山田理沙のカナダ看護活動日誌。

山田理沙のカナダ看護活動日誌。

旧・読書日誌1。


旧・読書日誌1。
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記事番号 60
書籍名 高麗奔流   カテゴリー 日本文学       
著者名 深田祐介   発行年(西暦) 1997  
出版者 文藝春秋   値段 1500-2000円  
投稿日時 2004/08/15 04:25
日本語・朝鮮語・フランス語・英語に堪能な在日北朝鮮人のヒロイン三上純子が、父親を人質に取られ、金日成の陰謀、韓国襲撃という武力行使による南北統一の立役者としての活躍を余儀なくされる。舞台は日本、ヨーロッパ、朝鮮半島、アフリカと壮大なスケールで物語が展開する。

記事番号 59  
書籍名 流転の海   カテゴリー 日本文学       
著者名 宮本輝   発行年(西暦) 1984  
出版者 新潮社文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2004/08/15 04:19
明治30年前後に愛媛県に生まれ、大阪に出て自動車部品を中国に輸出する事業を手がけ、戦前はかなりの成功を収めたものの、空襲で大阪のビルも神戸の屋敷も失った松坂熊吾が、戦後の混乱の続く中で再起を目指し奮闘する物語(解説より)。

記事番号 58
書籍名 権力者たち   カテゴリー 海外文学       
著者名 アーサー・ヘイリー   発行年(西暦) 2000  
出版者 新潮社   値段 600-800円  
投稿日時 2004/07/13 09:43
カナダ人作家による冷戦期の、ソ連核攻撃を題材にした政治小説。翻訳はかなり遅れたが、1960年代に発表されているため、かなり古いのだが、私も日常生活で利用するオタワの目抜き通り、国会議事堂、市内の様子、カナダの政治とその舞台裏、首相官邸、高官らの人間関係について描かれており、そういった意味でも大変興味深く読めた。
カナダ首相ジェームス・ハウデンを主人公として、彼を取り巻く多数の登場人物についても、その人物像が詳細にわたって現され、最終的には全てが繋がって行く、小さな物語が同時に展開していく。最後は、ソ連の攻撃とアメリカとの協力・確執の行方を先まで読ませて欲しかった。

記事番号 57
書籍名 故郷忘じがたく候   カテゴリー 日本文学       
著者名 司馬遼太郎   発行年(西暦) 1970  
出版者 文藝春秋   値段 600-800円  
投稿日時 2004/07/13 09:33
豊臣秀吉による朝鮮進軍の際に拉致されてきて現在の鹿児島のある地に住居を与えられ、焼き物の献上を義務付けられた焼き物職人の14代目、沈寿官氏によって語られる一族の歴史を扱った表題の「故郷忘じがたく候」をはじめ、名もない漁村出身の修蔵が、薩摩藩・長州藩が新政府を立ち上げたばかりの乱世のどさくさに、薩長の代表として仙台藩に赴き戦隊を組み、合津藩を討つ役目を仰せつかる「斬殺」、その類まれなる美貌のゆえに、夫、細川忠興を嫉妬の鬼に変えてしまい、幽閉のうちに人生を過ごしたたまの物語「胡桃に酒」の3作。いずれも史実に基づいており、学生時代は歴史アレルギーだった私でも夢中で読了してしまうほどだったのは、やはり著者の読者を惹き付けてやまない技法によるものか。

記事番号 56
書籍名 ひとりを愛し続ける本   カテゴリー 日本文学       
著者名 遠藤周作   発行年(西暦) 1992  
出版者 講談社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/07/13 09:11
「そんなことができるのか」という好奇心から借りてきた一冊。で、読了後の結論。そんなことは無理。内容は、時代錯誤も甚だしい。「女はこうあるべき」「女房はこうあるべき」という、半分こじつけの著者の理想が盛りだくさん。一々「女はこうである」と決め付けた後に「間違ってたらごめんなさい」と言う、媚びたところがまた嫌だ。確かに、なるほど、と頷かされる記述もあるのだが、どうも付き合いきれない感強し。

記事番号 55  
書籍名 ペトロシアンの方程式(上・下)   カテゴリー 海外文学       
著者名 ビル・ネイピア   発行年(西暦) 2004  
出版者 新潮社   値段 600-800円  
投稿日時 2004/07/13 09:03
気象学者のフィンドホーンがあるきっかけから、50年前に書かれた、真空からエネルギーを作り出して地球を破壊する威力を持つ高性能爆弾の製造法が記されているという、物理学者ペトロシアンの日記を入手し、これを手に入れようと躍起になる者たちから、付け回され、命を狙われる身に。美貌の翻訳者ロメラとその友、ステフィ、資産家の弟の助けを借り、日記の解読を進めながら、複数の敵からの攻撃をかわし、この技術を悪用されぬために、世界を舞台に冒険を繰り広げる。
核やその他薬品・物理関係に会話が及ぶとチンプンカンプンだが、いろいろな国をまたにかけた冒険はそれだけでも一読の価値あり。日本のヤクザも登場し、冒険は日本にも及ぶ。ロメラの正体が最後まではっきりしないのと、国際組織を敵にまわしている割に、いつも簡単に逃げおうせてしまうところが、残念といえば残念。
本棚に重複していたということで、M氏より頂いた本。ありがとうございました。

