我流乱舞!

我流乱舞!

非情な日常・漆黒の鏡・2


学校に付くと二人は別れ、それぞれの教室に入って言った。

劉也は、自分の教室の前に行くと、ため息をつきながら教室に入った。
直ぐに甲高い、声が聞こえた。
武の部下(?)の二人だ。

「「おはようございます!!!劉也さん!!!!!!」」

「あー、おはよー・・・。永崎と・・・えーっと吉田だっけ?」

「覚えてくれたんですね!!」

「感激です!!」

武との影響が未だ残ってる事に再びため息を付き、席に座った。
HRまで後20分近くもあり、やる事も無く、ボーっとしていた所に声が掛かった。

「あの・・・劉也君・・・?」

「あー・・・?何?委員長が俺に何の用?」

「いえ・・・。劉也君の出席日数に付いてですが・・・。後3日・・・程休んでしまうと、留年の恐れが・・・。」

「あー・・・そうですか・・・。そりゃぁご苦労様です。」

劉也は再びため息を付いた。

「あの・・・ちゃんと聞いてください・・・。」

委員長は困った顔をした。

「あー、平気だよ。俺はそう言う所も頭に入れて学校欠席してんの。もう直ぐ冬休みだし・・・。平気平気・・・。」

「そう・・・ですか・・・。なら失礼します・・・。」

委員長を見送ると、再び机に頭をつけた。

(・・・どうも、調子狂うな・・・。)

