KUMATAN's Diary

ハイテクミシン仕立

　私の知り合いが「スーツをジャージの様に着る」と話していたのだが私もお茶会等では和服を「ジャージ」扱いで動き回る。

客側で二席程度なら殆ど汚れの心配も無いのだが一日中となると事情は変化する　　
昨年汚れた和服を丸洗い洗い張り等を思い切って一掃したところ大変な出費となってしまった。
　これに加え昨年「追善茶会」という催物があり和服をスーツケースに入れ現地で着替えて参加した。
これらの経験から「手入れが楽で何処にでも来て行ける和服はナイかしら」と思案していたらシルックの色無地が目に入った親戚等から私の手元に来た色無地はあるので持っていない江戸小紋にしよぅと　今回一大決心(大袈裟?)をして購入した。

紫色は格も高いし確認しなくっても問題はナイだろうと直接仕立てる事にした。　一般的に化繊はミシン仕立てなのでハイテクミシンというのを頼んでみた。
　納期が想像していたより早かったので驚いた。
　商品が届いて更に.....説明には「濃い紫」と書かれていたのでイメージと違っていた。しかしながら私自身が反省すべき点がたくさんある。
以下に「ハイテクミシン」仕立てを依頼される方の参考にして頂きたいと希望の意味を込めて私の反省点を述べたい
商品の説明に加え「お気軽にお問い合わせください」のコメントがあるのに私は全く無視してしまった点
値段は書かれていなかったのだが「お気に入り」に加えた途端に表示されたので価格が判明し安心してしてしまった自分に反省。
　次に色だが「鮫小紋」なので小さな白い点が青海波模様を描き出しているので全体が地色より白く見えるのは当然の事...画像で色は違っていないし私が「八掛の色を表の色に近づけて欲しい」の希望に示唆してくださった色を考えると表の色は容易に分かりそぅなのだが......

　「ハイテクミシン仕立は見た目は手縫いと殆ど変わりません」のコメントなのだが
これも事実。
しかし一般的な和裁の要領での「縦縫いをミシン縫い」のとは全然違う事を今回私は学んだ。　　　　イージーオーダーと比べれば裾芯が入っているか否かの違いで縫い方は画一化されている。　　

私達が肌襦袢浴衣ウール等 (私は正絹も縫ってしまうが) 縫う際「針はニット等の薄モノ用糸調節は緩み加減で縫い目は大きく生地を上下に引っ張って縫う」のだがハイテクミシン仕立ては洋服を縫う様に扱われている。
内揚げの位置も一般より下にあり押さえ躾もされていない
　　脇の標付も原則通りしかし私は腕が長いので後ろ幅と肩幅の差が大きいので変則的に変えないと縫い代を切らない和裁では当然脇が攣り袋が入って変なシワが出来るのは当然。衿下の八掛け側の控えもかなり大きめ出ふきも少し小さい紋入れも頼んだのだがどうも仕上がりがイメージと違う.....被せのかけ方も私には足りナイ気がして「ぶくぶく」している様な.....

これらを考えると逐一希望をした方が良いと思われる「袖のふきは2ミリ裾は3ミリミシンの縫い方は糸緩み加減で縫い目も大きく脇の標付は肩幅との差が大きいので裾から 1メートルの辺りの後ろ幅と肩幅を繋いだ所に鏝で標付けをして衿下の八掛けの(表地から見て)控えは2ミリ衿先を褄形にして欲しい」等々もし受け入れて貰えない場合は「手縫い希望で縦縫いだけミシン」や他の手段を選んだ方が賢明と私には感じられる。

「単衣も一枚」と考えたのだが.....止めた

　残布を周りに見せたら大変に好評だったので色柄等を総合的に判断すると満足である。残布も
返却してくれるし布目もしっかり通しているので裁断は問題無いと思われる。　　

私の推察の域ではあるが出来具合に対して申し出た場合この店舗は非常に丁寧なのできちんとした対応をして貰えると考えられるが直角に針を生地に落としている(ミシンの針の縫い方手縫いは生地に対して斜めになる)のを一度解いて.... という事を思うと私自身が躊躇いを覚えてしまう。

　ポリエステルに対する賛否両論も大変に大きいが [綺麗な状態で着られる]のは本当に気持ちが良い

　ポリエステルは重くて裾捌きが....との意見を聞いた事があるが私が以前から持っている生地は軽くてというより軽すぎてペラペラしたり風合いの良いモノもある。

織り方や繊維会社によっても随分と違うと思われる。

昨年私はシミ抜き洗い張り仕立丸洗い等で大変な出費を経験した。ガード加工を施したアフターに迄「範囲外です」と言われ加算料金を........

和服と付き合い始め 10年以上経過し全てを一掃整理した今私が感じる事は今回求めた品は一枚持っているとホント重宝すると思える。　

　正絹をどの様な場面でも着られ汚れたら惜しみなく手入れ等に糸目を付けずにお金を出せる日が来たらいいなぁと願っている今日この頃である

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