ねことパンの日々

ねことパンの日々

戦国坊や 片岡芳太郎著

戦国坊や 片岡芳太郎著 昭和?年 若木書房

戦国坊や

ずいぶん前に、個人コレクターのコレクションを整理したとき、おすそわけに貰ったものです。本のつくりと売価からして、おそらく昭和30年代の漫画でしょう。

お城の兵隊募集の計略にまんまとひっかかった坊やが、奇想天外な活躍をして合戦で勝利をおさめるという物語。これだけ聞けば別段珍しくもない話ですが、おもしろいのは台詞の展開。まことに不条理で奇妙な世界が作り上げられています。
描画はむかしの少年漫画のスタイルを受け継いでいますが、台詞だけでここまでへんてこな世界を作れるものなんだと、妙に感心しました。

著者の片岡芳太郎は、戦前から漫画作家として活躍し、1930年代にはアニメ制作もしています。この夏、東京国立近代美術館で開催された戦前・戦後のアニメ特集でも、「漫画 おい等の生命線」という戦時漫画映画が放映されていました。残念ながらそれを観る機会を逸してしまったのです。残念! アニメもやっぱりシュールな味を醸し出しているのでしょうか。

ぜひほかの作品も読んでみたい!と思わせる、珍品です。

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