全38件 (38件中 1-38件目)
1

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.#Me Too運動に火をつけたハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発した二人の女性記者による回顧録を基にした映画。【ネタバレです】大物プロデユーサーということで誰もが自分の言いなりになることを強要していたワインスタイン。特に女性に関しては性的サービスを要求していた。そして、裁判沙汰になっても示談に持ち込み口止め料を支払い沈黙させた。何年も、何十年も。ニューヨーク・タイムズの記者は示談で結ばれた秘密保持契約の壁に阻まれる。オフレコでなくオンレコ、実名入りの記事でないと信ぴょう性も真実味も薄まる。何とか実名入りでできないかと交渉しても誰も名乗りをあげない。取材を続けると予想以上の性的暴行の件数、事実が浮かび上がってくる。秘密裏に取材妨害される。記者たちの取材の苦労の数々。ニューヨークから西海岸、そしてロンドンへと飛び回って取材する。せっかく面談かなっても沈黙で事実が掴めない。女優アシュレイ・ジャッドが実名公表を承諾。苦難の末、記事を発行する。映画を見終えてワインスタインのとんでもなさに驚嘆するけれど、映画の冒頭であったトランプ氏が大統領になったことを知らせるニュース。そして、その前に報じられたトランプ氏の婦女暴行事件。その関係者の彼を大統領にしてしまったアメリカの危うさに驚愕する。U-NEXTにて2022年/アメリカ/129分/G監督:マリア・シュラーダー原作:ジョディ・カーター、ミーガン・トゥーイー脚本:レベッカ・レンキェビチ出演:キャリー・マリガン、ゾーイ・カザン、パトリシア・クラークソン、アンドレ・ブラウアー、ジョニファー・イーリー、サマンサ・モートン、アンジェラ・ヨー、アシュレイ・ジャッド原題:She Said(「彼女が言った」) お薦め度「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」★★★☆(70%)
2023.04.30
コメント(0)

(C)2012 GEORGIA FILM FUND FIVE, LLC実話ネタ。十代の女性の失踪が相次ぐ。狙われているのは売春婦。正確には売春婦と呼べない十代の若い女性が立ちんぼ(路上で客を取る)などをやったり、客と連絡を取ってピックアップしてもらうもぐり売春をしていた女性がいなくなる。手錠のまま救出された十代の女性がキーパーソンとなる。捜査に当たるのは二週間後に石油会社に転職を決めている刑事。果たして犯人は捕まえられるのか……。現実の事件を映画化していて、手掛かりのない捜査は鬱屈してくる。性産業の実態を映し出す店は女性がトップレスで踊り、淫靡な感じがする。刑事サイドのドラマであり、犯人の心理については何もわからない作品であった。U-NEXTにて2013年/アメリカ/105分/PG12監督:スコット・ウォーカー脚本:スコット・ウォーカー出演:ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、バネッサ・ハジェンズ、マイケル・マグレディ、ディーン・ノリス原題:The Frozen Ground(「凍りついた土地」) お薦め度「フローズン・グランド」★★★☆(70%)
2023.04.30
コメント(0)

いいねぇ、いい本だ。どんどん読める。「書店ガール」という題名をどこかで見た気がしたけれど、テレビドラマ「戦う!書店ガール」があった。これはその原作。原作では西岡理子という副店長から店長に昇格した彼女が主人公で、コネ入社の27歳若手社員・北村亜紀(結婚して小幡亜紀)が共演者ということになるのだろうけれど、テレビドラマではまゆゆこと渡辺麻友が独身23歳の社員、稲森いずみ演じる西岡理子は原作通りの設定という内容でダブル主演となっていた気がする。原作と違い北村亜紀演じる渡辺麻友のほうに比重がかかっていたと思う。当時、AKB48推しで楽しんで見た記憶がある。原作を読み始めて残念に思ったのが、北村亜紀の設定を27歳で結婚した主婦と社員の兼業で悪戦苦闘する女性を描いていたのに対し、23歳の独身女性とすることにより社会の不条理を一部描けなくなり矮小化したものになってしまったのではと思えたこと。もちろんドラマは面白かったし、まゆゆの生真面目さと幼さを感じさせる演技が23歳若手社員を感じさせて良かったけれど、新婚家庭の夫婦間の軋轢、若妻の悩みなどがまったく描けなくなってしまったことがもったいなく思える。吉祥寺を舞台にテレビドラマがいくつかあったこともあるけれど、馴染みのある街なので楽しみながら見た。続編の制作を期待したけれど、まゆゆのスケジュール的に無理だったのか続編はできずじまい。原作の小幡亜紀のイメージからするとかわいい女の子のイメージがあるまゆゆ的な女性ではなくて、色香を感じさせる美的女性で生意気さを感じさせる人物だと思える。数多くいる演技巧者な女優の中で選ぶとすると美・色気・手練手管・生意気さ・若さなどをすべて合致した人物はいない。石原さとみが20代であれば近い感じがするけれど、20代の女優となると誰がいるだろうか。店長役は柴咲コウだと嬉しい(私好みですみません)原作書籍に戻ると当初「ブックストア・ウォーズ」という題名で単行本発売され、文庫化されるときに「書店ガール」となった。「書店ガール」の方が内容的にあってる気がするし、惹きもいいと思える。文庫になってからも人気を呼び、「書店ガール」は7作品あるようなので、続けて読みたい。<書店ガール (PHP文芸文庫) | 碧野 圭 |本 | 通販 | Amazon>より”吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が……。書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読!”書店ガール (PHP文芸文庫) [ 碧野圭 ]
2023.04.30
コメント(0)

(C)2023 TOEI ANIMATION CO., Ltd. All Rights Reserved原作となる聖闘士星矢を私は知らない。壮大なるスケールの話で響き渡る電光とアクションのすごさを味わいたくて映画館に出かけた。真剣佑推しだから見に行ったのである。原作通りではないと監督の思う作品と聞き及んでいたのである種不安もあったけれど、いい作品なんだと思い見に行ったのだが、よくわからない作品であった。たぶん原作アニメを知っている人なら、たやすく理解できる登場人物の関係性だろうけれど、原作を知らない私には疑問に思い気になる点があった。監督にしてみてもわざわざ説明を要するほどのものとは思えなかったのだろうけれど、それは初見の人には酷な話。映画だけ見ていてわからない関係性であれば、セリフで言うなり絵で見せるなり、説明する必要がある。冒頭、神の子についてのナレーション説明はやっていたので、その後の登場人物たちの紹介(関係性)が不十分であったと思える。なぜ小宇宙(コスモ)を探し求めるのか。白銀聖闘士(シルバーセイント)が聖闘士星矢に稽古をつけるのに人類の終わりとなるかもしれない戦いになぜ助けに来ないのか。フェニックス聖闘士となったNEROは悪玉なのに?シエナ(アテナ)と父と母との関係。父と母の関係。なぜ敵対し、殺し合うのか、その点が説明不十分だと思えた。もちろん説明はあるが不十分に思えた。真剣祐だけでなく、贔屓の女優ファムケ・ヤンセンが出演し、名のある俳優ショーン・ビーンも出演している。期待すべき作品であるはず。原題にあるゾディアック(Zodiac)の意味が分からず見てみると、”黄道帯(こうどうたい、英: Zodiac)とは、黄道の上下に9度の幅をとって空にできる帯のこと。獣を象った星座を多く通ることから獣帯(じゅうたい)とも呼ばれる。現在、黄道帯には13の星座があり、このうちへびつかい座を除いた12の星座を黄道十二星座という。”(Wikipedeia)とあった。映画が終わりクレジットを見ると新田真剣佑という日本名が出てくると思ったらARATAはなくてただのMACKENYUだった。2023年/日本/114分/G監督:トメック・バギンスキー原作:車田正美脚本:ジョシュ・キャンベル、マット・ストゥーケンキール・マーレイ出演:新田真剣佑、ファムケ・ヤンセン、マディソン・アイスマン、ディエゴ・ディノコ、マーク・ダカスコス、ニック・スタール、ショーン・ビーン、ケイトリン・ハトソン原題:Knights of the Zodiac(「ゾディアックの騎士たち」)お薦め度「聖闘士星矢 The Beginning」★★★☆(70%) 字幕翻訳:松崎広幸
2023.04.29
コメント(0)

「百貨の魔法」の素晴らしさに惚れ込み、村山早紀さんの著書を読むようになった。あまりにファンタジーすぎる本はやや受け付けない気もするのだが、本作「不思議カフェNEKOMIMI」もファンタジー一色の作品だと思える。猫派でも犬派でもない私は愛玩動物について興味はさほどない。それゆえ猫に対する愛着もなく、主人公がどれほど猫に執着しているかはわからない。なので、この本を読んでもそれほどの感銘を受けなかったのかもしれなかった。とはいえ、昔の物語、逃げてきた男女がこの地で果ててしまったこととか、戦争時の女の子のこととか、琴線にふれるものもあった。また主人公が冒頭で50代という若さで独り身となってしまっている状況も感じるものがあった。作者、村山早紀さんはとても猫がお好きなようで、猫ありきでこの物語を紡いだと思われる。そして、現実世界ではできないであろう紅茶屋をやってみたかったのだろうと思える。それをこの本で実現した。おいしい紅茶を飲んでみたいと思う。猫とともに過ごすゆったりとした時間は素敵だろうなぁ。不思議カフェ NEKOMIMI [ 村山 早紀 ]不思議カフェ NEKOMIMI | 書籍 | 小学館 (shogakukan.co.jp)ファンタジーの名手・村山早紀、31年目の到達点!『不思議カフェ NEKOMIMI』。たちまち重版! | 小学館 (shogakukan.co.jp)
2023.04.29
コメント(0)