劉也は出席だけして、殆どの授業を無視する事にした。
四時限を、終えて、昼休み・・・。約35分の休憩が入った。

劉也は屋上に行くと煙草を吹かした。


そこに、劉也の後を追う人が1人。
赤い髪、キザな服、キザな目つき・・・。何か[美]に煩そうな男性。
劉也はそいつが何となく気に入らなかった。

「やぁ、矢崎劉也君・・・?君、能力者なんだろう?」

「はぁ・・・?能力者ぁ?」

「ふふ・・・やっと見つけたよ・・・。劉也君・・・。」

「あの・・・頭おかしいんですか?」

「僕の名前は岸田 享・・・。[享]と呼びたまえ・・・。」

「・・・・あそこの総合病院。精神科もあるそうですよ、行った方がいいですよ?」

「きっと、君と僕の出会いも、何かの運命に違い無いだろう。」

「んじゃ、俺戻りますね。」

劉也が屋上を出ようと、扉を開けた瞬間。
パンッ!!と乾いた音がし、劉也は後方に吹っ飛んだ。

「・・・逃げる気かな?僕は君と分かりあいたいだけなのに・・・。」

享は手を頭に沿え、横に振った。
劉也は黙って起き上がった。

「・・・・・・。お前さっきから気色悪いんだけどさ・・・。」

劉也はそれだけ言うと、構え始めた。

「僕とやる気かい?止めたほうがいいと思うよ?君・・・怪我じゃ済まないよ?」

享がそれをサラッと言ってみせた。

「上等・・・!」

劉也は弥に駆け寄り、享の頭目掛けて殴りかかった。
が、直ぐにまた、パンッ!!と乾いた音と同時に、後方に吹っ飛んだ。

「がぁっ!」

受身を取れずにもろに背中を打ってしまった。
享は勝ち誇ったような顔をしていた。

「ふっ・・・。無様だなぁ?矢崎劉也君・・・。僕は君に仲間になってもらいたいだけなのになぁ・・・。」

「仲間ぁ・・・?何の事だよ・・・。」

そういいながら、劉也は体制を立て直した。

「ふふふ・・・。この区間を牛耳る能力者の団体・・・。[エベレスト]にね・・・。」

劉也は全く興味なかった。そういった餓鬼っぽい変な団体に。

「あー、俺そういう子供っぽいの、パス。」

「・・・子供っぽい・・・・。言ってくれるね・・・。セカンド!!!サード!!!」

そう言うと何処からとも無く、槍を持った、男性と女性が現れた。
弥は現れた二人を見た。

「セカンド・・・。矢崎劉也は我々を馬鹿にしたんだよ・・・。障害が残る程度に美しく刻んであげなさい・・・。」

セカンドと呼ばれた女性は返答した。

「分かりました。ご主人様。」

享は続けた。

「サード、君はセカンドの手助けをするんだ。いいね?」

サードと呼ばれた男性は返答した。

「分かりました。ご主人様。」

劉也は呆れたような顔をした。

「・・・お前、弥・・・だっけ?趣味悪いよ・・・。」

享はニコリと微笑むと、二人に命令した。

「セカンド!サード!行くんだ!!」

「「了解しました。」」

命令されたと同時に、二人は空高く跳び上がった。

「ほう、身体強化能力か・・・。結構居るんだなぁ・・・。」

余裕そうにしている劉也に弥は言った。

「いつまでそんな顔できるカナ?あの槍・・・本物だから。」

「そりゃぁ、お前、銃刀法違反だ。」

跳び上がったセカンドとサードは二人同時に、劉也を懇親の力で突いた。

「はっ!!」「せいやっ!!」

二人の槍は劉也の頬を掠めた。

「外した!?」

劉也は不敵に笑いはじめた。

「ふ、ふふふ・・・。これで・・・正当防衛が成り立つよなぁ?」

劉也は槍を掴み、ヘシ折ると、二人の首根っこを掴んだ。

「では~・・・。そこの弥様の真似・・・行きまーす。」

劉也は空気を圧縮した球体をつくり出した。

「ぐ・・・放せ・・・。」

ジタバタするサードに比べて、セカンドは至って冷静だった。

「ま、風船の要領かな?」

劉也は球体を破裂させた。
パンッ!!という乾いた音と共に、サードとセカンドは後方に吹っ飛んだ。

劉也は辺りを見回した。

「あれ・・・?あのオカマ野郎逃げたのか?」

享の姿が無いのだ。

「ま、いいか・・・。えーっと、セカンドとサード?だっけ?俺もう戻っていい?」

セカンドは答えた。

「駄目です。ご主人様の命令です。貴方は黙って私達に将来障害が残る程度にボロボロにされて下さい。お願いします。」

サードも答えた。

「そうです。黙ってボロボロにされれば、早く終わりますよ?」

それだけ言うと二人は構えた。
劉也は再び呆れたような顔をしていた。

「お前等・・・。恐い事サラッと言うなよ・・・。」

劉也も構えた。

「まぁ・・・。使えるかどうか分からないけれど・・・。」

手を前に差し出し、念を篭める。

それを見たセカンドは劉也に突撃した。

「サード。先手を取られては不利になる可能性があります。」

「セカンド。了解した。」

サードも劉也に突撃した。

二人は一糸乱れぬ動きで、劉也の顎目掛けて蹴り上げた。

「ぐあっ!?」

劉也は二人分の蹴りを顎に打ち込まれ、衝撃で浮き上がった。
身体強化能力で、筋肉を増強してでの二人分の蹴り。
さらにセカンドとサードは、浮き上がった劉也の腹部目掛けて垂直に蹴っ飛ばした。
劉也は再び吹っ飛び、背中から後ろにあったフェンスに激突した。

「ぐ・・・、ア・・・。」

顎が効いたのか、劉也は地面に倒れた。

「立て・・・ねぇ・・・。」

セカンドとサードは劉也に接近すると、倒れている劉也を足蹴にした。
劉也は悲鳴は上げないものの、容赦の無い蹴りをその身体は受け続けていた。

セカンドはその様子を見ながら言った。

「ご主人様もどうかしている。こんな雑魚が欲しいだなんて・・・。」

サードは返答した。

「まったくです。こんな雑魚なんて必要ありません。」

劉也は状況とははんして不敵に笑った。

「・・・はは・・・。まったくだよ・・・。」

劉也は蹴りを受けながらも立ち上がった。
その様子にはセカンドとサードは驚いた。

「タフですね・・・。肉体強化能力を付加してでの攻撃をまともに受けながら立ち上がれるなんて・・・。」

「やかましい。やぁっと一定量念が溜まったんだよ・・・。」

そう言うと横に居たサードの胸に手を当てた。

「くらええええ!!!!!」

サードは無音で吹っ飛んだ。
吹っ飛んだ後、バンッ!!と低い衝撃音が鳴り響いた。
地面に打ちつけられ、3~4メートルほど転がり停止したサード。
その様子を他人事のように見ているセカンド。

