思ってたんだけど広海って男物より女性物穿いた方がしっくりすると思うんだ」
鏡台に向かい、化粧をしながら美咲が言った。
「んなぁっ、先月洗ったばかりだぞ。それにお前んなんか無理じゃないの・・・?」
「汚ったねぇ~、アタシの一緒に洗わないでよかった・・・
それよりさぁ~、気を悪くするかと言わなかったけど、ヒロの体型ってモロ女っぽいのよねぇ。
ウエストめっちゃ細いのにお尻大きめで・・・」
「へいへい、それに肩幅狭くて首も細いし顔も小さい、女に産まれりゃ良かったてんだろ。ねぇちゃん達にいつも、散々言われとるわい」
「おっ! 自覚しとるねー・・・(笑)
広海は、男物買うときヒップで合せるでしょ!
だからウエスト、がばがばでベルト締めなきゃ落ちそうになるんだよ。
これ、穿いてみ・・・」
窓辺のハンガーから自分のジーパンを外し美咲が差し出した。
「おいっ、パンツも無いぞ・・・あっ、シャツもだ!」
毛布の中から、ベッドの下周りを手探りしながら広海が言った。
「だぁからー、、、、全部洗っちゃったの。洗濯機回ってるでしょうに。」
「どうすんだよ、素っ裸で。まだ昼すぎだろが・・・」
「いいじゃん、どうせ今夜も泊って行くんだから。
おニューのパンティ貸してあげる。
こっちの黒のブラとのペアが良い? 超セクシーでしょが(笑)」
美咲は、小箪笥の引き出しから小さな布キレを出しながら笑った。
「そうだ、いい事考えた、、、ジーンズじゃなくスカート穿いてみない?
お化粧もしてあげるから。
ヒロ絶対似合うと思うんだ」
「バァカ、冗談じゃないよ」
そう言いながらも広海は押し殺していた願望を見透かされた様で、少し
慌てた。
2、入 学
4月、18歳の広海は大学に入学した。
三人の姉たちのように国立や有名女子大は無理としても、一応は名の通った大学に受かったことが、また姉達に馬鹿にされないので救いだった。
由佳は父親の赴任しているオースラリアの大学での聴講生に入る準備のため、高校の卒業と同時に日本を発っていた。
「浮気しても良いけど、4年間だけよ。アタシは絶対にしないけど・・・
あのタオルまだ持ってるんだから(笑)」
前の日、二人だけの秘密の時間を過ごした後、謎の言葉を残して・・・・・
広海がこれからの4年間を暮らすのは、高円寺という所のマンションだ。
ここは既に他界してしまった父の遺産の1つで、生前の父が東京での事業の拠点にしていた所だ。
1部屋を寝室に残し、他を事務所用に改造してあったので、その後数年はママがこちらでの用事に使用する位で殆ど空き部屋同然だった。
だが、長姉の亜沙美の大学進学が決まった時に、3寝室にLDKと再度内装を直していた。
広海の学校はお茶の水なので中央線一本と、至極便利と云えば便利ではあったが、若干の憂鬱があった。
1つには姉と共に暮らさなければいけないこと。
それも広海が一番苦手とする次姉の妃沙美とである。
長姉の亜沙美は既に卒業して就職していたが、広海の上京と入れ違いに一年間の予定で筑波の方に出向していた。
3姉の真沙美は横浜のF女学院なので共に暮らすことは無く、そちらにアパートを借りて時々遊びに来るだけであった。
広海はその姉たちが自慢だった。
三人共スタイルが良く、○○家の三姉妹と評判になるくらい美しかったのだ。
だだ、悩みの種はあった。
ママの影響か、三人ともランジェリー・フェチ、下着大好き人間だったのだ。