(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会「コナン見ましたよ。良かったですよ!」と映画好きな人の言葉を聞き、久々に映画館でコナンを見た。コナンの活躍はもちろんだが、今回は黒づくめの組織のターゲットにされた灰原哀も活躍する。毛利蘭の武闘も見どころだ。潜入捜査官、スパイが誰なのか見極めがややこしいがオールスターキャストと言っていいほど秘密裏の人々が登場する。ジン、ウォッカ、ベルモット、キャンティ、ピンガら黒づくめの組織の面々。赤井や安室(バーボン)も出るし、主だった役どころはほぼ出てる。もちろん少年探偵団も。物語は東京・八丈島沖に設置された巨大ブイ型基地「ハシフィック・ブイ」にて全世界の防犯カメラがつながる。黒づくめの組織はこのシステムを乗っ取り悪者仕様に改変しようとした。それに絡む誘拐、殺人。それを見つけ阻止する警察にFBIとコナン達。ストーリー転換の妙味に引きずり込まれ見入ってしまう。絶賛したいところは登場人物、灰原哀や直美・アルジェント(老若認証システム開発者)の思いが十分描かれているから。2023年/日本/109分/G監督:立川譲原作:青山剛昌脚本:櫻井武晴声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ、堀之紀、立木文彦、小山茉美、古川徹、池田秀一、沢村一樹、緒方賢一、高木渉、大谷育江お薦め度「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」★★★★☆(90%)
2023.04.27
コメント(0)

(C)2020 Helsinki-filmi, all rights reservedムーミンが世に出る話だと思って見た。ところがムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの半生の物語。ムーミンは画として出てくるけれど、そのことに言及することはほぼなく、同性愛に行き、彫刻家の父親との確執などが描かれる。ただ、ムーミンがトロールだと初めて知った。北欧ならではのトロール。フィンランドのトーベは英語もフランス語も操る。ヨーロッパの人は原語においてすごいな、できるな、と思った。タバコを片時も話さず吸うトーベ。舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い、一途に思ってしまうトーベ。男に求婚を求めるトーベ。鬱屈した思いにさらされる作品であった。Amazon Prime Video にて2020年/フィンランド・スウェーデン/103分/監督:ザイダ・バリルート原案:エーバ・プトロ、ヤルノ・エロネン脚本:エーバ・プトロ出演:アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン、シャンティ・ルネイ、ヨアンナ・ハールッティ、カイサ・エルンスト、ロベルト・エンケル、ヤーコプ・エールマン、エーバ・プトロ原題:Tove(「トーベ」) お薦め度「TOVE トーベ」★★★☆(70%)
2023.04.27
コメント(0)
エッセイ「人間50年、その後…」 ⑧25年前の結婚式で披露宴をしたホテルから25年キャンドルをいただいた。それから毎年、結婚記念日には灯をともし一年、一年ろうそくを溶かしていった。キャンドルには上部から赤い文字で1,2,3と数字が刻まれていたのだ。今年25という数字の蝋(ろう)を溶かし、キャンドルは役目を終えた。もともとの高さでちょうど真ん中くらいで25となり、白いリボンが25の数字のすぐ下に結ばれていた。キャンドルは末広がりの土台を半分残したまま。しかし、役目を終えたキャンドルは捨てることになるだろう。紆余曲折、いろいろあった25年。コロナ禍で外出することはまれで昨年夏、3年ぶりに帰省したことくらい。とにもかくにも25年を記念して外食くらいは行こうと話している。
2023.04.27
コメント(0)

Photo by Alison Rosa (C)2012 Long Strange Trip LLC市井(しせい)の人間を描く。つまり、一般の人間を描くということ。名もなき男とは、有名でない=一般人、ということ。私自身が一般人(売れない役者)であったから、映画スターを夢見てあくせく演技に打ち込む日常を描けば、それもドラマ、あるいは作品になるかなと考えたこともあった。しかし、コーエン兄弟が描く、声が良く歌もうまいと思える<名もなき男>を描く本作を見てみると、ドラマにはならないんだと思えた。映画.COMでALL TIME BESTに選ばれる作品なのだから、ドラマにならないといっては失礼だが、見ていて、何が良くて、この作品を撮ったのかと思ってしまった。確かに二人組デユオとして活動していて、ソロになり、レコードは出すも売れずにうらぶれている。アパートもなく知り合いのところを転々とする夜。女性関係もだらしなく、酒におぼれ、歌はうまくてもソロとしての魅力がない。ゆえにハモリを恐ろしく嫌う。徹底的に嫌う。それは、主人公である彼の矜持なのかもしれないけれど、それを避けるプライドが彼自身を貶めていく。日銭を稼ぐ仕事もせず、ただ、ただ歌うのみ。他の歌手、奏者に悪態をつく。見ていても歌だけが心地よく、歌以外は気持ち悪い。日々、どん詰まりになっていく男を見て、何がおもしろいのだろうか。U-NEXTにて2013年/アメリカ/104分/G監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジョン・グッドマン、ギャレット・ヘドランド、F・マーレイ・エイブラハム、ジャスティン・ティンバーレイク、スターク・サンズ、アダム・ドライバー原題:Inside Llewyn Davis(「ルーウィン・デイヴィスの内側」) お薦め度「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」★★★☆(70%)
2023.04.26
コメント(0)

エッセイ「人間50年、その後…」 ⑦広島でサミットが行われる。コロナ禍での鎖国状態を解き、外国人来日客が訪れる人気都市として広島が上昇中とのこと。広島を訪れる外国人が増えることはいいことだと思う。ところで、広島を訪れる日本人は多いのだろうか。私は広島を訪れたことがある。その時は安芸の宮島なども行ったけれど、広島平和記念資料館も訪れた。記憶が定かでないけれど、大改修の後に行った気がする。もちろん、原爆の被害、原爆のあとの焼け焦げたものや写真の展示やマネキンのようなものを使った展示があったと思うけれど、その時より十年ほど前に見た長崎国際文化会館の原爆資料センターの歴史を感じさせる建物、悲痛な資料の展示に比べると悲惨さや悲愴さを感じにくい小綺麗な感じがした。長崎も今は長崎原爆資料館として建て替わっているので、広島同様、悲惨さを感じる度合いは薄れているのかもしれない。私に子供がいるけれど、幼少期から恐いものには拒絶反応を示し、一切見てこなかった。そのせいか、映画「火垂るの墓」を見ることを拒絶されたし、沖縄をはじめ、広島や長崎の戦火の後を訪れることは否定された。戦争の傷後を見ないと反戦の思いは強くならない気がするけれど、そもそも恐いもの(戦争)を避けるということであれば、それはそれでしかたないのかな、という気もする。ドイツは東日本大震災での福島原発の事故を鑑み、脱原発へ歩みだした。そして今年ついに国内のすべての原発を停止した。日本は原発をやめられない。再稼働し半永久的に使用しようとしている。ニュースでは化石燃料=石炭の消費量がダントツで多いときいた。原発もやめられず、さりとて化石燃料も使い続けるとは、先進国日本としてあるべく姿とは思えない。これは日本の経済・産業が悪いというよりも政治の力がないということだと思える。ドイツの隣国フランスが原発を続け、ドイツに電力が足りなかったら供給することができるからドイツの脱原発は可能なのだというようなことをニュースで小耳にはさんだが、はたしてそうだろうか?原発は危険であるという認識のもとに自然エネルギーでの供給に血道をあげて不退転の決意で尽力してきたのではないだろうか。ドイツはロシアとウクライナの戦火の影響でロシアからのパイプラインによる天然ガスの供給がストップしている。ガス・電気の料金が跳ね上がる中で企業も国も自足する苦難を乗り越えているのではないだろうか。翻って日本はどうであろうか。数多のダムを造り水力発電を行ってきたし、風力発電なども行い、太陽光パネルの設置も行ってきた。ただ、消費量があまりに多く、原発の力を借りなければ足りないという状況なのではないだろうか。電化製品ばかりの日本となってしまった今、消費量を抑えるのは難しいことだろうけれど、計画停電を経験した我々であれば消費量を抑えることは可能なのではないだろうか。また、日本の技術力をもってすれば自動車会社などが研究を重ねるEVや水素自動車を発展させて水素などを使った電力発電が可能なのではないだろうか。近隣諸国、特に韓国・中国・ロシアからは一部ではあるかもしれないが嫌悪され拒絶される状況を見れば、いざとなったら隣国に電力供給を頼めないと悲観するのではなく、他のアジアの国からあるいは欧米の英知を借りて画期的な電力発電を実現すべきではないだろうか。話は広島を訪れるという内容からずいぶんと遠ざかったが、石油という燃料を確保するために戦争が起こったことを考えると電力の自足は必要不可欠であり、それは原子力発電所なしに実現しなければならないものだと思える。広島を訪れる外国人は何を思うのであろうか。【ジブリ】年表!公開年順一覧! - アニメミル (animemiru.jp)
2023.04.25
コメント(0)

