黒猫の福家の出来事

ちゃあ

偶然、車庫のあたりに居たちゃあを見たように記憶している。

猫の溜まり場になっては、困るというので、
チロを捕まえて以降
ノラにはえさをやらないことにしていたのだが、
初めて見たちゃあは、
首のあたりをザックリと怪我をしていて、
これは、助からないかも・・・
どうせ助からないなら、せめてお腹いっぱいに
食べさせてやろう・・・と思って、
家にあった、福用の抗生物質を混ぜたえさを与えたのでした。

シャー！！って威嚇するくせに、
なぜか人懐っこくて、ニャーニャーとゴハンの催促を言う猫でした。

１週間もしないうちに私達に慣れて
威嚇をしなくなっていましたが、
当時は弱くて、とにかくゴハンを食べると、
そそくさとお向かいの家の屋根の隙間に隠れたり、
お隣の屋根に登って、ベランダの隅に隠れたりしていました。

おどおどしながらゴハンを食べるので、
食事の間は、人間が他の猫が来ないように
見張りをしていました。

襲ってくる猫は、人間が追い払い、
なんとか居場所を確保してやろうと頑張っていました。

家猫にしようかとも思ってみたのですが、
ドアを少し開けて、美呂と対面させると
美呂がシャー！！と物凄い剣幕で怒り、
何度やってもダメなので、当時は諦めたのでした。

手足の大きくて長い子で、ケンカは弱いけれど、
人懐っこい子で、どこか憎めない猫でした。

勝手に生後半年くらいかな・・・と思っていましたが、
もしかすると、もっと経っていたのかもしれません。