しかも、今だに幼い弟というか半分妹の感覚なのだろう、お風呂上りなど広海の前では平気で悩ましい下着姿や透けるようなネグリジェで過ごすのだ。
亜沙美姉は年も離れていて、ママ変わりに小さいときの広海をお風呂に入れてくれたり、一緒に寝てくれたりと面倒をみてくれたので広海は懐いていたし、その柔らかな身体は子供時代を思い出させた。
真沙美姉は逆に年が近く、由佳と共に何時も三人一緒にじゃれあうように育ったので、性の意識は薄かった。
だが、次姉の妃沙美だけは・・・・苦手だった。女を感じさせて。
妃沙姉は三人の中でも一番プロポーションが良く、オッパイが大きくお尻もでかい、そのくせウエストが細くてグラビアアイドル真っ青なエロチックさで、フェロモンを撒き散らしているのだから。
そのくせ男っぽい性格の姉は、その身体にセクシーな下着を身に着けただけで、時に広海が可愛いのか、苛めるのか、プロレスごっこを仕掛けて来るのだ。
ヘッドロックをされれば悩ましい乳房に窒息させられるわ、足技を掛けられればフトモモやお尻に触らざるを得ない。
半分は嬉しくも、そうされると広海の下半身は反応して充血してしまうのだから。
もう1つの憂鬱は、この部屋の改装当時まだ子供だった広海の存在は無視され、内装がピンクやら花柄やらの全くの女性専用になっていたことだ。
一部屋は当然妃沙姉の部屋であり、また一部屋は一時期不在の亜沙美姉の部屋は良いとしても、もう一部屋の広海の専属になる部屋までもであった。
その部屋はそれまで姉達の衣装部屋兼、末姉の来た時の寝室として使われており、メルヘンチックなカーテンやローズピンクのカーペットはまだよいとしても、広海に与えられた姉のお下がりのベッドには、真沙美の趣味でスヌーピーの絵柄のベッドカバーときたもんだった。
その上、大きなクローゼットに箪笥が鎮座して、広海のベッドと机を置くと殆ど空きスペースが無かった。
そしてそのクローゼットには姉たちの季節外れの洋服が、箪笥には色取り取りのブラウスやニット、キャミソールなどが詰まっていた。
「広海。貴方のは一番下に一段空けておいたから・・・それで十分でしょ?
他の所は開けるんじゃないわよ!」
姉の命令は絶対であった。
確かに弘海の荷物はダンボール箱二つしか無かった。
広海は子供時代のトラウマから自分の着るものには、敢えて無関心だった。
高校生時代は、服といっても数本のジーパン、Tシャツにトレーナーくらいで足りていたので送る物が無かったのだ。
下着類は、アンダーシャツは着ない主義なので、夏のTシャツを冬に代用して、何枚かのトランクスと靴下だけだ。
他には入学式に着るブレザー一着に革靴が一足、スニーカーが二足しか入っていないので、そのスペースでも空きが出るくらいだった。
だが広海としてはこれからの青春を謳歌して、そろそろお洒落もしてみたい年頃だった。
「冗談じゃないよ。
妃沙ちゃんたちだって自分の部屋、それも僕より広いのを持ってるんだから、ここの引き取ってよ。
僕だってこれから色々と買うんだから・・・
それに、この部屋の内装なんだよ? 女の子の部屋じゃないの、変えてくれよ」
しかし、広海の抗議は当然のごとく「却下!」の一言であった。
その上、
「女の子はお洒落するからお洋服がたくさん必要なの。
広海、あなたもこの綺麗なお姉さまに毎日同じ服着させて、惨めな格好させたくないでしょ?