記事番号 54
書籍名 十字路   カテゴリー 日本文学       
著者名 江戸川乱歩   発行年(西暦) 1988  
出版者 講談社   値段 500-600円  
投稿日時 2004/07/13 08:49
初めて読んだ江戸川乱歩。これは最初に犯行が行われ、これが後々どう暴かれていくか、という展開の推理小説。ある夜半の十字路で2つの殺人事件が重なりあい、犯人の運命を徹底的に狂わせてしまう。登場人物の考え方や行動が古いのは否めないが、筋がしっかり通っていて、暇つぶしに適当な一冊。

記事番号 53
書籍名 花霞   カテゴリー 日本文学       
著者名 芝木好子   発行年(西暦) 2000  
出版者 集英社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/06/23 06:54
外に女を囲う夫に何も言えず心臓をも悪くするか弱い津也子とそんな彼女を優しく守る従兄弟の紺野(奇妙な仲)、活発で誰からも愛された若い叔母を看病する夏子とその叔母を愛する青年中原(鎌倉まで)、老芸者小満津が出会った嘗ての旦那の孫娘万紀子と彼女が心を傾ける遊び人篠原(老妓の涙)、パトロンに恋人の出現を切り出せない舞踊家、佳穂(舞扇)、子持ちやもめの助教授に恋焦がれる洵子と暴力をふるう夫のもとに帰らずにはいられない久代(花霞)など、男と女の微妙な関係を女の目から鮮やかに描き出した短編9編。
不倫がテーマとなる作品が多いが、一口に不倫といっても、身体の関係をもつもの、心の交わりをもつもの、それぞれに後味が美味しい作品ばかり。

記事番号 52  
書籍名 自我の構図   カテゴリー 日本文学       
著者名 三浦綾子   発行年(西暦) 1982  
出版者 講談社   値段 -500円  
投稿日時 2004/06/23 06:36
優秀な作家としてだけでなく、キリスト教信者としても名を知られる著者は、数々の信仰にもとづいた本を手がけているが、作品の中に信者を登場させて信仰を語らせる野暮なことをせずとも、信仰とは関わりのない人たちのドラマの中で、神とは、愛とは、を考えさせてくれる。
同僚でもあり、絵の師でもある藤島の死によって、南の家族と藤島の家族の過去数年間の交流の中でわだかまっていたものが、ドロドロとあふれ出す。登場人物それぞれが、自己の行為を省み、時には他人を気遣いながらも、結局は自分本位な行動に終始し、物事は決して思い通りにいかない。
著者の本は好きだし、物語も倫理的で筋が通っているのだが、ロマンチックな夢を見せてくれることはなく、現実を突きつけられる感じで、自由奔放に生きているわたしにとっては大変耳の痛いお話。好き勝手しているとこういう目に遭うんだよ、と言われているようで「余計なお世話」とも言いたい。
作中で登場人物の一人が言う「人間が人間を愛せると思ったら、それは間違い」「好色とか情欲を、愛だなどと思っちゃいるまいがね」という言葉、また、作者自身の「いかに真剣に愛を傾けたつもりでも、結局は自我の現われでしかなかったという事実に、わたし達はしばしば突き当たる」という言葉は深く繋がっていて、「本当の愛」を知らないだけだと思っていた私は、「本当の愛」などないのではないかという気にさせられて、ドキリとする。

記事番号 51
書籍名 プラネテス 4   カテゴリー その他      
著者名 幸村誠   発行年(西暦) 2004  
出版者 講談社   値段 600-800円  
投稿日時 2004/05/27 14:21
SFに全く興味がなかった私が、SFって面白いかも・・・と、SFの本を楽しむきっかけになったコミック。雑誌・モーニングに連載されたものの単行本4巻。
1巻から通して、一癖も二癖もある登場人物のそれぞれの過去を見せることによって、それぞれの章で、チョット感動してしまう人間ドラマが展開される。悪役で登場する人でさえ、その弱さを見せられることによって、愛すべき人にしてしまう手法に感服。「SFとか駄目」なんて思ってる人でも絶対に楽しめる保証付き。M様より拝借。

記事番号 50
書籍名 どこかで誰かが見ていてくれる 日本一の斬られ役 福本清三   カテゴリー その他      
著者名 小田豊ニ   発行年(西暦) 2003  
出版者 集英社文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2004/05/27 14:10
映画「ラストサムライ」にボブ役で出演していた福本氏に惹かれたのがきっかけで、議長様からお借りした一冊。著者がインタビューしたものに氏が答えているのだが、対談型ではなく、氏が自身の言葉で語る調子で書かれていることで、氏の魅力が一層引き出されているように思われる。
15歳でたまたま縁あって始めた大部屋俳優という仕事。スターへと出世していく友らを妬むことなく、飄々と端役としての人生をまっとうしている氏をただ素敵だと思う。ハリウッド映画に抜擢されても、「日本一の斬られ役」と評価され表舞台に引っ張り出されても、それでも「いや、自分は大部屋俳優だから・・・」という氏の態度に自分の理想の日本人像を見る思いである。周りに流されず、自分の歩む道を確実に歩み続ける人生、そうすることによって出てくるその人だけが持つ味。見習いたい。貸して頂いた議長様に感謝・合掌。

記事番号 49
書籍名 第六大陸1、2   カテゴリー 日本文学       
著者名 小川一水   発行年(西暦) 2000  
出版者 ハヤカワ文庫   値段 600-800円  
投稿日時 2004/05/26 01:59 時は2020~30年代の近未来。父親との確執を持つ天才少女を囲み、夢と才能を携えた者達が一致団結して月に人類が停泊できる施設の建設を始める。建設は困難・問題の出現とこの解決の繰り返しで進んでいく。
SFものだが、筋の通った人間ドラマが強く描き出されていて、SFファンでなくても面白く読める一冊。しかも、こんなふうにすれば月に行けるのか。ひょっとしたら、死ぬまでに一回くらいはいけちゃうかもね、なんて読む者のロマンをかきたてる。(M様より拝借)

