ξクラピカξの詩・小説

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一幕// One man



一幕// One man(一人の男)





遠くから馬車がやって来る。

その中に居る幾人の人々が、一人の男だけを見ていた。

男が微笑して言った。

「さーて、今から行くところは天国か地獄か・・・・・?」

周りに居る男たちは一瞬静まり返ったが、すぐに大声で笑い出した。

そして筋肉質の男が言った。

「オイオイ、お前何でこんな馬車乗ってんだよ?」

男は振り向き筋肉質の男をジロジロと見た。

歳は二十歳後半に見え、身だしなみもなっていない。

口元にはヒゲが覆っており、服はボロボロだった。

一通り見終わってから、男は聞き返した。

「じゃあ、あんたは何でこの馬車に乗ってんだよ?」

筋肉質の男はキョトンとした表情をした。

そして、再び周りの男たちは大声で笑い出した。

「そんなもん決まってんだろ?

 罪を犯した者だからこそ、この馬車に乗ってんだろうがよー!」

男はそれを聞いて、鼻で笑った。

「まぁ、俺も同じようなもんだけど、あんたとは目指してるものが違うからね・・・・・。

 ついでに、俺の名前はロキっていうんだ。

 宜しくな、オッサン」

ロキと名乗った男は筋肉質の男に言った。

「マテマテ、見るからに十代後半のお前に何でオッサン何て言われないといけないんだ。」

ロキは微動だにせず答えた。

「じゃあ、あんたの名前はなんていうんだよ?」

「それでいいんだよ、ボウズ。

 さてと、気を取り直して・・・・・俺の名前はジャンってんだ」

ロキは握手を求め手を差し伸べたが、ジャンは握手を拒んだ。

「気楽だねぇー・・・・・。

 今から牢獄に入るってのに・・・・・」

遠くにはサーチライトの光が何十個も照らされていた。

そして、ジャンは言った。

「さぁ、見えてきたぜ・・・・・。

 あれが有名な牢獄『HELL JAIL (ヘルジャイル)』さ」


二幕// HELLJAIL(ヘルジャイル) へ


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