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2009年10月02日
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なんともこれまた小野不由美らしいテーマ。

十二国記では社会と国民、というか、支配体制、あるいは国家権力というものの実情と国民たちが考えていることとの差異というものをいつも丁寧にかつ見事に描いていると思うのだけど、今回もそういった部分が素晴らしい。
そしてこういった問題が当然のことながら一元化できず、とても複雑な問題であり、読者に対して考える必要があることを訴えてくる。
裁判員制度が始まったこの時期にこの作品を出したのは、やはり小野不由美はそれをねらっているのだとしかいいようがない。

ただ本編の主要人物が出てこなかったので、あまり十二国記らしくないと思う人もいるかもしれない。
十二国記でやる必要性があるのか、と思う人も多かったのではないかと思う。
しかし私としては意義があったと思う。
今までは何かしら王と麒麟が物語に登場し、彼らが関わる事件を通して、天意とは何か、つまり「良い国とは何なのか」を描いてきた。
今回もテーマをもっとぎゅっと絞っているが、この「良い国とは何なのか」に通じるものを描いており、しかもそれに今までとは違う、新たな視点が導入されている。

(「風の万里黎明の空」で鈴や祥瓊が陽子(慶王)に対してどう思っているか描かれていたりするが、あの二人は境遇が特殊ケースだと思うので除外して考えている。また謀反など、官吏の行動からある程度類推できる場合もあるが、駒各派描いていないのでこれもまた除外している)
しかし、yomyomに掲載された二編は違う。
どちらも官吏の立場から描いている。
特に今回に関していえば、王と民の間、つまり中間の立場から描かれているのは非常に効果的だ。
民の気持ちも分かるが、王が殺刑を過去に禁じていたこと、その禁を解けばどういう事態に陥るのか。
それが認識できている中間の立場から殺刑、つまり死刑制度について描いている。
また柳を舞台にしているのがよく、今後キーになってくるであろう、柳国の傾きも垣間見ることができ、本編とのリンクという意味でもこの話を十二国記として発表したのは間違いではないと思う。

とまぁ、ごちゃごちゃ書きましたが、やはり小野不由美は好きです。
こういった問題を読者に意識させつつ、けれど面白く読ませてくれるのは流石だなぁ、と思いました。





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最終更新日  2009年10月02日 14時48分04秒
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