くログ

詠みもの



忙しさにかまけているとこういう心のゆとりを失っていくんだなぁと

思ったり

それを少し綴っていこうかとおもう



-胡蝶の夢-

ある日、男が夢を見た

蝶になる夢だ

ひらひらと飛んで飛んで

あまりに自由で楽しくて

男は自分が蝶だと思った

けれど、男は目が覚めて

男は蝶ではなく

やはり人間で


男は思った


「私は蝶になる夢を見ていたんだろうか

 それともこれも夢で

 私はあの蝶が見ている夢なんだろうか」




-キリマンジャロ-

狩りの途中で足に怪我をした男がいる…


治療のあてもないサバンナの真ん中で、

足は腐り死神が忍び寄る


やっと迎えに来た飛行機に男は乗り、

眼下に広がる純白の世界を見る

光り輝くそこは雪を被った山の頂だ…

山の名前はキリマンジャロ


男は思う、

自分が向かっているのはそこなんだと……



-百万回死んだ猫-

あるトラ猫がいた


その猫は、

好きでもない色んな飼い主達に飼われながら、

百万回死に、

生き返って百万回生きた

猫は死ぬのが怖くなかった


ある時猫は、

自由な野良猫だった

そいつは白いメス猫に会い、

二匹は一緒に幸せに暮らした


やがて月日が経ち、

白い猫は歳をとって死んじまった

トラ猫は百万回泣いて、

そして死んだ

トラ猫はもう二度と生き返らなかった



-悪魔を憐れむ歌-

天国を追い出された天使は、

悪魔になるしかないんだ


まだ、

天国にいるつもりのお前は、

狂った堕天使だよ。

そうだろ?


-戦術と戦略-


戦術(せんじゅつ、英:Tactics)
作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術である。

戦略(せんりゃく、英:Strategy)
一般的には長期的視野、複合思考で特定の目標を達成するために力や資源を総合的に運用する技術・科学である。



-愛と憎しみ-


もしこの星よりも大きな天秤があって、その皿の一つにすべての愛を、
もう一つにすべての憎しみをのせたとしたら、針はどちらに傾くだろう。

答えは誰にも導けない。

なぜならそれは、たったひとつのせ忘れた、あなたの想いが決めるのだから。




-雪-

雪がどうして白いか知っているか?自分がどんな色だったか 忘れてしまったからさ

Why snow is white? Because he forgot his color.

私は雪がどうして白いのか知らない。しかし、白い雪は綺麗だと思うよ。私は嫌いではない。


-めのおおきなひと、くちのおおきなひと-

とりひきだ。とりひきをしよう。
あくまがいいました。

いやだ、ぜったいいやだ。
めのおおきなひとがいいました。
いいよ、とりひきしよう。
くちのおおきなひとがいいました。


くちのおおきなひとのにわは、
みるみるきれいなはなぞのになりました。
めのおおきなひとは、まずしくてまずしくて
おなかがずいてしかたがありません。

くちのおおきなひとは、
まいにちたのしくてしかたありません。
はなぞのにみのったくだもので、おなかいっぱい。
だからくちのおおきなひとは、きづきませんでした。
はなぞのがみるみるかれていることを。
きがついたときは、もうおそかったのです。

にどとはなのさくことのないにわで、
くちのおおきなひとは、おおきなくちをあけて
おいおいとなきながらつぶやきました。
あくまととりひきなんかしなければよかった。

めのおおきなひとは、
おなかがすいてすいてしにそうです。
おおきなめからぽろぽろなみだを
こぼしながらつぶやきました。
あくまととりひきすればよかった。

とりひきだ、とりひきをしよう。

あくまがいいました。



-へいわのかみさま-

へいわのかみさまは、おおいそがし。
かがみをみるひまもなく、まいにちらっぱをふきます。
へいわのかみさまのらっぱは、みんなをしあわせにします。

へいわのかみさまはおおいそがし。
かがみをみるひまもなく、ふしぎなみずをまきます。
ふしぎなみずはみどりのやまをつくり、
はたけをみのらせ、おはなばたけをつくります。


へいわのかみさまはおおいそがし。
かがみをみるひまもなく、みんなになまえをつけます。
きみのなまえはオットー。
きみのなまえはハンス。
きみのなまえはトマス。
きみのなまえはヨハン。

ヨハンはおれいに、じぶんのぼうしをかみさまにあげました。
かみさまはおおよろこび。
そのぼうしをかぶったじぶんをみたくて、
はじめてかがみのまえにたちました。
でもかがみにうつったのは、あくまだったのです。

かがみのなかのあくまがいいました。
きみはぼく、ぼくはきみ。

どうしよう。
このあくまがいたら、みんながへいわにくらせない。
どうしよう どうしよう。

こまったかみさまは……

『……どうしたか、わかる?』



-なまえのないかいぶつ-

むかしむかしあるところに、なまえのないかいぶつがいました。
かいぶつは、なまえがほしくてほしくてしかたありませんでした。
そこでかいぶつはたびにでて、なまえをさがすことにしました。
でもせかいはひろいので、かいぶつはふたつにわかれてたびにでました。

いっぴきはひがしへ、もういっぴきはにしへ。


ひがしへいったかいぶつは、むらをみつけました。
「かじやのおじさん、ぼくにあなたのなまえをください」
「なまえなんて、あげあれるものか」
「なまえをくれたら、おれいにおじさんのなかにはいって、ちからをつよくしてあげるよ」
「ほんとうか、ちからがつよくなるなら、なまえをあげよう」
かいぶつはかじやのなかにはいっていきました。

かいぶつはかじやのオットーになりました。
オットーはむらいちばんのちからもち。でも、あるひ、
「ぼくをみてぼくをみて、ぼくのなかのかいぶつがこんなにおおきくなったよ」
バリバリグシャグシャバキバキゴクン。
おなかのすいたかいぶつは、オットーをなかからたべてしまいました。

かいぶつは、また、なまえのないかいぶつにぎゃくもどり。
くつやのハンスのなかにはいっても、
バリバリグシャグシャバキバキゴクン。
また、なまえのないかいぶつにぎゃくもどり。
かりうどのトマスのなかにはいっても、
バリバリグシャグシャバキバキゴクン。
やっぱり、なまえのないかいぶつにぎゃくもどり。

かいぶつは、おしろのなかにすてきななまえをさがしにいきました。
「きみのなまえをぼくにくれたら、つよくしてあげるよ」
「びょうきがなおってつよくなるなら、なまえをあげる」
かいぶつはおとこのこのなかにはいりました。
おとこのこは、とてもげんきになりました。
おおさまはおおよろこび。
「おうじがげんきになった。おうじがげんきになった」

かいぶつは、男のこのなまえがきにいりました。
おしろのくらしもきにいりました。
だから、おなかがすいてもがまんしてました。
まいにちまいにち、おなかがぺこぺこでもがまんしました。
でもあまりにおなかがすいてしまったので、
「ぼくをみてぼくをみて、ぼくのなかのかいぶつがこんなにおおきくなったよ」
おとこのこは、おおさまもけらいもみんなたべてしまいました。
バリバリグシャグシャバキバキゴクン。

あるひおとこのこは、にしへいったかいぶつにであいました。
「なまえがついたよ。すてきななまえなんだ」
にしへいったかいぶつはいいました。
「なまえなんていらないわ。なまえなんてなくてもしあわせよ」
「わたしたちはなまえのないかいぶつですもの」
おとこのこは、にしへいったたいぶつをたべてしまいました。

せっかくなまえがついたのに、だれもなまえをよんでくれるひとはいなくなりました。
ヨハン、すてきななまえなのに

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