黒豆

黒豆

ちょこれぇと 事件*四*


 カチャっ――ー・・

 「しつれーしまーす。」

 執務室へ足を踏み入れるエド

 後から中尉がチョコレートケーキを持ってくるのを楽しみにしながら

 ロイにバレンタインのことをふれられないことを願っていた。

 扉を開ければ、いつものように偉そうに座っているロイがいる――

 ――・・はずだった。

 ところが、現在部屋には誰一人いる気配が無い。

 そこへケーキと紅茶を持って中尉が入ってきた。

 「あ―――・・なんか・・誰もいないみたいなんだけど・・。」

 「・・気にしないで。エドワード君そこに座って食べててちょうだい。」

 応接用の黒革のソファをさし、サイドテーブルにケーキと紅茶を並べた。

 「あ―・・うん。あれっ・・中尉どこ行くの?」

 部屋から出ようとする中尉に声をかける。

 「少しばかり・・あの無能をさがしに♪」

 語尾に♪が付くくらい機嫌がよろしくない中尉。

 「えっ――・・と、その・・その内帰ってく「無能は酷いではないか中尉」

 さすがにとめた方がいいかとかんじたエドワードの言葉を遮ってロイが中尉

 に声をかけた。

 「ただいま♪」

 「おかえりなさいませ。今までどちらに?」

 「少しばかり悪い虫を潰しにvv」

 再び不敵な笑顔をこぼす2人をケーキをほおばりながらエドワードは眺めて

 いた。

 「エドワード君がいらしてます」

 そういうと中尉は部屋から出て行った。
 「久しぶり。鋼の・・来るなら前もって連絡しろとあれ程いっているだろ」

 「ん――・・」

 部屋には2人だけ。

 エドワードの頭の中はケーキよりも、ロイがバレンタインのことにふれない

 ようにと願うばかり。



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