「流石、ご主人様が眼を付けただけはありますね。空気を圧縮した球体を幾つも作り出し、それをサードに括り付け。溜まった念動力を開放して吹き飛ばす・・・。吹き飛んで距離が出来た所でサードに括り付けた幾つもの爆弾を一気に爆発させた・・・。といったところでしょうか?」


劉也は青い顔をした。

「なんか、お前が一番恐えぇよ・・・。」

セカンドは、折れた槍の刃を拾い、構えた。

「私にはそのような小細工は通用しませんよ?」

折れた槍の刃を劉也に向かって投げつけると同時に、劉也へと接近した。

「おっと・・・。」

劉也は折れた槍の刃をを避けると、突進してきたセカンドに向けて、中かがみで両手を広げ、待機した。

そして、接近したセカンドの腰の衣服を掴み、頭部を脇に挟んだ。

「かかった!!!ブレンバスター!!!」

丁度、セカンドが劉也の真上に投げられた時、だった。

「甘い。」

セカンドは劉也の首を掴み、振り子の様に回ると、勢い良く後頭部を蹴り飛ばした。

「いてぇっ・・・。」

劉也はよろけたが体制を立て直すと、再び距離を取った。

「いてて・・・、ふぅ・・・。なんつー動きだよ・・・。」

セカンドは呼吸一つ乱していない。冷静そのものである。
そして、屋上の出入り口の方に目を向けた。

「・・・・。どうやら貴方の味方が来るかもしれませんね・・・。増援が来ては此方の不利になりますので、貴方の信頼関係と言うものを崩させてもらいます。」

そう言うと、いきなり制服を脱ぎはじめた。

「・・・・?何してんの?」

セカンドは下着姿になると、いきなり叫んだ。

「キャァアアアア!!助けてっ!!襲われる!!!誰かぁああああ!!!」

確かにこの状況は人に見られては不味い。こいつ、達が悪い。悪すぎる。

「お、おい・・・。」

劉也は、屋上の出入り口をチラリと見ると、そこには梓の姿があった・・・。

「劉也・・・?その人・・・。」

劉也は梓で良かった。と安心すると、冷静に答えた。

「なんか・・・エベレストとかいう、団体らしい・・・。一応、敵かな?」

それを聞くと、梓は黙って木刀を何処からか取り出し、構えた。
その様子を見たセカンドは言った。

「何・・・やってるの・・・?私襲われそうなんだよ!?」

梓は答えた。

「・・・劉也は、そこらの男とはちょっと・・・いやかなり違うよ・・・?ねぇ、劉也。」

劉也は頭をボリボリ掻きながら答えた。

「あー・・・生まれつきか知れないが・・・。性的欲求とか・・・そういうの、殆ど無いらしい・・・。他にも趣味が無いしな・・・。音楽とか、映画とか・・・。全く興味が沸かないんだよ。何度か精神病院にも足を運んだが、原因は分からない。だから、お前が下着になろうと、全裸になろうと何の魅力も感じないし、抱きたいとも思わない。繁殖能力・・・動物としてはどうかとは、思うけどな。それは梓は知って居るからな。」

