鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
224229
ホーム
|
日記
|
プロフィール
【フォローする】
【ログイン】
くろの旅
いのりの森(long version)
いのりの森
太古の昔に生まれた、森がありました。
悠久の時の流れと共に、森は少しずつ深さを増し、
多くの生きものたちの、命のよりどころとなっていきました。
うっそうとした森の、そのまた奥、
数々の巨木が立ち並ぶ、森のふところ深くに、
小さな広場のように、少しだけ開けた場所がありました。
そのまん中には、ひときわ大きな、一本のナラの木がたっていました。
ここでのできごとを全て見守ってきた、森で一番の年寄り、
いわば、この森のぬしです。
太い幹には、数世紀にわたる記憶が宿され、
木肌に走る、無数のしわの一本一本には、
森の生きものたちの喜びと悲しみが、
深く刻み込まれています。
これは、そんなナラの記憶のひとかけら、
とある冬のお話しです。
さむさが日に日に増してきました。
森の木々の葉っぱは、赤く、そして黄色く色づき、
やがてその色合いを少しずつ変えながら、
ひらひらと落ちていくものも、多くなりました。
大きなナラの幹にあいた小さな洞から、
リスが顔を出しました。
「ふぅ。今年もなんとか一年、暮らしてこられたなぁ。
タカには何度も襲われたし、イタチにも散々追いかけられたし、
たくさん危ない目にはあったけど、
いやぁ、本当に、良かった、良かった。」
リスは、木の根元に降りてくると、
落ち葉をかき分け、穴を掘り出しました。
「体もちっぽけで、弱っちくって、何の取りえもないオイラだけど、
でもそんなオイラにだって、たった一つだけ、できることがあるのさ。」
そして、ほお袋に大切にしまっておいたドングリの実を、
穴にそっと入れ、言いました。
「それは、祈る事。」
リスは、ドングリに、優しく落ち葉をかぶせながら、語りかけます。
「このドングリが、やがて芽を出し、元気に育ち、
いつか森の皆に恵みを与えてくれますように。」
そして、再び木をのぼり、洞の中へと、消えていきました。
雪解けの土の下から、鮮やかな緑色の芽が顔を出し、
大きなナラの木に、育ってくれる事を、夢に見ながら。
空から白いものが、ひらひらと舞い降り始めました。
今年初めての、雪です。
突然、木立が大きく揺れ、枝に薄くつもった雪が、パサッと落ちました。
驚いた鳥たちが、一斉に飛び去っていきました。
「おやおや、びっくりさせてしまってごめんなさい。」
姿を現したのは、若いメスのクマでした。
クマは、ナラを見上げて言いました。
「河を上るサケ、鹿やウサギ、小さな生きものたちからドングリまで。
大きな体を持ってしまった私は、
生きていくために、どれだけ多くの命を奪ってきたことでしょう。
でも、それも仕方のない事。
そのおかげで、あなたがこの世に生まれる事ができるんですもの。」
クマのおなかの中には、初めての赤ちゃんが息づいていたのです。
「まだ見ぬ坊や、よくお聞き。
これから、私も、あなたも、
多くの命を犠牲にしていくことでしょう。
そうして奪った命を、再びよみがえらせる事はできないの。
私たちはそうやって生きていくしかない。
でも、ただ一つ、私たちにもできる事があるのよ。」
クマは、たおやかにふくらんだおなかに、手を添えました。
「それは、祈る事。」
おなかを優しくさすりながら、クマは言葉を続けました。
「この森が、これからも、私たちを生かしていってくれること、
そして、私たちの命を支えてくれる、様々な命たちをも、
共に生かしていってくれることを」
クマは、立ち上がり、
すっかり葉が落ちてしまった森の様子を、しばらく眺めていました。