記事番号 48
書籍名 あの頃ぼくらはアホでした   カテゴリー 評論・エッセイ    
著者名 東野圭吾   発行年(西暦) 1998  
出版者 集英社文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2004/05/26 01:52
著者の推理小説からは想像がつきにくい、中学時代から高校、浪人生活、大学を経て、就職が決まるまでの青春時代を面白おかしく綴ったエッセイ。学校の不良との付き合いや、合コン、部活での悲哀など、誰にでも経験がありそうなことで、想像しながら笑ってしまう。これもM様より拝借。

記事番号 47
書籍名 ヘルタースケルター   カテゴリー その他        
著者名 岡崎京子   発行年(西暦) 2003  
出版者 祥伝社    値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/05/26 01:45
1996年までに連載されたものを単行本化したコミック。骨や眼球など変えられないところ以外は全て違法な整形による作られたアイドル、りりこの「壊れていく」、「落ちていく」過程が、現代の大衆消費・集団心理を織り交ぜて余すところなく表現されている。8年前に描かれているのだが、古いどころが現在の流れがこの漫画を追っかけているような感さえある。
現在北米で放映されている視聴者参加型の、いわゆるリアリティショーと呼ばれる、TV番組の一つで大変話題になっている「スワン」と言うものがある。TVを見ない私は詳細には疎いのだが、周りで見ている人から聞くところによると、TV番組内で「醜いアヒルの子」である、素人出演者が整形手術を受け、「白鳥」に生まれ変わる。その出来を競い合うらしい。一昔前には考えられなかったことが聴衆の面前で行われているのだ。巷に「二重手術」や「皺取り」などの「プチ整形」と呼ばれるものから、「豊胸術」「脂肪吸引」など全身に影響を及ぼす手術を受ける人が溢れている現在を見れば、状況がこの漫画に追いつこうとしている感はやはり否めない。
作品の中に出てくる「りりこのやっている全身整形は、ピアスを開けたり、ダイエットしたり、二重にするの延長にあること」という表現に考えさせられる。言いえて妙、だが、やはりこれは違うだろう。大抵の女性が、きれいになりたい、と多かれ少なかれ、努力をする。それをどこまで追求するかは人それぞれだろう。叶姉妹他、大抵の芸能人がしているという整形手術。「お金があれば誰だってする」なんて信じたくない。(M様より拝借)

記事番号 46
書籍名 さらば外務省!私は小泉首相と売国官僚を許さない   カテゴリー ベストセラー     
著者名 天木直人   発行年(西暦) 2003  
出版者 講談社   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/04/24 03:26 自衛隊のイラク派遣問題や北朝鮮拉致問題で揺れる小泉内閣に、元外務省キャリア官僚が鋭くメスを入れた話題作。政治の話で、簡単には読めなかったのだが、外務省の内情、裏話がてんこ盛りで、面白いと言うより、「こういうことがまかり通っているんだ」という意味で、少々怖い。カナダの大使館公使をしていたこともある著者の暴露話は、単純にとても興味深かった。これもM氏より拝借。ありがとうございました。

記事番号 45
書籍名 さくらインテリーズ   カテゴリー 日本文学       
著者名 戸梶圭太   発行年(西暦) 2003  
出版者 早川書房   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/04/18 05:30
同著者による「Cheap Tribe」に負けず劣らず・・・と言うか、同じ路線。もう、強烈にお下品。元教員、元図書館司書、元考古学者、元会社員で、いずれも売春やストーカー行為などのつまらぬ犯罪行為で、人生の道を踏み外し「インテリ」ホームレスとなった、主人公らのハチャメチャな人生。シモネタ、排泄系ネタ、共食いあり、もう、何でもあり、お下品の集大成。目を背けつつもついつい完読。>M氏より拝借。いつもありがとうございます。

記事番号 44
書籍名 はみだし数学のすすめ 人生、チャンスは二度ある   カテゴリー その他        
著者名 森毅   発行年(西暦) 2000  
出版者 講談社   値段 600-800円  
投稿日時 2004/04/18 05:20
数学者でもあり評論家としても有名な、元京大教授でもある氏のエッセイ。現在の教育・受験システムの欠陥を指摘しつつ、優等生にならなくてもよい、失敗しながら試行錯誤して生きていけばよいと人生論を説く。「チャンスは二度ある」と表題にあるが、本書を読んでいると、二度ばかりでなく、何度でもあるように感じさせられる。さすが、著名な数学者だけあって、数学関係の話題が例として、所々に取り上げられているのだが、数学関係に詳しいと、もっと楽しく読めたかな、と思う。>M氏より拝借。

記事番号 43
書籍名 金時計の秘密   カテゴリー 海外文学       
著者名 ジョン・D・マクドナルド   発行年(西暦) 2003  
出版者 扶桑社   値段 800-1000円  
投稿日時 2004/04/18 05:20
恋愛に関してちょっと不器用で、あまり垢抜けない主人公カービーが、変わり者の成功者である叔父から唯一の遺産として金時計を譲り受け、何も分からぬままに、この時計の秘密をめぐって、様々な事件に巻き込まれるなかで、叔父が彼に施した教育や託した仕事の意味を見出し、ドタバタの中で人間としても、恋愛面でも徐々に成長していく。
ちょっぴりこんがらがった話の筋をすっきり理解させてくれる展開が気持ち良い。ウブで正直な主人公の軽い冒険物として楽しめた。>M氏より拝借。