(C)2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINEMA - GABRIEL INC. - UMEDIAこの作品、若きバルザックをもとに描かれているということとセザール賞作品賞を受賞したという予備知識だけで見に出かけた。二時間を越える長編は重いと嫌だなという若干の忌避感を感じながら、いざ見てみるとそういった重苦しいものはなく、田舎から都会のパリへ出てきた若者が直面する社会の冷たさや田舎者が感じる疎外感を率直に描いていると思った。見ていて映倫の対応で気になったけれど、女性の局部、毛は映っていたのに、男性の局部いちもつが映るシーンではボカシが入っていた。これが邦画であれば当然と思えるけれど外国映画でしかも作品賞までとった映画なのでボカシは一切入れなくて上映すればよいと思ったのだが。いちもつを映すことで観客が味わう感情も鑑賞には必要と思えた。公式サイトによると”19世紀フランスの文壇を代表する文豪のひとり、オノレ・ド・バルザック。社会を俯瞰し、そのなかで翻弄されるさまざまな人間像を冷徹に描く彼が、44歳で書き上げた「人間喜劇」の一編、『幻滅——メディア戦記』を映画化した本作は、200年も前の物語とは思えないほど、現代と酷似したメディアの状況を鋭利に描いた、社会派人間ドラマだ。”とある。物語は19世紀前半、印刷工として働いていた詩人の若者がいた。彼は貴族の人妻の愛人であった。ナポレオンの没落後王政復古したパリにその愛する人妻とともに上京し、詩人として名声を得ることを願ったが、社交界の荒波にはじき出されてしまう。帰郷も考えるが、ありついたカフェの給仕をしたときに新聞記者と出会い、自身も記者となり、社会風刺や批判の記事を書くことになる。痛烈な内容で評判となった彼は社交界に復帰を果たし、大通り役者から這い上がった新進女優と出会い成功の美酒を味わうことになる。やがて享楽に溺れ、貴族であった母の名を継ぎたいと思うあまり、あれこれ策略をしたことが破滅への道を突き進むことになり……。都会の人々や貴族たちの企みや足の引っ張り合い、金ですべてを操ろうとするパリのきらびやかさに翻弄されていく若者たち。本質を語っていても金で右往左往する様は現代に通じていて近代を描きながら現代的である。恋や享楽に溺れる姿は絶品な描き方であった。この作品のクライマックス、結末が幻滅であった。表題通りの傑作であると思える。2021年/フランス/149分/R15+監督:グザビエ・ジャノリ原作:オノレ・ド・バルザック脚本:グザビエ・ジャノリ、ジャック・フィエスキ出演:バンジャマン・ボワザン、セシル・ドゥ・フランス、バンサン・ラコスト、グザビエ・ドラン、サロメ・ドゥワルス、ジャンヌ・バリバール、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・マルコン、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、デニッセ・アスピルクエタ、ジャン=フランソワ・ステブナン原題:Illusions perdues(「幻滅」) お薦め度「幻滅」★★★★(80%)字幕翻訳:手束 紀子
2023.04.23
コメント(0)

Luna (2017) (imdb.com)驚く展開の映画だ。ただ作品としてはなぜか退屈な感じがする。突然の殺人事件。なぜそのような凶行に及んだのか不明だし、その後の対応もすごく恐ろしいけれど現実味がない。ただ、実際ロシアのスパイが暗躍していて、このようなことも起こりそうだということは理解できる。市民生活の中に入り込んだスパイ。その正体はまわりの誰にも分らないだろう。それだけに恐ろしい。十七歳の少女がいきなり天涯孤独となり、自身のルーツがロシアにあるという驚き。警察組織も当てにならず、逃亡の生活。手助けしてくれた恩人は……。”見えないけれど今も戦争中だ。”平和ボケと言われる日本でこの言葉を実感することは難しい。ラストに衝撃はあるが、はたして現実はどうであろうか。U-NEXTにて2017年/ドイツ/92分/監督:カートレ・カイサル脚本:アリ・ゾジャッジ、ウルリケ・ショールズ、アレクサンダー・子ステア出演:リサ・ヴィカリ、カルロ・リューベック、ブランコ・トモヴィッチ、ライナー・ボック原題:Luna(「ルナ」) お薦め度「ランナウェイ ルナ、17歳の逃亡者」★★★(60%)
2023.04.22
コメント(0)

これが「楽園のカンヴァス」なのか。思い立って読み直して見た。再読である。ものすごく印象に残る内容は「楽園のカンヴァス」ではなかった。ずっとあの感動は「楽園のカンヴァス」のものだと思っていたのに…。記憶と感情の思い出とはまったく違った「楽園のカンヴァス」の驚きながらも読み終えた。いつか展開がかわるのではないかと思いながら、私の記憶にある展開は起きなかった。さて、本作「楽園のカンヴァス」の読後感を言えば、このような作品だったんだな、と。あれほど感銘し酔いしれた物語がこれだったことに違和感ととまどい。ルソーの傑作「夢」ならぬ「夢を見た」の真贋鑑定を当代随一のキュレーター、愛好家に問うという物語。伝説の美術愛好家が登場し、ルソーの作品とキュレーターの仕事ぶりについての小説。十年ぶりに読んだけれど、次回読むときにはどのような感慨を持つであろうか。楽園のカンヴァス (新潮文庫 新潮文庫) [ 原田 マハ ]
2023.04.22
コメント(0)

ポスター画像非情にユニークなサスペンス。パソコンの中で不治の病にかかった母親が映される。夫婦と娘の三人家族。幼少の娘が高校生になった時、父親と娘の家庭となる…。ある日、娘が消えた。その時には娘からの二度の電話と一度のテレビ電話。テレビ電話はfacetime(フェイスタイム)というんだなと初めて知った。父親は眠っていて出られなかった。朝、折り返しの電話に娘の反応はなかった。ピアノ教室、学校、友人…と連絡をとるもどこにも娘はいなかった。娘の友達に連絡を取ろうとして、娘はいつもひとり、友達がいないことを知る…。消息を絶った娘を追跡できず、警察に連絡。女性捜査官は親身になって行方を捜してくれた。娘の行動をなにひとつ知らない父親は焦燥しながらも必死になって自ら探し、探し、探し…。信じられない娘の行方に、不明のまま弟を疑うことになり、しかし、…。急展開の解決に驚きながらも…。予測できない展開と結末に驚嘆することになるだろう。今どきの現代の内容に驚嘆するばかり。唸ってしまう傑作である。U-NEXTにて2018年/アメリカ/102分/G監督:アニーシュ・チャガンティ脚本:アニーシュ・チャガンティ、セブ・オハニアン出演:ジョン・チョウ、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー、原題:Searching(「綿密な」) お薦め度「search サーチ」★★★★(80%)
2023.04.20
コメント(0)

「ポトスライムの舟」の単行本は「ポトスライムの舟」と「十二月の窓辺」からなる。短編と言えず、長編ともいえず、中編といったところか。「ポトスライムの舟」ポトスライムとはポトスのことだと読んで気づくのだが、ポトスライムはポトスの一品種とのことである。奈良に住むアラサーの女子が主人公である。友人は結婚し子持ちなのが二人いて、もう一人は主人公と同じく独身である。なにかと複雑な状況があって独身の友人は居候ののちカフェを開業。子持ちの友人一人は一人娘を連れて別居、離婚へと至る。もう一人は…。主人公は契約社員として化粧品工場で働き、夜は友達のカフェを手伝い、土曜日はパソコン教室の手伝いをしている。薄給で働き、自由な時間を持てないワーキングプアの彼女。その彼女が世界一周の旅の資金を貯めることを決断する。彼女の家にはポトスライムが生育しており、切り取っては数を増やしている。鬱屈した日々の中、旅の資金は貯まるのか…。さあ、これから楽しく読んでいこうと思ったら物語は終わる。「十二月の窓辺」彼女が新卒で入った会社は多忙で上司のパワハラにさらされる毎日。鬱屈した毎日。通り魔が出るということで集団帰宅をしているどのグループにも入れてもらえず、孤立している。「ポトスライムの舟」に続き陰鬱な日々を描いた物語だ。どうなることかと読み進めるが、さあ、これから、というところで物語は終わる。どちらの作品も鬱屈した日々とそれに対する主人公の思いが延々と語られるけれど、転機としてこれからというときに物語は終わる。ちょっと読み足りない気がしないけれど、これはこれで、だからこその物語なのかと納得させる自分がいた。ポトスライムの舟 (講談社文庫) [ 津村 記久子 ]
2023.04.20
コメント(0)

新田次郎が好きだと思ったのはただただ映画「聖職の碑」を見たせいかもしれない。大正2年8月26日に中箕輪尋常高等小学校の生徒ら37名が修学旅行で伊那駒ケ岳に向かった。当時、低気圧とされた暴風は今でいう台風と思われ、急激な天候の変化にあてにしていた山小屋が屋根もなく崩壊していたという状況で天候回復を待つも台風は居座り、業を煮やした青年たちの暴走から散り散りに下山せざるを得なくなり、多くの犠牲者を出した。その悲惨さ、悲愴さを描くとともに助かった安堵と命の重み、教育の重要さを知らしめたものであった。映画はこの登山を描いたものであったと記憶しているが、小説は三部構成で登山前、登山、登山後となっており、三部目の登山後に本題名となった“碑”を建立するために奔走した人物とその行程を描いている。この遭難事件は地元の人に広く知られ、後世の人に語り継ぐべく本になることを望まれていたが山岳作家として近隣の村出身の新田次郎でなければ書けなかった代物だと思えた。小説の部分は映画で見知ったこともあり、ことさら感慨は感じられなかったが、小説の後に掲載されていた取材記・筆を執るまでは圧巻であった。取材のために現地を訪れ関係者たちに話を聞くだけでなく、山にも上り、そのときに雨が降り、風が吹く悪天候を経験したことにより程度の違いはあれ、修学旅行生たちが経験した山の恐ろしさを下山の困難さを体験したこと、そのことを記述した文章が身に迫るほど痛切に感じられて涙がにじむほどであった。1980年に心筋梗塞により急逝した新田次郎。没後43年経つが、この話は風化してはならない。新装版 聖職の碑 (講談社文庫) [ 新田 次郎 ]
2023.04.19
コメント(0)