そして、ゆっくりと、ナラの根の下にぽっかりとあいた、
小さなほら穴の中に、入っていきました。
「この森がとこしえに健やかでありますよう、
長い冬の間、あなたのために祈り続けるわ。」
クマは、体を丸めると、そっと目を閉じました。
すみれ咲くせせらぎのほとりを、
生まれたばかりの赤ちゃんが、
元気に駆け上がる姿を、夢に見ながら。
毎日降り積もる雪は、森を白一色に染め上げていきました。
「ザクッ、ザクッ、ザクッ」
雪を踏みしめる足音が、聞こえてきました。
「なんとまぁ、これは立派な木だ。」
巨大なナラを見上げているのは、毛皮猟の猟師でした。
夢中になっていくつもワナを仕掛けているうちに、
いつしか、今まで足を踏み入れたことがなかった、
森の一番奥深くまでやってきたのです。
猟師は、ナラの根元で、大きな背負子を肩から下ろすと、
深く息をつきました。
そして、沈んだ面持ちで座り込むと、両手に顔をうずめました。
頭の中に、どうしても、娘の顔が浮かんできてしまうのです。
猟師の一人娘が病の床に伏せて、もう半年が経とうとしていました。
森に生える薬草を、いろいろとためしてはみたのですが、
一向に、良くなる気配はありません。
その時、猟師は、その病気にとてもよく効くという薬の噂を聞きました。
ふもとの町で手に入るというその薬は、とても値段が高く、
手持ちの毛皮を全て売っても、まだ手が届きません。
「病に対して、人はどんなに無力なものか。
苦しむお前をただ見つめながら、
何もしてあげられない自分を、
どれだけはがゆく思ったことだろう。
もはや、お前の父親にやれることは、
ひとつしかないのかもしれない。」
猟師は、背負子から、最後のワナを取り出しました。
「それは、祈ること。」
猟師は、ワナを、ナラの根元に仕掛けながらつぶやきました。
「森よ、その恵みを分けてくれ。
最愛のわが子を、助けてくれ。」
仕掛けたワナが、完全に見えなくなるように、
猟師は丁寧に、雪をかぶせていきました。
どんなに賢い動物でも、もうそこにワナがあるとは気がつかないはずです。
猟師は立ち上がると、軽くなった背負子を揺らしながら、
とぼとぼと、もと来た道を、戻っていきました。
寒さはどんどん厳しさを増していきました。
ナラの周りも、たまにヤマガラが飛んで来たり、
鹿がちょっと顔をのぞかせるくらい。
生きものたちは、長く厳しい冬を、
ねぐらにひっそりと身を隠し、耐え忍んでいます。
その冬で一番激しい吹雪の夜のことです。
吹きすさぶ雪煙の向こうから、
並外れて大きなオオカミが、のそりと姿を現しました。
この森に暮らすオオカミ一族を率いてきた、年老いたオスです。
体中に古い傷痕が刻まれ、左の目はつぶれています。
その昔、猟犬たちに追い詰められ、闘ったときに負った傷です。
老いたオオカミは、ナラの前で立ち止まると、
深いため息をつきました。
「最愛の妻よ、長年連れ添ったお前を失い、
誇り高き我が一族の血も、遂に途絶えることとなった。
私は結局、愛するものたちを守りきることができなかったのだ。」
猟師たちが、森に入ってくるようになってから、
一族のオオカミ達は、一頭、また一頭と姿を消していきました。
そしてこの冬、今までは決して
人間が入ってくることなどなかった森の一番奥深くで、
妻までもがワナにかかり、命を落としてしまったのです。
老いたオオカミは、この森に残された、最後の一頭になってしまいました。
「なあ お前、
猟師たちを襲い、かみ殺しても、お前が喜ぶとは思えん。
そもそも、もう私にはそんな力は残されてはいない。
だが、ただ一つ、まだ、お前のためにできる事がある。
ただ一つ、お前のためにやらなくてはならない事がある。」
老いたオオカミは、毅然と空を仰ぎ見ました。
「それは、祈る事。」
そして、吹雪に負けない大声で叫びました。