記事番号 42
書籍名 和風えれがんとマナー講座   カテゴリー その他        
著者名 森荷葉   発行年(西暦) 2001  
出版者 PHP文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2004/04/18 05:21
その名の通り、和風マナーの本。MM氏の着付けの腕に魅せられて、私も自分で着付けがしたい・・・とプチ・マイブーム状態で、本書をお借りする。着物だけでなく、食事作法や冠婚葬祭マナー、言葉遣い、和装のメイクなど、幅広くカバー。次に帰省するときは、1ヶ月ほどの長期休暇を取って、着付け(逆?)留学にしよう!と決意。MM様ありがとうございました。

記事番号 41
書籍名 彼が泣いた夜   カテゴリー 日本文学       
著者名 内田春菊   発行年(西暦) 1998  
出版者 角川書店   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/03/22 03:13
これも妹1の本棚から失敬。仕事も男も取りたいキャリアウーマンの恋人との確執。自己中で女の気持ちなんか全然理解できない元彼・呈児と今彼・清一に悩まされる八寿美。この男性陣、かなり無茶苦茶。でも、こういう人、いる。彼らもすごいが、八寿美も負けていないと思う。稚拙な男と女の本音のぶつかり合い、というところか。

記事番号 40  
書籍名 秋山さと子の「いい女」論   カテゴリー 評論・エッセイ    
著者名 秋山さと子   発行年(西暦) 1991  
出版者 三笠書房   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/03/22 02:51
☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ☆☆
看護学や医療関係の書籍ばかりの妹1の本棚にある数少ない一般書から拝借。禅寺に生まれ、様々な職業、結婚、離婚を経て、40代で留学をして、心理学を専門職とする著者への共感だけで読めた一冊。13年前の書であるが、書かれていることはそんなに色褪せていない。「結婚を前提としない男女の仲は2年も続けばいいほうである」「男と女の関係にはつねに別れの予感がある」など、恋愛論の箇所でのサバサバぶりが特によかった。

記事番号 39
書籍名 家族の横顔   カテゴリー 評論・エッセイ    
著者名 澤地久枝   発行年(西暦) 1991  
出版者 講談社   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/02/22 06:41
著者が実際にテレビ番組で関わった身の上相談をモデルにした家族崩壊についての短編集。嫁姑戦争とか、子供の問題だとか、もう、ワイドショー好きの私には堪えられない一冊。

記事番号 38
書籍名 知性の磨きかた   カテゴリー 評論・エッセイ    
著者名 林望   発行年(西暦) 1996  
出版者 PHP新書   値段 600-800円  
投稿日時 2004/02/22 06:37
イギリスについてのエッセイでお馴染みの著者による学習・余暇・仕事・読書などについてのエッセイ。読書について、「書物に良書・悪書があるわけでなく」「自分が興味を持った、好きなものを読めばよい」「読書は寝転がってするものだ」という箇所に痛く共感する。貸していただいてありがとうございました>M様。

記事番号 37
書籍名 冬の月   カテゴリー 日本文学       
著者名 井上靖   発行年(西暦) 1977  
出版者 集英社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/02/19 05:29
小さな貿易商を営み、仕事も順調ながら、周りにはけち臭い事ばかりしか表現しない、ちゃっかり者の史村。一年に一度の高校の同窓会で会う、いつも自分の人生の順調さしか仄めかさない、同級生の榎原には、以前あることで助けてもらったことから、周りが知らぬなりにも、恩義を感じている。その榎原が他界した、と、その年の同窓会で聞き、彼のみが知る榎原の素顔を思い起こす、表題の「冬の月」他、9編。いづれも、人間の郷愁を含んだ暖かな交流が描かれており、すっきりした結末はないのだが、心に後を引く作品ばかり。

記事番号 36
書籍名 ノルウェイの森(上・下)   カテゴリー 日本文学       
著者名 村上春樹   発行年(西暦) 2000  
出版者 講談社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/02/09 22:30
学生の頃、流行っていたので新刊で買って読んだが、その頃はまだウブだった私にはとても理解のできるものではなかった。恋愛という人間関係の構図は、男性1人、女性1人の上にのみ成り立ち、「何故だか分からないけれど、無性に女の子と寝たくて」なんていう主人公ワタナベ君を「わ、不潔」としか思えなかったし、それを恋人直子に告白することも理解できなかった。その直子が、当たり前みたいにそれを受け入れることも。恋人がいながらも、ちょっと壊れかけたような、友達にはしたくないような、それでも何だか惹かれてしまうキャラの緑と不思議な絆を築き上げてしまうことも。
あれから10年以上過ぎてから、1970年代を舞台に描かれる、この若者らの物語をやっと受け入れられるようになった私はかなりオクテと言えようか。

記事番号 35
書籍名 潮騒   カテゴリー 日本文学       
著者名 三島由紀夫   発行年(西暦) 1950  
出版者 新潮文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/02/03 05:46
読み終えて、スキっと爽やかな純愛物語。今まで読んだことのある三島由紀夫と全然違うので、驚いた。いつも感じさせられるドロドロさがなくて、最初から最後まで何もかも美しい。物語の舞台は、実在する神島がモデルだと言う、伊勢の歌島。本土の文明から取り残れ、善のみが存在するひっそりと美しい島で、繰り広げられる、純粋極まりない少年と少女のプラトニックな恋。島の人たちの素朴な生活にも心を打たれた一冊。