エッセイ「人間50年、その後…」⑥物忘れがひどい。昨日の晩御飯が何だったのか?というレベルではなく、趣味である映画に関して、一度見た作品について、まったく記憶がないのである。ストーリーを覚えていないだけならまだしも、見たかどうかさえ記憶にない。映像配信で見たい映画を探し、見始めてみると、既視感があり、待てよと鑑賞記録をチェックするとすでに見ていたりする。見たことを忘れて見たい好みの映画を探して選ぶとすでに見ていた作品であるというのは、好みは変わらないのだな、なんて思う。昔、テレビで洋画劇場なるものが全盛のころ各曜日に映画評論家である解説者、ナビゲーターがいて、その第一人者である淀川長治氏が映画紹介するときには昔見た作品ももう一度見てコメントすると聞いたことがある。若かった私はずいぶんと時間の浪費をするもんだと思った。しかるに私自身、50歳を超えるころから、記憶があやふやになってきた。テレビのNHK―BSのプレミアムシネマですでに見てしまった作品を再放送するときに、未見だと思い見てしまったのだ。しかも、その時にはまったく気づかず映画がクライマックス、終盤になって初めてその映画を見たことに気付いたことがあった。不覚であった。それからというもの配信で作品を選んでも10分ほど見てから、見たことあるかな?となり、調べると見ていたりする。はたまた、人気の作品であり、見なきゃと見た記憶があるのに内容に関しての記憶がなく、良いか悪いかもわからずじまいということが多々ある。人間の記憶の怪しさはこの歳になって実感しているが、政治家が“記憶にございません”といっていることもあながち嘘ではなく、本人の記憶から消え去っているのかもしれない、と思えてきた。私は30歳頃に事務仕事をしていて、4人ぐらいがそれぞれ別の仕事をしていてあれこれ話しているのを聞いていて、それぞれ4人の話を聞き分けていて、聖徳太子みたいだと言われたことがあった。それこそ頭の後ろに目があるようにその部屋の出来事を把握していたものだが、今ではそんなこともなく、たった一人の話でさえしっかりと聞くのが難しい。記憶の衰えは若い時から感じていて、新人の自己紹介の時に人の名前が覚えられず、こいつはあいつ(昔の友達)と同じ名前だと紐づけて、あいつの名前を思い出しては呼んでいた。今はもう新しい人の名前は全く入らず、呪文のように繰り返し唱えて覚えこむか、電話をかける時には名刺を確認してしまう。 物忘れがひどいというのは、初老(40代)を迎えたひとは感じるものなのだろうか。 最近、配信の映画をがんばって見ているけれど、週末に一日三本見てしまうと、その前に見た作品などは記憶の彼方に行ってしまう。それこそ、見た覚えがあっても内容が出てこない。たまに、そんなことではいけないと評判作や名作を繰り返し見ることがあるけれど、見覚えがなく、また見ても何ら感動を覚えないので、記憶に残らないのか、と思えてしまう。 そういえば、昨年「ロッキーIV」が「ロッキーVSドラコ」として再編集された。そのこともあって配信でロッキーシリーズが見ることができた。「ロッキー」はとても懐かしく45年ぶりの再会、再視聴となった。記憶に残る場面は多く、とても懐かしかった。しかし、45年前の血沸き、肉躍る感動は来なかった。歳をとったということだろうか。続いて「ロッキーII」を見た。こちらも映画公開時には大号泣した作品だ。情緒過多な作品で、お涙頂戴作品としてけなされた思い出がある。こちらも今回の再見では泣かなかった。感性がにぶったのかなぁ、と思えた。続いて、「ロッキーIII」を見た。この作品を見た時は衝撃だった。なぜなら、私の記憶にない作品だからである。私の記憶では今回再編集された「ロッキーIV」がIIIであった。なのに、こんな作品があったなんて。もちろん、ロッキーファンの私は見ている。ん?見ているのかな?映画記録をチェックしてみよう。1982年7月10日に梅田ピカデリー1にてひとりで見ている。ちなみに87点とつけている。もちろん、こちらも感動はなかった。そして映画館で見た「ロッキーVSドラコ」懐かしさはあり、そこかしこに記憶の断片を思い出させるところはあったけれど、ストーリーを覚えているかと問われれば否と答えるしかない。そんな程度の記憶。アメリカとソ連がいがみ合っていた冷戦時代。思えばあの頃が現代より平和だったのかもしれない。(現代はウクライナとロシアの紛争で平和とはいえない)「ロッキー5」はスタローンの息子が登場するがおもしろくない話なので再見はしなかった。ここで、驚きなのが「ロッキーIII」の記憶がまったく抜け落ちていたということだ。漫然と見ているだけでなく映画記録をつけているのに、しかも大大大ファンとなったロッキーの映画なのに。あまりのショックに記憶に自信がなくなった。その昔、淀川長治氏が見た映画も再度見てコメントを言う。むべなるかな。年齢を重ねてしまうと記憶には何も残っていないから、致し方ない。私の記憶も一度しか見ていないものはうさん霧消してしまっているのかもしれない。ストーリーもシーンも記憶に鮮明なものは何度も見ている「カサブランカ」や「プリティ・ウーマン」や「ウエストサイド物語」などである。一度しか見ていないものは印象深いものとしてその感動のみが残っている。 年々記憶には残らなくなっていっているけれど、良い作品は記憶にとどめたい。ロッキー(字幕版)ロッキーII(字幕版)ロッキーIII(字幕版)ロッキーIV(字幕版)
2023.04.18
コメント(0)

Goodbye, Butterfly (2021) (imdb.com)登場人物の少なさが作品にチープ感を漂わせるけれど、脚本がしっかりしているせいか見どころがつづき目が離せない。愛娘がとてもかわいい。おやすみのシーンに愛を感じる。その少女が殺害された。脱げた靴が映り、死体を映さないのが優しさだなと思ったときに少女の血にまみれた死体が映る。愛娘の死に耐え切れず妻は妹宅に身を寄せる。夫は置いてきぼり…娘を失って妻に置き去りにされた男は犯人探しに出る。怪しいと思った男は娘の蝶々の髪飾りを手にしていた。警察に連絡するも、髪飾りは見つからず、男の勘違いだとされる。腑に落ちない男は怪しい男を襲う計画を立て……。父親の友人のアジア系おやじだったり警官が有色人女性だったりと今どきの多様性を感じさせるキャスティング。とはいえ登場人物は少なく、主要な者は父親と友人と警官と怪しい男の4人だけ。普通、警官はバディを組んで二人組ということを考えると一人しか登場させないのはあまりに不自然だが出演料を削減したためだろうかと思われる。密室で少人数のキャストといたってチープな感じがするけれど、筋立ては巧妙、展開も秀逸、なかなかの作品であった。クライマックスで大団円で終わりとせず、わずかではあるがその後を描いていることに意外性を感じた。アジア系おやじがどうしようもない見てくれだな、と思って見ていたけれど、監督・脚本・出演をかねたタイラー・ウェインとわかってびっくり!Amazon Prime Video にて2021年/アメリカ/99分/監督:タイラー・ウェイン脚本:タイラー・ウェイン出演:アダム・ドンシク、タイラー・ウェイン、マリー・バーク、アディソン・ロス、ジェレミー・ロンドン、アンディ・ラウアー、ジェシー・オルセン原題:Good Bye Butterfly(「さよならバタフライ」) お薦め度「グッバイ・バタフライ」★★★★(80%)
2023.04.16
コメント(0)

Testament of Youth (2014) (imdb.com)感傷的な邦題「戦場からのラブレター」とは裏腹に原題”若さの証”とあるのは若さゆえの率直さ健気さ純粋さなのだろう。正義のための戦いと信ずればこそ志願し戦場へ行く。また、それを良しとする姉。大いに反対する両親と考えも気持ちも違う。なぜ自ら志願しないと気が済まないのだろう。そして、彼らは戦死していく……。第一次世界大戦中、戦線に従軍看護士として身を投じた女子大学生ベラ・ブリテンの自伝をもとに映画化。この作品が伝えたかったのは、戦争というものは無益なもので正義はどちらにもあり、生き残った者がすべきことは二度と戦争を繰り返さないことである、ということだと思う。彼女の体験記として描いていると散漫というか焦点がわからなくなるが、それこそが緊急時、戦時における混沌なのかもしれない。”No More””No War”である。U-NEXTにて2015年/イギリス/129分/監督:ブラッド・アンダーソン原作:ベラ・ブリテン脚本:ジュリエット・トウィディ出演:アリシア・ビカンダー、キット・ハリントン、タロン・エガートン、エミリー・ワトソン、ヘイリー・アトウェル、コリン・モーガン、ドミニク・ウェスト、ミランダ・リチャードソン原題:Testament of Youth(「若さの証拠」) お薦め度「戦場からのラブレター」★★★☆(70%)
2023.04.16
コメント(0)

この画像の帯に反論するけれど、「流浪の月」の方が良い。期待して買った「汝、星のごとく」を読む。きわめて現代的というか現代を描いた作品である。京都在住の作家が描く京都出身の主人公、彼。もうひとりの主人公、瀬戸内海の島の住人、彼女。「汝、星のごとく」は彼女、井上暁海(いのうえあきみ)彼は青埜櫂(あおのかい)。二人の物語である。努力することが才能と思えるほど真摯に取り組む二人がすごい。北原先生がいい。島の生活を描き、大都会東京の生活を描き、人生を描く。作家・凪良ゆうの世界はすごい。現代の恋愛感情、恋愛対象、現代社会の概念のアンチテーゼのようなテーゼをぶちまけた文章は私の心を打った。第三章に書かれた二行。”……自由。”に圧倒された。読者は心して読み、作者の思いを十二分に受け取ってほしい。傑作だと思う。汝、星のごとく [ 凪良 ゆう ]
2023.04.16
コメント(0)