とにかく余分な洋服はこの部屋に置くしかないの、もう入り切れないんだから。
それに、あたし達の部屋には絶対に出入り厳禁、用がある時はノックしなさい。
そして、勝手に部屋に入ったり、下着の引き出し開けたりしたら・・・・」
『殺す!』と脅かされると始末であった。
壁紙は無理としても、カーテンやッベッドカバーは自分のお小遣いで買い換えるまで、我慢と忍従を覚悟した広海だった。
3.邂 逅
美咲に最初に会ったのは、どうも入学式の朝のことらしかった。
広海は気が付かなかったが、その日如何にも新入生然としたブレザー姿の広海が飛び乗った電車の同じ車両に母親と乗っていたと後で聞いたのだ。
ママに代わり同行した妃沙姉があまりに目立ちすぎたようだ(笑)
妃沙ちゃんは恐らく姉妹の中でも一番頭が良いだろう・・・・国立大なのだから。
だが容姿があまりにもエロチック過ぎるので、普段はそれを隠すためジーンズやダブダブのトレーナーで誤魔化しているが、お洒落をすると、とんでもなく綺麗な大人の女性に変身できるのだ。
学校に行く時は男共が鬱陶しいと髪は後ろで束ねただけ、縁の太い伊達メガネを掛けて野暮な女を演出しているのだが。
だから逆に下着は超セクシーな物を好むし、お洒落できる時は遠慮なく装うのだ。
確かあの時は長い髪にパーマをかけ、白い超ミニ・スーツにピンヒールのパンプスで広海より背が高く見えたはずだ。
広海といえば、着慣れない紺のブレザーにだらしなく臙脂のネクタイを締め、初めての満員電車に閉口していたのだ。
妃沙美は久しぶりのフルメイクとお洒落に高揚して楽しそうに、そして広海はその姉のあまりの美しさに気恥ずかしさを覚え、反比例して機嫌が悪くなって行った。
後に美咲に聞いた話だが、御茶ノ水の駅を降り坂道を下っていく二人は、学校へ行くのを嫌がる子供と、引っ張っていく若い母親にみえたそうだ・・・・失礼しちゃう!
美咲との実質的な邂逅はしばらくの間無かった。
広海は建築科だったし、美咲は英文科だったのだから・・・
一般教養の課程では見かけたような気もしたが、広海は男の同級生と一緒で、女同士の美咲とは言葉を交わす機会など訪れる筈も無かった。
ただ、広海の記憶では時々朝の電車に乗り合わせ、同じ駅で降りる可愛い子が同じ大学だろうな?と思うだけだった。
二人が始めて正式に会い言葉を交わしたのは、広海が友人となった武田の属している弓道同好会に遊びに行った時だ。
広海は高校時代、弓道部で二段の資格は持っていたが、大学の弓道は的に当てることが優先の競技弓道と聞いていて、初めからやる気も無かった。
だが、二段と聞いた武田に可愛い女の子が大勢いると、強引に誘われたのだ。
そして、そこに美咲がいた、白い道着に袴姿で・・・・
しばらく見ていた広海も弓具を借りて射てみることにした。
半年振りではあったが、すぐに感を取り戻すと、次々と的に当たりだした。
弓道部とは違い、この同好会では大学に入ってからに初心者もおり、二段の腕前は目立ったようだ。
自分の射姿勢を確定し、弓の癖と目当てを覚えれば的に当てるのはそれほど難しくないのに。
そのあと初めて美咲に紹介され会話をした。
そこで、美咲の家が、広海のマンションのある高円寺の隣の阿佐ヶ谷のアパートであり、朝の電車で時々一緒に乗り合わせる広海に気づいていることも知った。
それからは乗る車両とその位置をお互い探すようになって、気付けば殆どを共に登校するような仲になっていた。
何となく会話のタネは尽きなかった。
最初は互いの出身地や育った家庭環境の内容だったが、広海がふっと洩らした女系家族で女の子のようにして育ったという話に、美咲は異常とも言える関心を示したのだった。
美咲のプロフェールも知れた。
山陽地方のかなりの資産家の一人娘で、この4年間だけは気ままな大学生活を送れるよう両親に許しを請い、近くの阪神地方の大学ではなしに、東京へと進学したのだと。
アパートは高級マンションとも云える、女子学生やOLのみが住む女性専用で阿佐ヶ谷に在るとも。
その年の秋、同好会の飲み会があった。
広海も正式会員では無かったが参加した。
だが、どんな内容だったかは殆ど覚えていない。
飲めないお酒を、ゲームに負けて強がって飲んだ広海は酔いつぶれてしまったのだから。
うろ覚えの記憶では、散会になった後同じ方向で中野に住む、もう一人の女の子と美咲の三人でタクシーに乗ったことだ。
そして、その次の記憶は、女の子らしい甘やかな香りのする、見知らぬ部屋で水を飲まされたこと
4.美 咲