「我が一族の味わった苦しみを、
もう二度と、この森の生きものたちが味わう事のないように。
この森に再び命が満ちあふれ、
その命たちが、定められた一生を正しく全うできるように、
我は祈らん。」
老いたオオカミは、大地に足を踏ん張り、息を大きく吸い込むと、
遠吠えを始めました。
容赦なく襲いかかる吹雪の中、
足元が凍り付き、のどが破れても、
オオカミは、力の限り、天に向かって吠え続けました。
やがて意識が遠のいてきました。
同時に、ふしぎと、怒りも悲しみも消えていきました。
オオカミは、次第に、夢を見始めていました。
力強かった父、優しかった母のこと。
厳しい暮らしを共に支えあってきた、兄弟や仲間たちのこと。
そして、このナラの前で、美しく気高いメスと初めて出会った朝、
新緑の森の中を、二頭でどこまでも走り続けた朝のことを。
翌朝、ナラの枝に飛んで来た一羽のカケスが、
雪の上に倒れているオオカミを見つけました。
すこしだけ開いた口元は、まるで微笑んでいるかのように見えましたが、
閉ざされたまぶたは、二度と開く事はありませんでした。
それからも、雪は毎日降り続けました。
リスは、ナラの太い幹の中で、
しっぽを体に巻き付け、寒さを耐え忍んでいました。
クマは、ほら穴の中で、うつらうつらしながら、
新しい命の鼓動を聞いていました。
猟師は、熱に浮かされ苦しむ娘のそばを片時も離れず、
ひたすら看病を続けました。
死んだオオカミは、少しずつ、少しずつ、
銀世界の中に、埋もれていきました。
雪が、降りつもっていけばいくほど、
リスの、クマの、猟師の、そしてオオカミの、祈りが、
森の中に、満ちていきました。
ある日の朝。
夜明けの森に、柔らかな太陽の光が、差し込み始めました。
ナラの枝につもった雪が、少しだけとけ、
しずくが一滴、キラキラと光りながら、
枝先から落ちていきました。
そのしずくが落ちたところ、真っ白な雪の地面から、
何かヒクヒク動く黒いものが、のぞいています。
クマの鼻です。
しばらくの間、用心深く、外のにおいをかいでいましたが、
突然、大きく、雪が割れ、
あのメスのクマが、姿を現しました。
クマは、大きくのびをすると、
ほら穴の中を覗き込み、言いました。
「坊や、出ておいで。」
穴からおずおずと、小さな赤ちゃんが、出てきました。
「これが、あなたがこれから生きていく森よ。
さあ、ごあいさつなさい」
赤ちゃんは、あたりをキョロキョロ見回すと、
ナラに、トコトコと近づいていきました。
そして、幹のにおいをかぐと、そっと木肌をなめました。
親子のクマは、しばらくの間、ひなたぼっこをして体を温めると、
連れ立って、森の奥へと消えていきました。
「おお、ようやく見つけたぞ。この木だ。間違いない。」
木立の中から出てきた猟師が、まぶしそうに、ナラを見上げています。
「ちょっと待ってよ、お父さん!」
かわいらしい声と共に、小さな娘が息せき切って走ってくると、
飛び上がって、猟師の胸に抱きつきました。
「ハッハッハ、こらこら、離しなさい。
さあ、私がお前に見せたい、と言っていたのはこの木のことだよ。」
猟師の胸から顔を上げた娘の目が、文字通り丸くなりました。
「すごいわ。こんなに大きな木、わたし、初めて見た。」
娘は嬉しそうに駆け出すと、
ナラの周りをぐるぐると走り始めました。
去年の病気がうそのように、元気に駆け回る娘の姿を
猟師は目を細めて眺めています。
「お父さん!」
驚いた顔をして、娘が立ち止まりました。
「どうしたんだい?」
猟師が近付いていくと、
娘は黙って足元を指差しました。
そこには、死んだオオカミが横たわっていました。
「なんと大きなオスだ。おや、左目がつぶれているぞ。」
この森に暮らすオオカミの群れを長年率いてきたという、