(C)2022 - UNE HIRONDELLE PRODUCTIONS, PATHE FILMS, ARTÉMIS PRODUCTIONS, TF1 FILMS PRODUCTION「パリタクシー」とあったからパリのタクシー運転手の悲喜こもごも、日常を描いていると思ったけれど、原題が”Une belle course”で”美しき旅路”なんて出てくるから、思った内容と違うと予測できた。冒頭の客と運転手のひと悶着があって、パリを知り尽くしている運転手だと認識させるがそれがアイロニー(皮肉)なのかもとも思えてしまう。 物語は遠路のタクシーを依頼された45歳の運転手。金に困っているので引き受けた。お客は92歳の老女。孫と祖母くらいの年齢差の珍道中(?)を描く。 第二次世界大戦前に生まれた彼女は16歳で連合軍によりパリ解放を経験。そこで出会った米軍兵士と恋に落ちる…。 彼女の人生を振り返りながら老人ホームに入るというので送っていくタクシー運転手は当初の不愛想から愛着を見せるようになる。 彼女の人生の終末期に出会った二人の交流は予測できた結末をむかえる。この作品のクライマックスには予測できた内容であったけれど涙した。心をふるわせる一本である。 調べると”course”にはタクシー料金の意味があり、「素敵なタクシー料金」と訳せば、原題の意味が十分伝わると思える。2022年/フランス/91分/G監督:クリスチャン・カリオン脚本:シリル・ジェリー、クリスチャン・カリオン出演:リーヌ・ルノー、ダニーブーン、アリス・イザーズ、ジェレミー・ラユルト、グウェンドリーヌ・アモン、ジェリー・デラルム、トマ・アルダン、アドリエル・ルール原題:Une belle course(「素敵なタクシー料金」) お薦め度「パリタクシー」★★★★(80%)字幕翻訳:星加久実
2023.04.15
コメント(0)

ポスター画像ハル・ベリー主演のサスペンス映画。電話の通話だけで一本の映画が出来るという作品としては「THE GUILTY ギルティ」(2018)がとても秀作であったが、見せるということで通話オペレーターが外部に出ていって事件を解決しようとするところはハリウッド映画的なのかもしれない。911に入った少女の一本の電話、自宅に侵入者という通報。それに対応するオペレーターが痛恨のミスをしてしまい被害者としてしまった。そんなトラウマを抱えた主人公は教育係となってオペレータ業務から離れていたけれど、新人オペレーターの通話を代わったところから抜き差しならぬ延々と続く通話となって……。犯人像がわからない点が恐怖を生む。なんとか少女を救出したい。警察は犯人の逃走車も逃亡先もつかめないのは作品の展開としての愚行に見えて、緊迫感もリアリティもなく疑問を感じた。追跡できてもそれをかいくぐる展開であればもっと妙味を感じて見られたかも。とはいえ犯人の嗜好がこの犯行の動機にあるということがわかり、ちょっと気味悪かった。U-NEXTにて2013年/アメリカ/94分/G監督:ブラッド・アンダーソン原案:リチャード・ドビディオ、ニコール・ドビディオ、ジョン・ボーケンキャンプ脚本:リチャード・ドビディオ出演:ハル・ベリー、アビゲイル・ブレスリン、モリス・チェスナット、マイケル・エクランド、マイケル・インペリオリ原題:The Call(「通話」) お薦め度「ザ・コール 緊急通報指令室」★★★☆(70%)
2023.04.13
コメント(0)
エッセイ「人間50年、その後…」⑤ペインクリニックへ行ってから漢方薬を飲み、冷たいものも熱いものも極力避けてきたせいか歯に痛みを感じなくなっていた。時たま、あっと思うようなことはあっても、痛み止め漢方薬が効いているのかと思えた。明日ようやく大学病院の虫歯科にいくというので、あえて冷たい水を口に含む。「痛い!!」痛いのである。ぜんぜん変わってないではないか。ということで、今朝、虫歯科に行った。私はコンサルティング案件とされていた。なので歯科医は虫歯があったとしても治療してますます痛むことがあるかもしれない。ひとによっては痛みが増すのは嫌だから虫歯治療をしないでくれという人もいる。どうしますかと聞いてきた。虫歯があるのに治療しないという意味がわからないと思いながら、痛くなることも覚悟で治療をお願いした。(虫歯治療は地元の歯医者で治療しているので虫歯があることはないはず)仮歯を取り除き、キュィーン、ガリガリと虫歯治療を始めた。キュィーン、ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ…キュィーン、ガリガリ…。相当ガリガリやったと思ったら、器具を替えて、ゴリゴリ、ゴリゴリ…。ゴリゴリ…。歯科医「あ、こっちにも虫歯が…」隣の歯も虫歯があったようだ。キュィーン、ガリガリ…。なかなか手ごわそうな虫歯だ。あ、しみるしみる。冷たいを感じる。うわー、しみる。冷たい…。もう30分以上口開けたままだよね。ゴリゴリ、ゴリゴリ…。ガリガリ、ゴリゴリ…。歯科医「口、ゆすいでください」次に横たわると、なんだろう、なにか熱いものが…グワン、グワン、ズーン、グワン、グワン、ズーン。ゴー、と吸入器の水分を吸い取る音がずっと鳴っている。 しかし、「ちょっと噛んでみてください」ずっと口を開けていたので、あご関節がおかしい、うまく噛み合わせ出来ない。それでも数回繰り返すうちに、うまく噛めるようになってきた。歯科医「どこか高いというところありますか?」私「いえ、大丈夫です」歯科医「では、これで終わりです」私「虫歯、治療が終わりってことですか?」歯科医「そうですね。虫歯が何か固いものの奥にあったので、その固いものを取って、神経にずいぶん近いところまで治療したので薬剤を入れましたけど、もし、神経が痛むとか腫れるとか障害が出てくれば次は神経科になります」治療を終えた時には開始から一時間が経過していた。歯型を採るでもなく、治療した歯にいきなり被せて成型してしまうなんて、初めての経験。さすが大学病院だと感心した。その後、続いてペインクリニック科に行ったところ、「そうですか、虫歯があったんですか。であれば、ペインクリニック科ではないかもしれませんね。次回予約を入れて様子を見ましょう。それで、痛みが出なければ予約キャンセルでかまいませんから」と医師に言われる。三か月を超えた歯の痛痒はこれにて終わりを迎えるのであろうか。
2023.04.13
コメント(0)

原田マハさんの長編単行本、上下巻である。読みごたえはもちろん、読了するのに時間を要する。天才画家・俵屋宗達が天正遣欧少年使節とともにバチカンを訪れるという設定は奇想天外すぎるが、天性の絵師である宗達が絵を描くことに無上の喜びと無限の至福を感じられる姿。その姿、一挙手一投足が読み進める眼前に表出したような生き生きとした文章は読書する喜びを存分に味合わせてくれた。織田信長の命により命を懸けて完成したとする洛中洛外図屏風を見てみたいという欲求にもかられた。信長から上杉謙信に贈られた洛中洛外図屏風は国宝「上杉本洛中洛外図屏風」として原本が米沢市上杉博物館の上杉文華館にて展示されるという。見てみたい。風神雷神 Juppiter、Aeolus(ユピテル アイオロス)上 (PHP文芸文庫) [ 原田 マハ ]風神雷神 Juppiter、Aeolus(ユピテル アイオロス)下 (PHP文芸文庫) [ 原田 マハ ]
2023.04.12
コメント(0)
エッセイ「人間50年、その後…」④つーーーー…冷たい!!冷たい!!それほど冷たくないはずの冷茶が歯にしみる。味噌汁を飲むと、あっつい!! 熱い!!冷たいものを冷たいと感じ、熱いものを熱いと感じる。これは虫歯か?ということで、通いなれた歯医者に行く。 “シャー!!シャー!”歯科医で冷気を吹きかけられる。冷たくはない。トン、トン。トン、トン。歯を小突かれる痛くはない。歯科医は「なんでしょうかね?歯と歯茎に一部欠けたような隙間がありますね。ちょっと塞いでみて」「・・・様子見てください」会計をして帰宅した。手を洗い、うがいをする。「ウーーーーーー!!」痛い、とてつもなく痛い。歯科医に電話すると、本日多忙なゆえ、時間が取れず、我慢できるようなら来週来てくれとのこと。なんなんだ、それはと思いつつ、次週に行くこととした。次週、行ってみたところ、同じ歯医者なのに歯科医が違う。治療してもらった歯ではなく、その隣、一番奥の歯が痛むようだと伝える。一番奥の歯は銀歯が被せてあってレントゲンをとっても何も写らないのだという。被せを取ってみていいかというので、取るようにお願いした。被せをとったところ、歯科医曰く、「ああっ、虫歯になってますね」とガリガリ、キュイーンと治療しだした。歯科医は「今日、仮の被せをしましたので、これで痛みがなければ次回、型をとりますね」といった。私はやはり銀歯(の中)が、虫歯になっていたのか、と思った。帰宅して、うがいをすると…しみる。痛い…。どういうこと?冷たさを感じながら一週間が経過。歯科医は虫歯を治療した医師とは違った人だった。(当初の歯科医である)仮歯を被せているけれど、冷たい、熱いをいまだ感じることを伝えると、冷気を吹きかけた。冷気は冷たくない。歯科医は、何かしら神経に触っているんだと思うけれど、冷気で冷たさを感じないのであれば原因がわからない。最悪、神経をとることも可能だけれど、神経はできるならとりたくはない。大学病院のペインクリニックに紹介状を書くから、そちらに行ってくれと言われた。“ペイン・クリニック”ってこれは神経過敏?あるいは年老いたことによる何か?私は不安に陥った。医科歯科大学病院のペインクリニック科へ行った。システム化された受付にまごまごしながら受付を済ませ、ペイン・クリニック科へ行く。初めてのペインクリニック科にドキドキ。患者はそれなりにいる。予約した時間を過ぎて待っていると…何もない。待っていると…待っていると…予約して時間をすぎて40分を経過し、1時間待つようなら窓口に言わなきゃと思い始める。待っていると…窓口に言わなきゃ…で、呼ばれた。歯科医はペインクリニックについて説明し、紹介状を見て、「同封されたレントゲンが古すぎるので、こちらでレントゲン取り直してください」と言われ、すぐさまレントゲンを撮りに行く。ペインクリニック科にもどり待っていると、呼ばれた。歯科医は「レントゲンを見る限り、よくわからないけれど、ひょっとすると虫歯があるのかもしれません。虫歯がある場合は虫歯の治療が終わってからの診療となるので虫歯科に治療予約いれますね」と大学病院の虫歯科はすぐに予約が取れず一か月先になった。それまでは痛み止めの漢方薬を一日三回食前に飲むようにと処方された。虫歯を治療しても痛いからきたのに虫歯の点検をするというのは?ペインクリニックの通常ルートなのだろうか、と思いながら帰宅した。
2023.04.11
コメント(0)