薫り高い何かの花の匂いに意識が戻った時、広海は見知らぬベッドの中にいた、それも隣に女の子が・・・・
部屋を見回すと意外とシンプルで清楚な空間だ。
濃淡のピンクの厚手のカーテンが開かれ、白いレースのカーテン越に青空が見える。
「ねぇ、起きたの。もう大丈夫? 」
振り返った美咲の顔が、目の前にあった。
「・・・・・???」
「昨日、あなたのマンション判らなくて、仕方ないからアタシの部屋に連れ込んだの。」
あたりを見回すと、女性の部屋のだ。
女性優先の広海のマンションと同じように、どこか女だけが持っている甘い体臭のようなものが部屋に漂っている。
窓際のカーテンレールには洗濯したランジェリーが吊り下がっている。
その布切れの一枚一枚は広海の目には余りにも悩ましく、まばゆい存在に映った。
姉たちの下着は見慣れているとはいえ、純白のキャミソール、細やかなレースをあしらったブラジャー、そして小さく可愛いパンティー、白いものもあれば原色の赤やブルー、黒や淡いラベンダー色のもある。
レースにフリル、鮮やかな刺繍を施されたものなど・・・・肌色のパンティーストッキングとの取り合わせが、ぞくっとするような色っぽさを感じさせる。
そして、その中身が目の前にいるのだ。
いけない! とは思いつつも広海の目線は自分の置かれている立場を忘れて、その悩殺的なランジェリーに釘付けになってしまった。
若い異性の甘い香りが、そこから匂い立ってくるようであった。
「うふっ、よほどアタシのランジェリーにがお気に入りのようね。
でも、もう、他人じゃないんだから責任取ってよね。」
美咲が‘チュッ´と広海の唇に音を立てると、悪戯っぽく笑った。
美咲の声に広海はその魅惑の物から目をそらして、美咲を見入った。
「・・・・エッ! 何?
ぼく、―――やっちゃった? 美咲ちゃんと・・・」
広海が毛布の下を探ると、上半身は裸の上トランクス一枚だけで、いまだに片手は美咲の温かい身体の下にあった。
その上広海の欲望の器官は自然現象だけでは無しに、肌に触れる暖かく柔らかい存在とその甘酸っぱい匂いとに力を漲らせていた。
「ごっ、ごめん! あまり記憶ないんだけど、本当に犯っちゃった・・・・」
広海は自分の失態に大いに慌てた。
「ふふふっ! ば~か、本気にしないの。
出来るわけないじゃないの、あれっぽっちのお酒でもベロベロなのに・・・
ったくー、服脱がすの大変だったんだから・・・」
美咲は体勢を変え毛布の上から、広海に馬乗りになって言った。
広海は、可愛いブラジャーとパンティーが透けて見えるネグリジェ姿の美咲に戸惑っていた。
「苦労してベッドに入れてやったら、大人しく寝るかと思いきや、抱きつくわ、体中さわり捲くるわでオッパイは揉みだすし、ホントに悪い手」
広海の手をベッドヘッドの格子に洗濯物のパンストで縛り始めた。
「なっ、何するんだよ?」
「だって、悪い子はこうして置かないと、、、、いたいけな少女が襲われると危ないでしょ(笑)」
「勘弁してよ・・・・こういう趣味はないんだから」
広海は突然のことに逃れようとしたが、美咲の身体が重い上、昨夜の罪悪感から美咲の為すがままにされてしまった。
「ダ~メ! 夜の間のお返しさせて貰うの。
って、本当はアタシ、男の人のあそこって見たこと無かったの。触ったことも。
それなのに、お尻に硬いものでツンツンされて、寝るどころじゃなかったわ。
だから、ちょうどいい機会なんだから、良~く見せてよ。
研究させて、お願い!」
美咲は毛布から出ている広海の両足もベッドの足の左右に縛りながら、恥ずかしそうに言った。
「たっ、タンマ! お前、僕を強姦するつもりか?」
広海はあわてて身悶えする。
「アホか! アタシは変態じゃないぞ! まだバージンなんだから・・・
あんたに襲われたら困るから縛ったの。
ちょっと見て、触るだけなんだから大人しく協力なさい!」
身動きしたため半分ずれ落ちてしまった、まだ広海の上にかろうじてかかっている毛布を剥ぎ取った。
5.バージン
「やっぱ、やぁ~めた。
こういうのって、フェアじゃないもんね」
美咲は剥ぎ取った毛布をそのままに、ベッドの脇に腰掛けた。
「あのさぁー、アタシ、男の人と一つベッドに寝たこと初めてなんだ。
まして、裸の人となんか・・・」
美咲が話し始めたが、広海は異常な状況に戸惑い、頻りにもがいていた。
「こらっ! 女の子が衝撃の告白を始めようとしてるんだから、ちゃんと聞きなさい」
「・・・はいっ!」
「ねぇー、広海って好きな女の子いるの?