セカンドは顔を青くして答えた。

「なんていうことだ・・・・。貴方・・・ホモですか?」

「ん?ホモって何?」

劉也は頭を抱えた。

「んなぁ!?んな訳あるかよ!!梓!!てめぇも聞くんじゃない!!!」

セカンドは劉也の抵抗を無視して、梓に耳元で呟いた。

「つまり、ホモっていうのは・・・ごにょごにょ・・・。」

梓も顔を青くした。

「・・・・た、確かに・・・。劉也・・・アンタ・・・。そうだったの?」

「んな訳無いだろう・・・。馬鹿かお前、いや、馬鹿だお前。」


セカンドは冷静を取り戻すと、倒れているサードを見た。

「ならば、私よりもサードの方がいいのですね。サード?立てますか?劉也を魅了してください。」

サードはよろよろと立ち上がると、フェンスにもたれかかった。

「・・・・了解しました。トンネル工事は得意分野ですから。お任せください」

劉也は迸る悪寒に身震いした。

「ふざけるな!!つーか、何か話変ってるし・・・。お前等俺の話を聞けよ!!この・・・!!」

劉也はサードが何かする前に接近し行動を封じた。

「ダブルアーム・スープレックス!!!」

ゴスンッ!!

見事にプロレス技が決まり、サードは再び地に倒れた。

セカンドはその一連の行為を他人事のように見ていた。

「怪我人相手に残虐非道ですね。」

「やかましい・・・。」

劉也はセカンドの方を向き、拳を作った。

「お前・・・。どうするんだよ?二対一だぜ・・・?」

「そうだねぇ・・・。」

梓もセカンドに向けて、木刀を構え、ジリジリと接近した。

「ご主人様の命令は絶対ですから。貴方達二人まとめて、将来障害が残る程度にボコボコにします。取り敢えず手足の腱は切断させてもらいますね。」

再びサラッと怖い事を言ったセカンド。

「やってみろ!!」

劉也は一気に間合いを詰めた。

その時、セカンドは劉也に右手で突きを放ったが、劉也はその攻撃を左手で捌き、露出のお陰でくっきりとした腹部の急所目掛けて、右手で殴りかかった。

「ぐっ・・・。」

直撃したのだろうか、セカンドは声を漏らした。劉也は殴った状態の、右腕の肘をたたみ、出来た隙間を利用して、腹部に肘を叩き込んだ。
さらに、脇を閉めて、肩からのボディータックルへと連携させた。

「決まった!三連拳~!なんちって・・・」

「まだまだぁぁ!!」

梓はセカンドの後方から接近し、木刀を後頭部目掛けて振りかざした。

ゴッ!!と、鈍い音がしたのを確認すると木刀を中段から構え、背中に突きを放った。
堪らずセカンドは、体制を崩し、地に膝を突いた。

「おりゃぁっ!!」

劉也はセカンドの膝を踏み台にして、セカンドの顎に思いっきり飛び膝蹴りをかました。

「がはぁ・・・。」

「決まった!シャイニング・ウィザード!!!」

プロレス技だったらしい。
セカンドは地面に仰向けに倒れた。

「くそ・・・。やはり・・・二人同時は無理があったようですね・・・。」

劉也は自慢気に答えた。

「ははっ・・・、女性相手に手加減をしないのも、俺の特権かな・・・。」

仰向けに倒れたセカンドの顔の前にしゃがみ込んだ。

「・・・んで、あのオカマ野郎は何処に居るんだよ・・・?」

「それは絶対言えません。」

劉也はニヤリと笑った。

「吐かせるぜぇぇえ・・・。」

梓も劉也が何をするか、察知し、ニヤリと笑った。

「ふふふ・・・。どんな醜態を晒すんだろうねぇ・・・。」

セカンドは嫌な予感で一杯だった。
そこでサードが飛び込んで、セカンドをかばう体制になった。

「セカンドにこれ以上手出しはさせませんよ。」

劉也は梓の方をチラリと見て、少し考えた。

「・・・梓、お前エビ固めは出来るよな?」

「・・・うん、出来るよ。」

「丁度二人分だな。」

「そうだね。」

サードも顔を真っ青にした。

「・・・止めましょう・・・。此処は話し合いで・・・。」

「「問答無用!!」」



この後、劉也と梓の擽り攻撃に、サードとセカンドは30分以上に渡る抵抗を見せたが、遂には失神し、結局分からず終いだったとか・・・。















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