(C)2020. 1483, INC. ALL RIGHTS RESERVED.リリー・コリンズ主演の新作のようだったので見てみた。2021年6月公開作品。名家で富豪の父親が心臓発作で突然死。妻と子供が二人(姉と弟)が相続者となるが、遺言により主たる相続者は姉(リリー・コリンズ)となったようだ。遺言書とは別に残されたUSBにあった謎の遺言と鍵。彼女はそこで見知らぬ者を見てしまう…。ちょっとありえない設定にとまどうが、それとしばらくはそのまま捨て置いたらと思うのだけれど、何を焦ってかドタバタ、いやジタバタしてしまう主人公。延々と繰り返される閉ざされた空間での話し合い。真実は何で、彼女の選択は正しいのか?緩慢なテンポで延々と続くかと思われたがあ、彼女の決断により状況がかわり、その後、予想しない殺人が……。終盤に激しさを増す作品であった。Amazon Prime Video にて2020年/アメリカ/111分/G監督:ボーン・スタイン脚本:マシュー・ケネディ出演:リリー・コリンズ、サイモン・ペッグ、コニー・ニールセン、チェイス・クロフォード、パトリック・ウォーバートン、マルク・リチャードソン、マイケル・ビーチ原題:Inheritance(「相続」) お薦め度「インヘリタンス」★★★☆(70%)
2023.04.09
コメント(0)

(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNERBROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLCロバート・ダウニー・Jr.とロバト・デュバルの名優対決。丁々発止と法廷でやり合うのかと思って見たが、そのような内容ではなく父子の関係で父親と同じく法曹界に進んだ都会の敏腕弁護士の息子と妻であり母である女性の葬儀に再会し、口論を繰り返しながら絆を再確認する話。妻であり母である女性の葬儀の夜、コンビニに卵を買いに行った父親が交通事故を起こしていた。しかし、父親にはその自覚がない。殺人か故殺かはたまた無罪かで争われる。その最中、折り合いの悪い父親と息子がどう折り合いをつけるのか…。親子の関係を描いた作品であり、言葉では言い表せない家族の気持ちというのは、見ていると身につまされたりするところはある。昔のガールフレンドとの再会、旧交を温める内容もサブストーリーとしてはいいのかも。U-NEXTにて2014年/アメリカ/142分/G監督:デビッド・ドブキン原案:デビッド・ドブキン、ニック・シェンク脚本:ニック・シェンク、ビル・ドゥビューク出演:ロバート・ダウニー・Jr.、ロバート・デュバル、ベラ・ファーミガ、ビンセント・ドノフリオ、ジェレミー・ストロング、ダックス・シェパード、ビリー・ボブ・ソーントン、レイトン・ミースター原題:The Judge(「判事」) お薦め度「ジャッジ 裁かれる判事」★★★☆(70%)
2023.04.09
コメント(0)

Alles Fleisch ist Gras (2014) (imdb.com)難解というより説明不足。展開不良というべきか。サスペンスドラマゆえ緊張は感じる。犯罪者がどのようなものなのかも、興味がある。ただ、複雑になってしまって主人公がAからB、BからCへと移り行くようになって、主軸がぶれるように思えた。クライマックスたるラストもわかるようなわからないような。展開の妙は感じるけれど、はっきりと見たいものが見れず、その後を知りたいものが知らされず、やや消化不良のように感じた。Amazon Prime Video にて2014年/オーストリア/88分/監督:ラインホルト・ビルゲリ原作:クリスチャン・メーア脚本:アグネス・プルフ出演:ヴォルフガング・ベック、トビアス・モレッティ、ペトラ・モルゼ、アンナ・ウィンターバーガー、ハラルド・シュロット、サビーヌ・ワイベル原題:Alles Fleisch ist Gras(「すべての肉は草です」)(「人はみな草のごとし」(ドイツのレクイエムの歌詞)) お薦め度「偽りの関係」★★☆(50%)
2023.04.09
コメント(0)
![]()
エッセイ「人間50年、その後…」③50歳の時にも感じたが、60歳を過ぎても老け込んだ気がしない。爺さんになった気がしないのである。連綿と続く日々のなかで少しずつ歳をとっているのだけれど、精神年齢というか気分は若いままというか、若い時と変わりない。背が縮み、体のあちこちに痛みを感じ、手のしびれも感じる始末なのに、気分は若いまま。十代、二十代というわけにはいかず、それでも四十代くらいのつもりだから二十年もサバを読んでいることになる。とはいえ、これほどピンシャンと元気でいられるのも六十代の10年ほどかと思い、体の動くうちにあれこれやりたいなと思う。人生何事も始めるに遅いことはない、なんていうけれど、寿命がわかっていれば焦ったり、のんびりしたりできるのだろうが、残された人生の長さは誰にもわからない。時に大病したときに余命宣告されるくらいで、そんなこともなければ、事故や災害で明日突然死んだとしても、今この時に知りようはない。で、あと10年、その後も生きているかもしれないけれど、何をしようか。若い時に挑戦してもなれなかった映画俳優の道をシニアとして目指すということもあるだろうけれど、今更エキストラをやりたいわけでもなく、セリフのないキャストならばこちらから願い下げだ。もう12年も演技をしていない。しまった刀はさび付くように、演技力も落ちているだろう。55歳で引退した高峰秀子さんを見習って演技の道はよしといて、文筆に勤しむかな。小説を書いてみたい気はするけれど、書けるかな。また、書いたとして駄文、駄作であったら書く意味もない。とはいっても否定ばかりしているわけにもいかず、とにかく何かを始めよう。どう生きたって長くてあと二、三十年、長くても四十年は生きられまい。早ければ数年のことかもしれない。中華料理人の陳建一さんが67歳で亡くなったことを知り、67歳だとあと数年だなと思いいたる。さて、何をしようか。 昔、若かりし頃、映画俳優になるのが夢であったけれど実現できなかった時にいろいろと考えて3番目か4番目に喫茶店店主という夢があった。映画のポスターを貼り、雑誌を置き、関連書籍を置いているような喫茶店があったような気がした。私もそのような店をやってみたいと思った。古い作品ではあるが映画ポスターは数十枚持っているし、チラシならば何百枚も持っている。それらをそこかしこの壁に貼って、映画音楽を流してゆったりとした時間を楽しむ喫茶店。子供のころテレビの洋画劇場をインスタントコーヒーのネスカフェを飲みながら見たコーヒー大好きな人間なので、喫茶店、コーヒー店は一挙両得の夢であった。コーヒーもインスタントから始まり、憧れの年上の女性がブラックコーヒーを愛飲していると知りブラック派となり、インスタントではなくドリップして飲んでいたが、初めてのヨーロッパ、フランスで本場のコーヒーという真っ黒なデミタスコーヒーを飲んで驚き、朝食に出されるカフェオレのおいしさにはまり、カフェオレ派・ミルクコーヒー派となってしまった。フランスで飲んだ本物のコーヒーに本物のミルクを入れるカフェオレは日本では飲んだことがない。日本のカフェオレは薄味だった。ミルクもコーヒーも濃度が違うのだろう。ただ、そんな時代も遠くに去り、スタバなどのコーヒー・チェーンが展開すると濃い味のカフェオレやカフェラテが飲める現在である。と書いていた時に訃報が届いた。坂本龍一さんが亡くなった。かねてからがん告知を周知しての闘病ながらに精力的にお仕事をされていた。71歳での死去。やはりあと10年ほどが活動できる期限なのだろうか。映画「生きるLIVING」を見た。ノーベル賞作家カズオ・イシグロによる脚本である。見てみてオリジナル映画「生きる」とは視点が違うと思った。そこで、忘却の彼方にある「生きる」を配信で見てみた。大まかな筋に違いはない。冒頭の部分は新作アレンジで終盤は弔問が一部カットされている。脇役の設定も微妙に違っていた。ただ日本をイギリスに移し、全く同じ内容ではリメイクの意味もないだろうからアレンジされているのだろうけれど、そのアレンジが良いか悪いか。「生きる」を見直してみて、やはりオリジナルが良いと思えた。私の記憶に鮮明に残っているシーンが新作にはなく、オリジナルにはあった。「生きる」の弔問・通夜の席のシーンは長い。そしてここに訪れる通夜の客のワンシーンで私は感動し泣いてしまった。初見の時の印象的なシーンが、ここであった。私はふたたび泣いた。このシーン、この弔問が「生きる」の重要なところだと思う。余命半年か一年か、とにかくあとわずかだということしかわからない。そのなかで、何かしら生きた証を残そうと、懸命に生きようとした「生きる」の主人公。坂本龍一さんも最晩年、懸命に生きようと精力的にお仕事をされていたのかもしれない。ご冥福を祈ります。合掌。『生きる』 4K リマスター Blu-ray【Blu-ray】 [ 黒澤明 ]戦場のメリークリスマス [ デヴィッド・ボウイ ]
2023.04.09
コメント(0)

(C)2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and all related programs are the property of Home Box Office, Inc評価が高い作品なので見てみた。ひとりの戦死者、海兵隊員チャンス一等兵を地元に送り届ける物語。ドイツの空軍基地からアメリカへ輸送され、その後、アメリカ国内を空輸。その国内での付添人をケビン・ベーコンが演じる。戦死者一人に敬意と厚情と情けを感じる作品。多くの人が彼を偲び、彼を誇りに思う。戦場への派遣が続くアメリカの軍隊において、多くの戦死者が日々、送られていることに思いめぐらすと、考えさせられる内容であった。”ケビン・ベーコンが、戦死したアメリカ兵の遺体を故郷へ届ける海兵隊員を演じ、ゴールデングローブ賞テレビ映画部門の主演男優賞を受賞したヒューマンドラマ。”(映画.COM)とあるのでテレビ放送のようだ。U-NEXTにて2009年/アメリカ/79分/監督:ロス・ケイツ脚本:マイケル・ストロブル、ロス・ケイツ出演:ケビン・ベーコン、トム・アルドリッジ、ニコラス・リース・アート、ブランチ・ベイカー、ガイ・ボイド原題:Taking Chance(「チャンスを連れて」) お薦め度「TAKING CHANCE 戦場のおくりびと」★★★★(80%)
2023.04.08
コメント(0)