それとか、好きな子がいたとか・・・・?」
美咲は少し恥ずかしそうに話はじめた。
「・・・・えっ?」
「だからぁー、好きな子とかいるの? って聞いてるの」
「・・・・、美咲ちゃんは、、、好きだよ。
可愛いし、綺麗だし、スタイル良いし、話も合うじゃない・・・」
「ありがと! 美咲も広海のこと、大好きだよ」
美咲は広海の頬に“チュッ”とキスをしながら、自分も頬を赤らめた。
「そうじゃなく、好きな女の子がいて、その子とセックスしたことが有るかっての・・・」
美咲は焦れたように広海の裸の胸を抓った。
「イテッ!
・・・そっ、そりゃ、男だもん、一応は・・・・ははははぁー」
「そっか、そうだよね。ヒロ、女性に好かれそうだもん。
あのね・・・・アタシ、恥ずかしいけど、処女なんだ。
まだ、バージンなのよね。」
「うっそー! 美咲ちゃん可愛いから、もてると思うんだけど・・・」
「ううん、なんかさ、今まで男の人って脂ぎった動物みたいでダメだったんだよね。
気持ち悪いっていうか、にきびとか脛毛とか・・・分んないよね、拒否反応してたの。
それに同性の女の子の方が好きなレズなんじゃないかっても悩んだりして・・・」
「・・・・分かんなくも無いよ、僕だって友達なんかの裸キモイもん。
海なんかで遊んだとき、胸毛とかパンツからへそまで毛むくじゃらのいるじゃん・・・・武田みたいなの? あぁいうの、絶対ダメ(笑)」
「うぅん・・・同性じゃなく異性の話。
ちゃんと聞いてる? アタシの話?」
「聞いてますって・・・」
「だからぁー、広海と最初に逢ったとき・・・・怒らないでね。
言い難いけど、広海にそんなに男を感じなくて、どちらかっていうと中性の子?
そんな感じで好きになってきたんだけど、昨日、裸を見たら・・・・なんて言うか女の子みたいでぇー・・・・」
「・・・・ヘェッ?」
「それでね、拒否反応無くて同じベッドに寝かせて一緒に寝てみたの、、、、、、いい機会だと思って試したんだ。」
美咲は恥ずかしいのか涙を滲ませはじめていた。
「ゴメンね。ヒロが寝てる間に、おチンチンも触っちゃった・・・
初めてだったの、触るの・・・・」
とうとう、美咲は大粒の涙を流し始めている。
広海もその告白に自然現象による硬直がほぐれていくのを感じていた。
「そんなのは良いけど・・・・泣かないでよ」
「うん! ねぇー、女のアタシから言うことじゃないだろうけど・・・・」
「なに?」
「エッチしよ。ヒロは初めてじゃないんでしょ?