片目のオスの噂は、猟師もよく耳にしていました。
猟犬が束になってもかなわない強靭な体力。
ワナを次々と見つけ出しては壊してしまう賢さ。
数々の猟師たちが、何度もそのオオカミを仕留めようとしましたが、
そのたびに、裏をかかれ、苦い思いをしてきました。
そして、そのオスの横には、銀色に輝く毛並みの美しいメスが、
片時も離れずに連れ添っていたといいます。
猟師は、はっと息を呑むと、呆然と空を仰ぎ見ました。
冬の始め、この場所で猟師のワナにかかっていたのは、
銀色のメスのオオカミでした。
並外れて美しい毛皮は、大変な高値で売れ、
おかげで猟師は、娘に薬を買ってあげることができたのです。
「そうか、お前は、あの銀色のメスの・・・」
猟師は、足元のオオカミを見つめながら、がっくりと膝をつきました。
「最愛のものが、命を落としたその場所で、自分も最期を遂げたというのかい。」
猟師の頬を、一筋の涙がつたいました。
「お父さん、どうしたの?」
娘が心配そうに、猟師の顔を覗き込みました。
「いや、なんでもないんだ。」
猟師は気付かれないように、そっと涙をぬぐうと、
娘の肩に手を置き、そのつぶらな瞳を見つめました。
「よく聞ききなさい。
私たちはこの森に生かされているんだよ。
森のおかげで、生きていけるんだ。
これだけは、忘れてはいけない。
どんなときも、決して、忘れてはいけない。
わかったね。」
娘は真剣な面持ちで、猟師の言葉を聴くと、
ゆっくりとうなずきました。
「さあおいで、家に帰ろう。」
猟師は娘の手をとり、
親子は寄り添って歩き出しました。
よく通る娘の笑い声が、次第に遠ざかっていき、
ナラの木の周りは、再び静けさに包まれました。
太陽の光は、ナラの木の洞のなかにも、差し込んでいきます。
リスが顔を出しました。
「いやぁ、ひさしぶりのおてんとうさまだなぁ、あぁ気持ちいい。」
リスは大あくびをしながら、あたりを見回しました。
「おや、オオカミが倒れてるぞ。あーあ、死んでらぁ。
オオカミは恐くて苦手だったけど、でもこれで、
この森最後のオオカミがいなくなっちまったかと思うと、
それはそれで、やっぱり寂しいもんだなぁ。」
雄々しく森を走り回っていたオオカミの姿を
思い起こしていたリスの目にとまったものがありました。
死んだオオカミの鼻の先、
太陽の光にやさしく照らされた場所には、
雪解けの地面が、少しだけのぞいていました。
そこに、薄緑色の小さな芽が、
そっと顔を出していたのです。
「おっ、あそこは確か、
オイラが冬の始めに、ドングリを埋めた場所だぞ。
いやぁ、良かった良かった、
あのドングリ、無事に芽吹いてくれたんだなあ。」
木の上から見ると、まるでオオカミが、
新芽のにおいを、楽しんでいるようにも、
ちいさなナラの芽の生長を見守っているようにも、見えます。
「どうか、いっぱいドングリのなる、立派なナラにそだってくれよ。」
リスの、今年最初の、祈りです。
「そして、今年も、どうか無事に、一年が過ごせますように。」
そよ風が吹き始めました。
小さなリスの祈りも、風に乗って、森の奥へと消えていきました。
春が、来たのです。
おしまい
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
自分らしい生き方・お仕事
ヒットするノウハウはないが、死なな…
(2026-10-09 21:49:50)
避難所
【防災用品】‐「家具転倒防止」‐「防…
(2026-06-06 03:46:40)
あなたのアバター自慢して!♪
韓国での食事(11月 12日)
(2025-11-15 02:35:31)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: