こふじろ日記

怪談・越後さん

それはある年の暮れの事だった。
皆さんは、「越後侍」或いは「越後製菓のCM｣を御存知だろうか。
BGMは♪にっこにっこにっこり越後さん人を斬らずに餅をつく～という嫌味なまでにほのぼのした歌である。
それをある時、主が噛んだ。
♪にっこにっこにっこり越後さん餅を斬らずに人をつく～
固まった私に主は平然というのである。
「え？知らないの？今学校の怪談で流行っているんだよ。え～、知らないんだ～」
そして私。
「えっ！？知らない知らない！！｣
主一瞬の硬直の後大爆笑。
「ま、まさか信じるとは！！そもそも正月に学校やってないよ！｣

☆妖怪・越後さんの全貌☆
越後さんは餅をつくのが大好きな侍の妖怪で、いつも赤い着物を着ている。
その年、学校で餅つき大会がないと、正月の間餅を求めて校内を放浪い、出会った人を手当たり次第杵でついてしまうのである。
越後さんに基本的に悪意はないので、笑顔で駆け寄って来るが、人を見ると餅をつける喜びに勢い余ってその人をついてしまう。無論、越後さんの着物の赤はつかれた人の血で染まっているからである。そして越後さんの存在に気づいた時には超高速で走って来られているので逃げても間に合わない。
特に校長・教頭は狙われる。
餅つき大会のない学校、或いは今年中止になった学校の子供は、正月の間何があっても学校には入らないように注意しよう。

注：基本的に正月登校する人はいない。
　ただし、日直の先生は危険に備えるべし。

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