美咲を女にして欲しいの・・・・バージンをあげるから・・・」
「・・・・・って・・・!」
唐突な美咲の言葉に広海は驚き、少しうろたえていた。
広海によって、美咲が初めての洗礼を受けたのは、それから間もなくのことであった。
6.洗 礼
広海のしなやかな指先が、美咲の白いうなじに伸びる。
美咲のその大きな瞳は、これからの不安と期待にしっとりと潤んできた。
「美咲、ホントに僕のこと好き? 後悔しない?」
広海は美咲の顔を覗き込むようにして、聞いた。
「えぇー、とっても好き。もう・・・好きにして・・・」
その言葉を聴くと同時に、広海は美咲のあえかな唇をいきなり奪った。
「ううっ、うう~ん・・・・」
美咲は肩を震わせて、かすかな抵抗を試みようとした。
しかし、広海の唇に熱く吸引されて、頭がぼーっとなって、前身の力が弛緩していく気分に陥ってしまった。
なにしろ、美咲にとっては、それが男性とのファースト・キスだったのだから。
広海は美咲の唇を吸いながら、口腔へと下を差し入れていった。
美咲は息苦しさと恥ずかしさとで体をこわばらせ、広海のなすがままに身をゆだねるしか術はなかった。
広海は岬の耳朶に、“フーッ”と熱い息を吹きかけた。
「美咲ちゃんのキレイな身体が見たい」
初めてのディープキスに茫然としている美咲に広海はそう要求した。
そして、美咲の了解を待たずに、美咲のネグリジェの胸紐をはずしにかかった。
清楚な刺繍を施したブラジャーが、美咲の深い胸の谷間を覗かせる。
「まっ、待って、ヒロ・・・いやっ、恥ずかしいぃー・・・」
美咲は激しい羞恥に打ち震え、広海の手を払いのけようとしたが、思うように力が入らず身もだえした。
「いい子だから、僕にすべてをゆだねるんだ。
もう、覚悟したんでしょ? それとも・・・止める?」
「ううん、いいの。ヒロ、私…・恥ずかしくて」
美咲の言葉を無視するように、広海は美咲のネグリジェの胸をはだけ、ブラジャーのホックを外してしまった。
ブラのカップが、はらりと美咲の胸からずれ落ちる。
あわてて美咲は乳房のふくらみを両手で覆った。
幼い頃を除き、男性には父親といえども見せたことも触らせたこともない膨らみだった。
「ふふふっ、とってもキレイなおっぱいだよ。大きさもちょうど良いし。
ちょっと硬いけど、張りがあって、感度もよさそう」
広海は美咲の手を払いのけるようにした、そのマシュマロのような乳房をやさしく揉んだ。
「ぁあぁ~ん、ヒロ。そっ、そんなこと……いやっ」
美咲は身体を捩じらせて、そう口走りはしたが、広海の巧みな愛撫に身体を振るわせ、甘い電流が駆け抜けて行くのを感じた。
「キレイな乳首だよ。ピンク色で、とっても可愛い…」
「あぁあ~ん、ヒロ、ひろみぃー、ぁぁあー…ぅ」
広海は美咲の固くしこってきた薄桜色の小さな乳首を口に含んだ。
そして、舌先で大きく円を描くように転がして行く。
美咲は思わず身悶え、あえぎ声を押さえることが出来なかった。
「うぅー、あっぁ~ん」
これまで味わったことのない不思議な快感が美咲の身体を刺し貫いていく。
もう、自制がきかなくなっていた。
広海は美咲の弾むような乳房を手のひらと唇で愛撫しながら、美咲のネグリジェの裾を巧みに持ち上げにかかった。
滑らかな美咲の太股をいとおしむように撫でさすり、小さなパンティーに包まれた股間へと手を滑り込ませた。
「いっ、いや、ヒロ、だっ、だめよ、そんなこと・・・ぁあ~んっ」
美咲は思わず太股を閉じ合わせ広海の手の侵入を拒んだ。
異性には、いや同性にすら触れさせたことの無い、大切な、そして恥ずかしい部分なのだ。
広海は再び美咲の振るえる唇を奪った。
自分の熱い唾液を岬の口腔煮へと流し込み、舌を絡ませた。
そして、美咲の乳房への愛撫を一段と強めていった。
美咲は敏感になった乳房に加えられていく広海の巧みな愛撫に、たまらずかすかなあえぎ声を漏らしてしまった。
「「いやぁー、ヒロ。そっ、そんなこと・・・あぁあーっ」
堅く閉じ合わせていた美咲のまたがの力が次第に緩んでいく。
広海の指先が、パンティーで僅かにガードされた秘部に到達する。
そして、濡れはじめたパンティー越しに女のもっとも大切な、敏感な花園を突つき、撫でまわした。
美咲の身体を甘美な電流が走り抜ける。
自慰ですら経験の無い衝撃的な快感の嵐だ。
美咲は女が感じるとは、どういうことか、生まれて初めて知らされた。
7.甘 美
「美咲! みさきちゃんの、あそこを見たい・・・いいだろ?