記事番号 34
書籍名 河童・歯車・或る阿呆の一生   カテゴリー 日本文学       
著者名 芥川龍之介   発行年(西暦) 2000  
出版者 講談社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/31 21:56
表題の他に7作を収録した短編集。著者が発狂するのを恐れ、自殺するにいたる道のりが表されているような後期の作品群。全ての中に、孤独、苦悩、など、暗さが漂うが、精神状態のコントロールを書物に求める点や、対人関係の考え方、特に「闇中問答」では、共感できることが多々あり、つい読みふける。

記事番号 33
書籍名 身代わり 母・有吉佐和子との日々   カテゴリー 日本文学       
著者名 有吉玉青   発行年(西暦) 1989  
出版者 新潮文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/31 21:45
「恍惚の人」などで知られる著名作家・有吉佐和子を母に持つ作者の、「才能のある、有名な人」の子供であるために、成長過程で常に付きまとう劣等感を痛切に描いたエッセイ。有吉佐和子の作品からは思い浮かばない彼女の母親としての人柄が大いに記され、自然、彼女を愛すべき人と思わせる内容がとても興味深い。書けば書くほど、娘である著者が、大作家・有吉佐和子の影にかすんでしまうように感じたのだが、母への愛を認め、その上で彼女の劣等感を隠すことなく前面にさらけ出す姿勢は、真似できないと思った。

記事番号 32
書籍名 忘我の記   カテゴリー 日本文学       
著者名 中里恒子   発行年(西暦) 1994  
出版者 文春文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/27 11:18
登山に、そして高山植物に魅せられた、科学者であり登山家、「スウィス日記」の著者、辻村伊助の生涯を描いた作品。明治の終わり頃、まだ誰もが海外に行けるような時代ではない時に、土地財産のふんだんにある家に生まれた伊助は、大学を卒業してから、スイスの高山植物を故郷箱根の山に移植することを志し、ヨーロッパに渡る。雪山での遭難、当時のヨーロッパの描写は大変興味深いし、タイトル通り、好きなことのために「自分を忘れる」伊助の性質に羨望をも覚えるが、母親と兄と家の財産に頼りきり、「自立」には程遠い状態で成し遂げた偉業に、やや感動を妨げられた感あり。

記事番号 31
書籍名 読むクスリ Part 1-6   カテゴリー その他        
著者名 上前淳一郎   発行年(西暦) 1990  
出版者 文春文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/25 10:55
「クスリ」というくらいだから、医療関係なのかな、と思って手に取ったら、笑い声の「クスリ」だった。主にビジネスマンの「ちょっといい話」集。海外赴任中のエピソードなど、面白いものもあって、副題についているように「人間関係のストレス解消に」というより、いい暇つぶしには、なる。

記事番号 30  
書籍名 第三の女   カテゴリー 日本文学       
著者名 夏樹静子   発行年(西暦) 1980  
出版者 集英社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/24 07:33
最後のどんでん返しが、こんなに遅出しな本も珍しいのではないかと思う。出だしから、物語の9割までは、ストーリーが全く想像通りに進み、最後の最後にひっくり返されるわけだけれど、そのひっくり返されるまでが長すぎて、ひっくり返し方も早急すぎて、もう、まさに火曜サスペンス劇場向き。

記事番号 29
書籍名 深い河 ディープリバー   カテゴリー 日本文学       
著者名 遠藤周作   発行年(西暦) 1993  
出版者 講談社   値段 1500-2000円  
投稿日時 2004/01/22 10:36
妻を癌で亡くした磯辺、本当の愛に目覚めることなく結婚するが、学生時代に弄んだ男、大津との確執から逃れられない美津子、戦時中ビルマのジャングルで死の渕におかれた木口、他、登場する男女が、それぞれに何かを捜し求めてインドのガンジス川への観光旅行に参加する。神とは、愛とは、死とは・・・考えさせられる一冊。

記事番号 28
書籍名 鉄道員(ぽっぽや)   カテゴリー ベストセラー     
著者名 浅田次郎   発行年(西暦) 1997  
出版者 集英社   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/01/20 08:54
5、6年前に話題になり、ベストセラーとして本屋に山積みにされていた。で、いつものように未読にして「読んだつもり」になっていた。表題作をはじめとする8つの短編から成り立ち、全てがとてもシンプルなのに、幽霊や不思議現象盛りだくさんなのに、泣ける。人を泣かそうとして書いているとしか思えない。こんなに単純なお話で、容易に人の心を動かすことができるんだもん、映画化されたりして話題になるのも無理はない。

記事番号 27
書籍名 たまらなく日本人   カテゴリー ルポ・海外生活    
著者名 青木富貴子   発行年(西暦) 2000  
出版者 文藝春秋   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/01/16 08:22
1980年代にニューズウィーク日本版のNY支局長として活躍した著者による、NYおよび、アメリカ論。15年前の書と言うこともあり、その当時は目新しかっただろうが、すでに言い古されてしまったことばかりで、特に目を惹くような内容ではなかったが、海外に居住してから、初めて自分の中の日本人を強く感じるようになったと言うところには、痛く共感。書籍名に強く惹かれた一冊。

