ぶらっくぱんさぁ

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裏アンセムレポート9


いったところか。ソラたちは13機関の
陰謀を退け、ナミネを救出した。

ナミネは他者の記憶を操る
魔女であった。その能力は、
彼女が特殊な過程で生まれた
ことで得られたものであろう。

ナミネは、ある「少女」の心が
肉体を離れた際に生まれたノーバディである。
だが彼女に対となるハートレスが存在しない。

それは「少女」がプリンセスだったからだ。
かつて私が治めていた世界「輝ける庭」の
住人であった「カイリ」は、光の世界を支える
7人のプリンセスのひとりであった。
心に闇を持たないカイリからは、
ハートレスは発生せず、消え去るはずの肉体も、
光の世界にとどまった。

つまりナミネというノーバディは、
心を失った証であるハートレスも、
ノーバディに新生する媒介となる肉体も
欠落した、極めて不安定な存在であり、
それゆえカイリとしての記憶もとどめていない。
肉体を離れたカイリの心が、
闇に回帰せずに別の器・・・・・・
ソラの心の奥へ隠れたことも
要因のひとつであろう。

すなわちナミネとは、
ソラの心に直接干渉した
カイリの分身であり、だからこそソラや、
ソラとつながる心を持つ者たちの
記憶を操られたのではなかろうか。

彼女は真の意味で「存在しないもの」
であり、ノーバディにすらなれずに行き場
をなくした、もっともはかない影である。


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