さぁ、力を抜いて、お尻をちょっと持ち上げてごらん」
美咲はまるで催眠術にかかったように、広海に促せれるままに体を委ねていた。
広海の手で、薄いネグリジェが大きくたくしあげられ、パンティーが“スルッ”っと脱がされてしまった。
そこは女の蜜で潤い、甘い秘液の匂いが立ち昇っていた。
「ネグリが邪魔だね」
ネグリジェが持ち上げられ頭が抜けて行く。
美咲は頭がボーッとして、わけも判らないうちに全裸に剥かれてしまった。
「イッヤー・・・み、見ないでぇー・・・恥ずかしいぃー・・・・・」
こみ上げてくる激しい羞恥に美咲は、両手で股間にいじらしく生えそろった黒い叢の翳りを覆い、身体を振るわせた。
「とってもキレイだよ。美咲」
そう言いながら広海もただ一つ残ったトランクスを脱いで、美咲と同じ全裸になった。
膝立ちになったまま小刻みに震える美咲を見下ろして、広海は口元に微笑をもらした。
「美咲ちゃん! 僕を見てごらん、そして触って。
これが男が大きくなった姿なんだ」
美咲は答えられなかった。
始めて男性のそれが屹立している姿を見たのだ。
横目で広海の長大に聳え立つものを見て、その大きさに慄き、ただそっと広海の熱く脈動をしているものを握った。
「これが美咲ちゃんの体の中に入るんだ。
最初はちょっと痛いけど、僕が出来るだけ痛くないように、気持ち良くしてあげるから、任せるんだよ」
「熱いわ、それに・・・ビクビクしてる・・・
こんな大きなものが…アタシの中に?」
美咲はそのグロテクスともいえる凶器に、心に怯えが走った。
「大丈夫だって、みんな何時かは経験してるんだから…・
それに、いつも元気な美咲ちゃんじゃないか、怖くなんかないでしょ?」
優しげにそう言うと、広海は美咲の股間に顔を埋めた。
そして、強引にも美咲の太股を割った。
「あっ、や、やめて…・・ヒロミ」
美咲は思わず身をすくめた。
一番恥ずかしいところを見られるなんて、そう思っただけで美咲の身体をまた激しい羞恥が走った。
自分でもはっきりとは見たことも無い、神秘の扉。
それを自分が望んだからといって、異性の広海の目で確かめられようとしているのだ。
「美咲ちゃん、だめだよそんなに緊張しちゃ。
身体を楽にして僕にすべてを託すんだ」
美咲の振るえる太股をやさしく撫でながら、広海はさらに美咲の花園に顔を埋めた。
「ああぁーっ、ひ、ヒローッ・・・・」
太股が大きく割られ、美咲の秘密の部分が露出する。
すでにしの中心はしっとりと蜜液で潤い、芳醇な香りを放っていた。
広海そっと二枚の花びらを左右に開き、潤った中心に唇を寄せた。
「ヒィー…・ううっ、
ヒッ、ヒロ、ヒロ。いっ、いやぁー、そこ汚いからぁー・・・」
美咲は悲鳴に近い、か細い声をあげた。
「汚くなんかないよ。
とってもキレイ。ピンクのお花が咲いているようだ」
広海の唇がそっと寄せられた。
ピクリと身体の芯が甘く疼く。
広海の舌が妖しい生き物のように、美咲の秘所を這いずり回り、音を立てて新鮮な蜜液をすする。
そして…とうとう、美咲のもっとも敏感な秘密の肉芽をとらえた。
「あっあぁぁ~、あぅーっ、むうううっ」
美咲は上体を激しくくねらせ、その始めて経験する強烈な甘美な刺激を何とかこらえようとはした。
しかし、自然に声が出てしまう。
もう、身体の自制がどうにも効かないのだ。
広海の舌使いは巧みだった。
「美咲ちゃんのクリはまだ皮を被ったままなんだね。
オナニーもあまりしたことないんだ。
とっても綺麗で可愛いよ。」
広海は美咲の包皮をかむった肉芽を舌先で器用に剥きあげ、その真っ赤に充血した突起をなぞりながら、軽く吸った。