記事番号 26
書籍名 Cheap Tribe ベイビー、日本の戦後は安かった  カテゴリー 日本文学       
著者名 戸梶圭太   発行年(西暦) 2003  
出版者 文藝春秋   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/01/16 23:33
貸してくださったM氏より、「えげつな」くて「下品」ですと、前もって念を押されていたが、確かにかなりえげつなくて、下品。思わず目を背けたくなる表現満載、でも、読み始めたら惹き込まれて、止まらなくなってしまう、新しい形の日本の戦後史。
1957年、炭鉱労働者の倅としての栄吉の少年時代から物語が始まり、共産党の活動、学生運動、ノストラダムス、ユリ・ゲラー、バブルとその崩壊、女子高生ブーム、などなど、戦後の日本が栄吉の惨めな生涯と共に表現されている。学習院大学を出た人が、こんなものを書けるんだぁ、と違う意味で感動。えげつなさのタイプは違うけど、これは「あだると」の「汁だけ君」を上回った感。M氏に感謝再び。

記事番号 25
書籍名 一人で歩いていった猫   カテゴリー 日本文学       
著者名 大原まり子   発行年(西暦) 1982  
出版者 ハヤカワ文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/12 19:22
小学生の時に何故か学校の図書館にハヤカワ文庫の本がたくさん揃っていて、いつも嬉々としてプチSF系の本を借り出していた覚えがあるのだが、齢を重ねるにつれて、別の次元の話に興味を失い、SFの世界はもう私の理解を超えた範囲になってしまっているはずなのだが・・・。読み始めは、いつもの如く、拒否反応。描写も怪しいへんてこな姿の異星人たち、変な名前の宇宙歴、想像もつかない銀河の地図(余談だが、SF好きな人に石頭はいないのだと思う。思考がやわらかく、順応性に優れているから、この世界を理解できるのでないだろうか)。ただ、後半に続き、この不思議な世界に気持ちが入っていける段階になって、物語全般に漂う、悲しさに惹きつけられた。
送ってくださったT氏に感謝。

記事番号 24
書籍名 神様の肩コリ   カテゴリー 日本文学       
著者名 高塚光   発行年(西暦) 1992  
出版者 講談社   値段 1000-1500円  
投稿日時 2004/01/11 10:22
物語の展開がハチャメチャな上に、表面的で、因果応報っぽいテーマは何となく理解できるのだが、何にもまして「辻褄」を重視しすぎる傾向にある私には、ファンタジー入りすぎで向かなかったのかな。

記事番号 23
書籍名 ジェーン・エア(上・下)   カテゴリー 海外文学       
著者名 C・ブロンテ   発行年(西暦) 1960  
出版者 新潮社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/10 09:17
舞台は19世紀英国。幼いうちに両親と死に別れ、意地悪な親戚に引き取られたジェーン・エアが、この家庭で散々に邪魔者扱いされた挙句、厄介払いのために、規律の厳しい教会の学校に入れられる。そこで、別の世界を目の当たりにしたジェーンは、教師として自立し、母校でしばらく教壇にたった後、家庭教師として職を得た先の館の主人と恋に落ちる・・・と書いてしまえば、実もふたもないただの恋愛小説かい、ってことになるけど、そこに紆余曲折があって、はい、泣かせていただきました。

記事番号 22
書籍名 不思議の国ニッポン《在日フランス人の眼》 カテゴリー ルポ・海外生活    
著者名 ポール・ボネ   発行年(西暦) 1975  
出版者 ダイヤモンド社   値段 800-1000円  
投稿日時 2004/01/07 09:44
よくある在日外国人による日本批評本。出版が約20年前と古く、取り上げられた時事問題も古くて、読んでいてもさほどピンと来ない。暗に自国フランスが良い国で、日本も倣うべきだ・・・的ニュアンスが一杯。しかも、日本人のステレオタイプについて、繰り返されてきたことばかり書かれており、あまり目新しく感じず。読んで、一番、「学んだ」と思ったのは、岸恵子が、もともと日本の女優で、仏人映画監督と結婚して離婚していた、ってこと。知らなかった。

記事番号 21
書籍名 ブリジット・ジョーンズの日記   カテゴリー ベストセラー     
著者名 ヘレン・フィールディング (亀井よし子訳) 発行年(西暦)2000  
出版者 ソニー・マガジンズ   値段 600-800円  
投稿日時 2004/01/07 09:34
2001年にレネ・ゼルウィガー主演で映画化されて話題を読んだ、三十路・独身・イギリス人OLの日常生活フィクション。話が突拍子もない展開になることが多々あって、ちょっと現実離れはしているけれど、それでも、三十路・独身女性の心の揺れ、浅はかでお馬鹿なところが、余すところなく、可愛く、表現されている。ブリジットのやることなすこと、考えることが、手に取るように理解できて、うれしいやら悲しいやら。特に、恋愛において、作戦を立てつくし、計算をしつくして、それで、見事にこける、と言うパターンと、ヒトには言えない、別れた彼氏との空想上の会話の回数や、気になる彼からの電話の有無をチェックする回数、実のある郵便物の有無を確かめに郵便受けをチェックする回数を書き記して自分で評価しているところなんて、もう、自分の日記を覗かれたようで、たまらない。
続編も出ているようなので、これは読まなくては。そして、この続編も、ゼルウィガーと、グラントのコンビで映画化が決定されているようなので、これも絶対見逃せない。でもやはり、映画より、映画では表現しきれない心の動きが詰まっている、原作のほうがお勧め!
送っていただいたT氏にさらに感謝。この1冊が私の鬱を吹き飛ばしてくれました。