ポスター画像この作品の評価が高いことは知っていた。しかし、見逃してしまっていたので、わざわざ見る気もしなくて…。ダコタ・ファニングが子役として素晴らしい演技を見せる。赤ちゃんでエル・ファニングが出演しているとは知らなかった。ミシェル・ファイファーもローラ・ダーンも出演していることを知らなかったが、演技巧者なスターが出演していることは良かった。知能指数が低い父親がシングル・ファーザーとして普通の知能の娘を育てらるかどうか。その裁判と父の愛と娘の思慕を強く描いている作品である。クライマックスで声を出して泣いてしまった。泣くことによって私の気持ちも洗われたようだ。号泣必死の親子愛のドラマであった。NHK-BS 録画したものにて2001年/アメリカ/133分/監督:ジェシー・ネルソン脚本:クリスティン・ジョンソン、ジェシー・ネルソン出演:ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダイアン・ウィースト、ダコタ・ファニング、リチャード・シフ、ダグ・ハッチソン、ロレッタ・デバイン、ローラ・ダーン、エル・ファニング原題:I am Sam(「私はサムです」) お薦め度「I am Sam アイ・アム・サム」★★★★☆(90%)日本語字幕:嶋田美樹
2023.04.08
コメント(0)

(C)2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.ようやく「フェイブルマンズ」を見に行った。もう公開が終わろうかという時期であるが、1日1回上映ながら続いているのは、人気がある証拠だろう。今回のアカデミー賞にノミネートはされても受賞がなく”エブエブ”があのような風変わりな作品だったので、この「フェイブルマンズ」はもっと良い納得のできる作品ではないかと思っていたけれど、なんてったてオバマ元大統領がお薦めしているんだし、と思ったものだった。しかるに、本日ようやく見たわけだが、う~んというしかない感じであった。これを映画で撮るのか。日常を撮っただけに思える作品を発表するなんて、と思えた。日常を撮って素晴らしい作品もあるのだろうけれど、なにかしらいろいろと感じないわけにはいかなかったけれど、その起伏、変遷は見る者の心を惹きつけるには及ばない気がした。スピルバーグが昔を懐かしんで撮っただけ、そう思える作品であった。この作品に登場する映画「地上最大のショウ」は未見なので、見ていればもっと楽しめたのになぁと思えた。映画作りとしての監督、カメラマンの動きは見ていて、そうなんだと思える、スピルバーグならではの若かりし思い出が投影されていると思え、それは映画監督としての非凡な才能を感じさせた。演技でない演技、素と思える演技が好きなスピルバーグらしく、スターとはいえないような俳優たちのキャスティングである。私が見知っているのはミシェル・ウィリアムズくらいで、夫役のポール・ダノも友人役のセス・ローゲンも良く知らない。主人公のガブリエル・ラベルに至っては初お目見えであった。ジョン・フォード監督役はデビッド・リンチ監督。2022年/アメリカ/151分/PG12監督:スティーブン・スピルバーグ脚本:スティーブン・スピルバーグ、トニー・クシュナー出演:ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、セス・ローゲン、ガブリエル・ラベル、ジャド・ハーシュ、ジュリア・バターズキーリー・カルステン、ジーニー・バーリン、ロビン・バートレット、クロエ・イースト、サム・レヒナー、オークス・フェグリー、イザベル・クスマン、デビッド・リンチ原題:The Fablemans(「フェイブルマン一家」)お薦め度「フェイブルマンズ」★★★☆(70%) 字幕翻訳:戸田奈津子
2023.04.08
コメント(0)
エッセイ「人間50年、その後…」②四半世紀勤めた職場を離れ無職。転職活動するには歳を重ねすぎていた。何社も何社も履歴書を送り、面接に呼んでもらっても反応はなく、失業保険が終わろうとしていた。給料は安い、しかし、そんなところでさえ「お前を雇ってくれる会社なんてない」とあの社長に断言された私は立ち上がる気力も高給を求める意欲も失くしていた。もう、どこにも就職できないのではないかと思い始めていた。その時、一本の電話が鳴った。急だがなるべく早く面接に来いと。働けるならどこでもいいと思えるほどの状況の中、一次、二次と面接を終え、採用された。その給料では家族が暮らしていくには足りないなんて気づかないまま就職した。というよりも「お前を雇ってくれる会社なんてない」という呪詛とも思える言葉の影響で25万円という固定給が救いに思えた。家のローンを考えると、たぶん、かつかつであったであろう。とはいえ、職場を手に入れた私は安心をとりもどし、働いた。 新しい職場で一年を過ぎたある日、義父から「それで暮らしていけるのか?」と問われた。娘のことを心配しての一言だったのだろう。そこで初めて家計が火の車ならぬ焼け跡になりつつあることを知った。働きながらの転職活動が始まる。業種は問わず、現状よりもプラス5万円の給料をもらえるところを探した。高給料のところはあっても書類選考落ち。面接まで行ったところで募集条項は絵に描いた餅、安い給料でいいならというところがあったりした。いいところは見つからず、転職活動をしてから半年が経とうとしていた。都内での仕事はあきらめ他県でも職を探した。その結果、通勤時間がかかり県外になる企業で面接となった。社長面接で「うちの会社良くないよ。それでも来る?」なんて言われた。いろいろと危惧するところはあったけれど、現状プラス5万円の給料に惹かれ、転職した。 転職をしてみると独特な会社の雰囲気。従業員はみな過重労働を強いられていた。ワンマン会社であった。もちろんベテランはうまく対処していたけれど、違和感を感じた私は馴染めなかった。実態はどうだったのか。私はブラック企業だったと思っている。当初は歓迎してくれていた従業員たちは会社になじまない私を異分子とし誰も近づかなくなっていた。早くも転職を考えていたけれど、半年は勤めないと失業手当がもらえない。我慢の日々だった。なんとか半年を迎えるころ、会社の方が先に見切りをつけた。話し合いの末、退職届を出した。次の日から退職までの一か月、それまでの業務をはずされ、一日中ひたすら入力業務をする小部屋に移動になった。来る日も来る日も朝から晩まで入力、入力、入力…。退職した私はまた無職となってしまった。転職を繰り返すうちに50歳を過ぎ、ミドルの仕事を求めるには難しくなっていた。 ハローワークに通い、転職サイトに登録し、ネットで検索する日々。履歴書も職務経歴書も書き直し転職サイトで添削してもらう。応募数は前々回をはるかにこえて、前回もこえて数百社。たまにある面接も十社を越えていた。最初に応募したインド人経営の会社の感触が良く、そこに就職できるのではと思ったけれど、使わなくなっていた英語への苦手意識が仇となった。社長面接用の英語でのレジュメをダイジェストにしてしまった。英語でのインタビューも心臓バクバクで思うようにしゃべれなかった。それでも結果発表を心待ちにした。返答は当初予定の一週間から二週間に延ばされ、転職アドバイザーにせっついて得た回答が不採用だった。思うに、私の評価はイマイチで、後に来た有望な人が内定を承諾することを待っていたのだと感じた。落ち込んでもいられないので毎日毎日ネット検索の日々で新規募集を見込んでハローワークに通う日々。いつまでたっても家にいる父親をこどもは「いつまでいるのか、早く仕事に行ってくれ」と思っていたようだ。 働けるところがあるなら、私も早く働きたい。ハローワークに紹介され、年齢不問で募集している会社に電話しても、募集要項はそのように出していますが三十代から四十代が良いと言われる始末。それならせめて応募者に明示しない形で希望年齢層を出しておいてくれと思った。実際、年齢不問でもターゲット層を告げている会社は多い。 そんなこんなで悪戦苦闘の日々、失業保険が切れる直前に現在の会社に内定をもらえた。
2023.04.06
コメント(0)