そして、それを何度も繰り返すのだった。
「うぐっぐっ…あっはぁーん」
クリトリスを愛撫されることが、こんなにも気持ちの良いものだとは…美咲が初めて知った、痺れるような、身体中が蕩けてしまいそうな、甘美な陶酔だった。
それが津波のように身体の芯に幾度と無く押し寄せてくるのだ。
8.疼 痛
「美咲ちゃん、そろそろ行くよ」
広海が身体を起こしながら言うのが聞こえた。
美咲は頭の中が真っ白になり、身体が宙に浮遊しているような、どうしようもない快感のうねりに身をまかせていた。
広海は美咲に向かい合った。
身体の奥から、限りないいとおしさが込み上げてくる。
その時、広海は身体をピクンと震わせた。
先端がヘアーのざらつきと蜜液のぬめりを感じて激しく欲情したのだ。
広海は膝立ちになり美咲の両足を心持持ち上げ広げると、桃色より幾分赤みが濃くなった淫裂を目がけ、初めはそっと、そっと挿入した。
亀頭が柔肌にヌルッと包まれる。
「あっぁっ! ヒロ、わかるわ。あなたの硬いのが、あたしのあそこに・・・」
美咲の叫び声は、わずかに震えを帯びていた。
広海はジリジリと腰を前進させる。
やはり、一点で抵抗するものに出会った。
ここは、一気に、と全体重ごと凶器を秘唇の奥深く突き刺す。
「あっ・・・・ヒロぉー」
美咲の身体が、頭の方へ逃げはじめた。
「大丈夫だって、美咲ちゃん」
広海はさらに反動をつけて、肉茎を押し込んだ。
意外にもあっけなく貫通して、美咲の蜜壷の底に辿り着いた。
そして、着床するなり秘口が入り口、中間の二点でザラザラした吸引力を示し、蠕動をし始めた。
さすがにバージン、全体の狭苦しさも快い。
「どう? 痛くない?」
広海は美咲の全身に水平に重なり、恥骨の所の陰毛で美咲のクリトリスを摩擦し圧迫する。
「あん、ぁあーっ・・・・ヒロ、ひろみが入っている、あたしの中に・・・」
軽く、浅く突いてやる。
「うぅーん、ぬふっ・・・。
少し痛いけど・・・いいの、とっても、いいの。どうしよう・・・」
美咲は身を反りかえし、そのくせ股間を「もっと」というように押し付けてきた。」
蜜壷が収縮を繰り返し、果汁が溢れるように漏れている。
「あぅ~ん、こんなにいいなんて。すてきよ、ヒロ。
あたし、イッちゃいそう。落ちそう、燃えちゃう、う、う、ぅ・・・」
射精の瞬間が迫っているのを広海は感じた。
身を起こすと、ペニスを飲み込んだ淫裂の上部で、クリトリスはすっかり硬くなっていた。
充血して盛り上がった蕾に恥骨を当てるように、腰の動きを加速する。
美咲の口からは悲鳴に近い声が連続して発せられ、美咲は顎を突き出し、上体を大きくのけぞらして、快感に身をまかせている。
「イクわ、ひろ。わたし、イッちゃう・・・」
「ぼくもだ、みさきぃー。ぼくも・・・」
「あぁっ、ダメ! ぁぁあーっ、ひろぉ~っ・・・・・・」
全身を震わせて美咲が絶頂に達したことを見届けたあと、広海はすべての抑制を解き放った。
ペニスが大きく脈動し、大量の白濁の液を美咲の体内に噴出する。
不安になるほど美咲は悶え、やがて両足をピンと張って、身動きしなくなった。
広海も、精根尽き果てたという感じで、美咲に折り重なった。
美咲の首筋に唇を押し当て、両手で剥き出しの太股を撫でる。
「幸せよ、ひろみ。わたし、すっごく幸せ」
「美咲ちゃん・・・」
振り向いた美咲の唇を、広海は思いっきり吸った。
互いに舌を突き出し、ねっとりと絡み合わせる。
「私、広海のこと、ホントに好きになっちゃったみたい・・・・」
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