記事番号 20
書籍名 明暗   カテゴリー 日本文学       
著者名 夏目漱石   発行年(西暦) 1990  
出版者 岩波文庫   値段 600-800円  
投稿日時 2004/01/05 10:23
新婚の主人公津田とお延を取り巻く、家族・親族・上司らの係わり合いが、それぞれの思惑を詳細に表しながら、巧妙な精神的駆引きと共に描かれている。漱石が生涯の最後にたどり着いた思想「則天去私」、すなわち小さな私を去って、自然に委ねて生きること、を実践した作品、とあるが、彼の死によって未完であり、結末が分からないのが非常に残念。

記事番号 19
書籍名 プレッシャー・ドロップ   カテゴリー 海外文学       
著者名 ピーター・エイブラハム   発行年(西暦) 1996  
出版者 講談社文庫   値段 800-1000円  
投稿日時 2004/01/04 09:41
39歳の誕生日に「最後のチャンスかも」と思いつき、精子バンクを利用して人工授精の末、妊娠・出産をした直後赤ちゃんを盗まれてしまった、バリバリキャリアウーマンのニーナ。ダイビング客の事故の責任を問われて裁判に負けたばかりのマサイアス。二人の物語が並行して進み、事件の解決にむかって、徐々に一つの道筋になっていく。これがどうやったらまとまるのかしら、と思わせておいて、しっかりきれいにまとまるあたりに感服。年を重ねるごとに「女の幸せって、一体・・・」と考え込んでしまうニーナに共感したのと、PADIの免許を随分昔に取得して以来、一度も潜ってはいないのだが、ふんだんに出てくる潜水シーンが、日本海での楽しかった潜水実地練習を思い出させてくれて、個人的にはとても楽しめた。
送ってくださったT氏に感謝。

記事番号 18
書籍名 心は孤独な数学者   カテゴリー 紀行・エッセイ    
著者名 藤原正彦   発行年(西暦) 2002  
出版者 新潮社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2004/01/03 00:23
自らも数学者である著者が、著名な3人の天才数学者、ニュートン、ハミルトン、ラマジャンの足跡をたどるべき、それぞれの生地、イギリス、アイルランド、そしてインドへ飛ぶ。人物史、その活躍した時代背景と国、そして今を他多数の著名人との絡みを織り交ぜて語られる、娯楽性も高いエッセイ。「数学者」とは何をする人なのか、皆目検討がつかなかった私にも十分楽しめた一冊。
貸してくださったM氏に感謝。

記事番号 17
書籍名 死の蔵書   カテゴリー 海外文学       
著者名 ジョン・ダニング   発行年(西暦) 1996  
出版者 早川書房   値段 600-800円  
投稿日時 2003/12/29 15:51
主人公は、自らも古本の収集を趣味とする、デンバー警察殺人課巡査部長のクリフ。古本の掘り出し屋、ボビーの不審死を発端に事件にのめりこんで行く。物語は高価な蔵書と殺人事件の間を行ったり来たり。謎の美女も出てくるし、ハードボイルドがちょっと入った推理小説ってとこか。物語の筋そのものよりも、古書の価値についての記述や、それに傾倒する人々の描写が面白かった。

記事番号 16
書籍名 本を読む女   カテゴリー 日本文学       
著者名 林真理子   発行年(西暦) 1990  
出版者 新潮社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/28 10:56
著者自身の母をモデルにした本好き少女の半生を通して見る、もう一つの昭和史。今では考えられないような保守的な時代に流されながらも、たくましく生き抜いた万亀の姿に共感。

記事番号 15
書籍名 パン屋再襲撃   カテゴリー 日本文学       
著者名 村上春樹   発行年(西暦) 1989  
出版者 文芸春秋   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/27 04:49
学生時代にクラスで流行った「ノルウェーの森」を読んで、イマイチ理解できなくて、それ以来、自然に避けてきた著者の本。読まず嫌い完治計画のモト、手に取ったこの本、面白い。解説にあるように、微妙な心理の食い違いが、今なら妙にしっくりと理解できる。もう一度、「ノルウェー・・・」を読まなくてはいけないと思った。それにしても、村上春樹に詳しい人に、ぜひ、「渡辺昇」は何者なのかを解説していただきたい。

記事番号 14
書籍名 恋愛作法 愛についての448の断章   カテゴリー 日本文学       
著者名 宇野千代   発行年(西暦) 1994  
出版者 集英社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/26 10:14
4度の結婚と4度の離婚を経験している著者が90を過ぎてまとめたものであり、この経験と年齢の人だからしか言えないことが一杯。これだけやりたい放題やっても、この歳になったら、何でも許されるばかりか、暴露本まで出せちゃうんだ・・・と言う、ある意味、勇気をもらう一冊。

記事番号 13
書籍名 二つの祖国(上・中・下)   カテゴリー 日本文学       
著者名 山崎豊子   発行年(西暦) 1983  
出版者 新潮社   値段 1000-1500円  
投稿日時 2003/12/25 00:02
昔読んだ、著者による「白い巨棟」のドラマが新キャストで放映されていると聞いて、もう一度読みたくなったが、もちろんオタワ図書館でそう簡単に見つかるわけもなし。同著者によるこの本を見つけ、代わりとする。
映画にもなった「ヒマラヤスギに降る雪」他で、戦争中に不当な扱いを受けていた日系人の物語をいくつか読んだことがあるが、ここまで事実に照らし合わせ、日系一世、二世、そして三世の苦悩を描いたものはなかった。合衆国では敵性外国人として蔑まれ、日本では裏切り者として投石の的となる状況の中、日系人の家族が、強制収容所に入れられたり、米軍入隊、日本軍入隊という形で、敵同士となり引き裂かれていく様が痛々しく表現されている。その中で、日系一世と二世の意識のすれ違い、アメリカを真の祖国と見做すもの、日本を祖国と見做すものらの対立も浮き彫りにされる。両国を祖国と信じて憚らない主人公の板ばさみがなんとも痛々しい。学生時代に、歴史の授業の一コマで表面的にさらった、東京裁判の様子も詳細が記され、歴史を学ぶのにも、有用な一冊(三冊か)。ラストが悲しすぎるのが、ちょっと不満。