「高峰秀子ベスト・エッセイ」(高峰秀子・著、斎藤明美・編/ちくま文庫)を読んでいる。この本を読んで驚いたのは高峰秀子さんが55歳で女優を引退したということだ。55歳と言えば当時の定年の年齢であるから不思議ではないけれど、老いて盛んというか70歳代で活躍する近頃の俳優諸氏を見るに生涯現役が当たり前のような気がしていたので、大いに驚いた次第である。これまた驚いた理由には私自身がその歳をすでに通り過ぎてしまったせいもある。財もなく悠々自適に暮らすわけにもいかない私は還暦を過ぎても働かざるを得ない。大女優として40年以上働いてきた高峰秀子さんだからできた引退とも思えた。そして、また小さな驚きであるが彼女の引退作品「衝動殺人 息子よ」を映画館で見ている。さて、『人間50年、その後…』と銘打って書き始めたけれど、49歳でその生涯を終えた織田信長を意識していて、48歳で職をなくして路頭に迷い役者の道もあきらめた我が人生の一つの終焉を重ねたものである。 私は二度目の死を考えていた。一度目は中学三年14歳の時である。高校受験を控えた夏が始まるころ、ふと、死を思った。その時より前に読んだのか、後に読んだのか定かでないけれど「二十歳の原点」という自殺した女子大学生の日記を書籍化したものに感化されていた。衝動は突然、うっすらと考えていた自殺というものが顕在化して発作的に死を実行しようと考えたのだが、その実行を思うと恐ろしくなり、何気ない母の声掛けで我に返ったように翻意した。その時の委細については、もう記憶になく、なにゆえに実行しようとしたのか、また何があって実行をやめたのか判然としない。ただ、その時も、その後も、一度死を考えた私は生涯二度と死を考えることなどないと考えていた。ところが、である。 地方から映画俳優を目指して上京し、渋谷の混雑に人酔いして山手線に乗る気がしなかった。なぜか、ふと思いつき南口バスターミナルからバスに乗ればとバス乗り場を探した。バスターミナルの乗り場は停留所がそこかしこに広がり、ほぼ中央に位置するところに新宿行きの乗り場があった。雨上がりでわずかな水たまりが点在していた。私は、数人のバス待ち客の最後尾に並んだ。バスが到着すると水たまりをぴょこんぴょこんと飛び越えて駆けてくる若い女性がいた。夕暮れの太陽が彼女を照らし輝いて見えた。思わず身を引いて彼女を先に通した。彼女のまなざしは私をとらえ前後の椅子に腰かけた時には彼女の手を握りしめていた。遠い昔の余談はこれくらいにして…、それから四半世紀、あちこちいくつものバイトを転々としてなんとか暮らしていける時給を稼げる会社にバイトで入った。俳優として売れることも、生活することもできずにいたが、バイトでの仕事ぶりが認められ売れたら辞めたらいいと促され正社員となって日夜働いた。オーナー中小企業だったので、ワンマンがたたり、倒産の危機を何度も繰り返し、とうとう耐え切れなくなり店じまい。私は、辞める時には最後のひとりと考えていた。その会社の社長に、宴会の席で残党社員10人ほどの前で社長は「俺はお前を認めていない。何十年も一緒に仕事してきたけれど、ぜんぜん仕事できていない。いつまでいるんだ、さっさとやめろ!お前なんてな…」と私に暴言を吐いた。私に味方する人は誰一人いない。社長の暴言よりも、誰もかばってくれなかったことに悲しみ傷ついたのかもしれなかった。私は立ち直れず、家族があるにもかかわらず、初めての時のように、この世から消えてしまいたくなった。死。死を意識した。再び自死を考えたことに震えおののき私は壊れた。 映画だけが頼りなのか、さりとて実写を見る気にはならず、ジブリならと公開中の「コクリコ坂から」を見た。その映画を見た私はさめざめと泣いていた。映画が終わると苦しみは拭い去ったのか、心痛い苦い思いはあれど、死へと進む気がなくなっていた。映画が、アニメが私を救ってくれた。宮崎駿監督が救ってくれたと思っていたが、宮崎駿監督は脚本のみで監督は宮崎吾郎さんだった。ありがとう、感謝いたします。木下惠介生誕100年::衝動殺人 息子よ [ 若山富三郎 ]二十歳の原点(新潮文庫)【電子書籍】[ 高野悦子 ]コクリコ坂から [ 長澤まさみ ]
2023.04.05
コメント(0)

イキル – マイケル・J・シネマ (michaeljcinema.com)今から70年前の作品だ。昭和27年(1952年)公開だから、構想から2年くらいかかったとして戦後5年、復興も一息ついてまだまだという頃なのかもしれない。♩いーのちみじかしー、こいせよおとめー♩と歌う曲は大正時代の歌とのこと。定年間近の主人公だとすれば50代半ば、現代だとまだまだ若い気がするけれど、昭和20年代半ばであれば隠居すべき年齢なのかもしれない。とすれば主人公の生まれは明治。大正期に青年期を過ごし、懐かしく輝かしい生活を送っていた時期なのだろう。さて、本日、映画館でカズオ・イシグロ脚本の「生きるLIVING」を見た。この「生きる」と視点がちがうと前のブログに書いたけれど、視点は同じでも捉え方が違ったのかもしれない。原作となる映画「生きる」を見るとカズオ・イシグロは原作をなぞりながらもアレンジを加え、表現を変えていた。私が視点が違うと思ったのは、私が最も感動したシーンを割愛していたからだということがわかった。そのシーンをなぜ割愛したのか。それは私にはわからないけれど、その割愛されたシーンはとてもとても印象深く、この「生きる」という作品で強烈に鮮明に記憶に残っていたものである。今回、そのシーンを見た時に、またもや私は大泣きし、魂を揺さぶられた。”生きる”というのは、どういうことなのだろう。この映画「生きる」の主人公以上に生きてしまっている私は考えざるをえない。U-NEXT にて1952年/日本/143分/監督:黒澤明脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄出演:志村喬、日守新一、田中春男、千秋実、小田切みき、左卜全、山田巳之助、藤原釜足、小堀誠、金子信雄、中村伸郎、渡辺篤、木村功、伊藤雄之助、浦辺粂子お薦め度「生きる」★★★★☆(90%)
2023.04.02
コメント(0)

(C)Number 9 Films Living Limited古い時代の設定だからとこの旧サイズの映写でいいのか?画像も粗く感じる。過去から現在にうつるのかと思ったが、そうではなくその当時、過去のまま”生きる”を見せてくれるようだ。この映画は叙事的に描いており、登場人物の心情や感情をあまり表出しない。加えて感動的になると思えるシーンもことさら描かれることなく、主人公が死を前にして苦悩する姿を見せることはない。苦悩したと淡々と告げるだけである。それゆえか、見ている者(観客)が感情に流されることもなく、というより感情を感じ取れることもなく事実だけを見つめているという状態だと思えた。主人公が死を宣告された。自己自身を喪失し欠勤を続ける。なにかを思って公園建設に尽力する。といった事柄が進んでいくけれど、ただ単にそれだけで、そこに意志や感情が入ることはほぼ見られない。そして、突然の…。見ていて感じたことは視点が違うということである。もし、視点が同じであればもっと扇動され紅涙のひとつでも流したであろうけれど、まったくそのようなことはなく感情が揺さぶられることはほぼなかった。事実や結果だけを淡々と見せるこの形では日本人は感動しないのではないだろうか。そう思えた。「生きる」(1952)のリメイクは嬉しいことだが、これでは違った作品になってしまったと思える。2022年/イギリス/103分/G監督:オリバー・ハーマナス原作:黒澤明 橋本忍 小国英雄脚本:カズオ・イシグロ出演:ビル・ナイ、エイミー・ルー・ウッド、アレックス・シャープ、トム・バーク原題:Living(「生きている」)お薦め度「生きるLIVING」★★★(60%) 字幕翻訳:牧野琴子
2023.04.02
コメント(0)

NHK BSシネマで放送される映画の中からおすすめ作品を紹介します。4月おすすめ作品は「イミテーション・ゲーム」「アンネの日記」「イングリッシュ・ペイシェント」「心の旅」「バラ色の選択」「ベニスに死す」「小さな恋のメロディ」「ペリカン文書」「11人のカウボーイ」「ナイト&デイ」「湯を沸かすほどの熱い愛」「オールウェイズ」「ジュマンジ」の作品の中から選んだ5作品はこれら。(チラシ画像の下のリンクは画像の出展元を掲載)https://aucfree.com/items/u374205635「イングリッシュ・ペイシェント」2023年4月5日(水)午後1時00分~3時43分THE ENGLISH PATIENT 1996年 アメリカ号泣した傑作。この作品でレイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノッシュ、クリスティン・スコット・トーマスは一躍有名になった。壁画作業の宙づり板をブランコのように使った映像が忘れられない。映画.COM ALL TIME BEST「イングリッシュ・ペイシェント」お薦め度★★★★☆(90%)https://www.pinterest.jp/pin/46724914873042712/「心の旅」2023年4月10日(月)午後1時00分~2時48分REGARDING HENRY 1991年 アメリカ彗星のように現れたアネット・ベニングが大スター、ハリソン・フォードと共演。お薦め度★★★★(80%)(C)Copyright 1971 Sagittarius Entertainment, Inc. All Rights Reserved.「小さな恋のメロディ」2023年4月19日(水)午後1時00分~2時48分MELODY 1971年 イギリス昨年の二人しての来日があった著名作品。思春期の少年少女を描いた秀作。ビージーズの「メロディ・フェア」が耳に残る映画.COM ALL TIME BEST「小さな恋のメロディ」お薦め度★★★★(80%)ポスター画像「ペリカン文書」2023年4月20日(木)午後1時00分~3時22分THE PELICAN BRIEF 1993年 アメリカジョン・グリシャム原作のサスペンス。デンゼル・ワシントン、ジュリア・ロバーツ共演。巨大な陰謀に巻き込まれていく二人。お薦め度★★★★(80%)(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会「湯を沸かすほどの熱い愛」2023年4月25日(火)午後1時00分~3時07分2016年 日本宮沢りえと杉咲花の親子愛。死を前にして家族の絆を結びなおし、やるべきことをやろうとする母。映画.COM ALL TIME BEST「湯を沸かすほどの熱い愛」ブログ「湯を沸かすほどの熱い愛」お薦め度★★★☆(70%)
2023.04.01
コメント(0)

Amazon | アントニー・ジマー [DVD] | 映画なんという落ち…。ソフィー・マルソーの未見作品だからと見てみたが、退屈で緩慢で、おすすめできない作品であった。このブログを書くにあたり映画.COMを見てみれば”2010年にジョニー・デップ&アンジェリーナ・ジョリー共演により「ツーリスト」としてリメイクされた。”とあった。なんだ、そうだと知っていれば見なかったのにと思った。一部で評価されている「ツーリスト」であるが、私としてはあまり評価できない作品であった。この「アントニー・ジマー」よりは見られる作品になっているけれど、大したことはない。うーん、推理の妙はあるけれど、スリリングさに欠けて、興味が持続できない。U-NEXT にて2005年/フランス/90分/監督:ジェローム・サル脚本:ジェローム・サル出演:ソフィー・マルソー、イバン・アタル、サミー・フレイ、ジル・ルルーシュ原題:Anthony Zimmer(「アントニー・ジマー」)お薦め度「アントニー・ジマー」★★★(60%)
2023.04.01
コメント(0)
全38件 (38件中 1-38件目)
1
![]()
![]()
