第十三章


  耕龍の怪我は、1週間ほど、治らなかった。
  「耕龍君、大丈夫ですか?」「蒼馬さん!!」
  仕事を終えた蒼馬が、耕龍の様子を見に来ていた。
  「仕事・・・。したんですか?」「えぇ・・・・。まぁ・・・。」
  蒼馬の服に血が付いていたので、耕龍は“仕事をした”と思っていた。
  「・・・誰か・・・殺したんですか?」
  仕事だから殺すことは知っていたのに、耕龍はわざとらしく蒼馬に聞いた。
  「30人ほど・・・・。たいした数じゃないですよね?あはは~」
  人の死を蒼馬は笑って語った。
  「人を殺したのに、何が嬉しいんですか!!!」
  耕龍は蒼馬の服を掴んで、思いきり上に上げた。
  「なら、何故貴方は五人組に入ったんですか?」
  「それは・・・・。」耕龍は静かに手を下ろした
  「五人組は人を殺す、暗殺部隊だってこと、知らなかったわけじゃないですよね?」
  蒼馬は耕龍の手を振り払い、服を整えた。
  「・・・あ・・・スイマセン、何かまた・・・睨んでしまったみたいで・・・」
  睨んでいるというよりも、人を殺すような眼をしていたので耕龍は何も言えなかった。
  「構いませんよ・・・ところで、蒼馬さんって身内の人を殺したコトってありますか?」
  「・・・ありますよ。」「えっ」
  蒼馬は立ちあがり、障子を開けて庭を覗いた。
  池があり、辺りには草花が生えていた。
  池の中には、鯉がニ、三匹泳いでいた。
  「殺したのは父と母・・・・兄さんは殺されたけど、結果的に言って俺が殺したようなものです」
  「でも兄さんって・・・永時が・・・・」
  「けれど、それを守ってやれなかったから殺したのと同じコトでしょ?」
  蒼馬の兄は永時に殺されていた。
  それは耕龍だって知っていること・・・・。
  「誰かを守ってやることに理由なんて要るんでしょうかね?」
  「蒼馬・・・さん・・・・俺・・・・。」「まっこのような話をしても退屈でしょ。今はゆっくり
  体を休めて、次に頑張れるようにしてくださいね」
  そういうと蒼馬は部屋を出て行った。この時蒼馬は泣きたかったけど涙が出なかった・・・。


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