記事番号 12
書籍名 サラマンダー 無限の書   カテゴリー 海外文学       
著者名 トマス・ウォートン   発行年(西暦) 2003  
出版者 早川書房   値段 2000-3000円  
投稿日時 2003/12/24 11:09
カナダ人作家による「始まりも終わりもない究極の本」を求める冒険物語。舞台は植民地化をめぐる英仏戦争下のカナダから始まり、オスマン・トルコ支配下のヨーロッパから、中国、アフリカ、ロンドンへ、とテンポ良く移り、奇天烈な仕掛け船ビー号に乗る印刷技師フレッドと、その娘パイカ、彼らを取り巻く魅力的な人々らによって、魔法あり、奇術あり、無人島、海賊、陰謀、なんでもあり、の壮大な冒険が繰り広げられる。この、船と言い、仕掛け人形、仕掛け屋敷と言い、無限の想像力をかきたてられる所満載である。物語に出てくる土地や時代背景などに詳しいと、尚面白く読めると思う。貸してくださったM氏に感謝。

記事番号 11
書籍名 少年H(上・下)   カテゴリー ベストセラー     
著者名 妹尾河童   発行年(西暦) 1997  
出版者 講談社文庫   値段 1000-1500円  
投稿日時 2003/12/23 11:39
少し前のベストセラーと言うこともあり、宣伝広告や書評を読んで、本自体も読んだ気になっていたが、この機会に手に取ると、思ったより面白く、戦前から戦後にかけての日本が子供時代の著者の目を通して、理解し易く、面白く、それでいて、健全な批判精神を持って描かれている。ベストセラーになるはずだ。今まで、「河童の覗いた○○」シリーズを書店で見かけて、絵に惹かれても、「よくある旅行記の一つでしょ」と、手に取ることさえなかったのだが、この本を読んだ後は、著者自身に興味がわき、ぜひ機会があれば読んで見たい。誰か、そのうち、図書館に寄付してくれないかしらん。

記事番号 8
書籍名 かの子繚乱   カテゴリー 日本文学       
著者名 瀬戸内晴美   発行年(西暦) 1971  
出版者 講談社文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2003/12/21 21:10
「かろきねたみ」他で歌人として、「母子叙情」他で作家として、また仏教研究家としてm知られる、岡本かの子の自己中心的で、奔放とも言える生涯。彼女は、有名な漫画家岡本一平の妻、前衛画家「芸術派バクハツだ」の岡本太郎の母としても知られる。
彼女の自信過剰ぶり、愛人を自宅に囲い家事やマネージャー役さえさせてしまう自己中さ加減、いい加減な育児、天性とも言える運の良さ、絶対に友達にしたくないタイプだと思いながらも惹きつけられてしまうその魅力。特に、一平の仕事に付き添って、愛人と太郎も引き連れての、パリ・ロンドン・ベルリンを中心とした欧州外遊は大変印象的。

記事番号 7
書籍名 ドナウの旅人(上・下)   カテゴリー 日本文学       
著者名 宮本輝   発行年(西暦) 2000  
出版者 朝日新聞社   値段 1000-1500円  
投稿日時 2003/12/21 20:50
父を置いて家出をした母、絹子を追って、ドイツに飛んだ麻沙子。絹子が自分の年ほど若いミチオと旅を共にしていることを知り、ショックを受けながらも、嘗てドイツに在住していた頃のの恋人、シギィと共に、「ドナウの上流から河口を目指して旅をする」という絹子を連れ戻すため、二人の後を追う。ドイツに始まり、オーストリア、ハンガリー、旧ユーゴスラビア、ブルガリア、ルーマニア、と、奇妙な4人組の旅が続く、宮本文学、東欧編。4人が立ち止まり、様々な人に関わる中で、各国の様子が鮮やかに描かれている。いつか、絶対、ドナウに沿って、私もこの4人の旅程をなぞった旅をしてみたい。

記事番号 6
書籍名 金曜日の女   カテゴリー  
著者名 笹沢左保   発行年(西暦) 1990  
出版者 祥伝社 ノン・ポシェット   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/19 00:25
読むものないからって、こんなのまで読んじゃうの????という本。お色気ハードボイルド系サスペンス、とでも言おうか。父娘、姉弟の近親相姦あり、親子ドンブリ一歩手前あり、絶世の美女ばかり登場、バリバリの男尊女卑。唯一良かったのが、最後の後味の悪さ。久しぶりに力が抜けたよ。

記事番号 5
書籍名 白川夜船   カテゴリー ベストセラー     
著者名 吉本ばなな   発行年(西暦) 2000  
出版者 福武文庫   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/21 20:50
妻が植物状態である岩永と不倫している寺子が、自殺した「添い寝」をアルバイトとする親友しおりを語る。その寺子も岩永と会う以外は眠りの世界をさまよう、「白川夜船」。死んだ兄とその恋人サラと毬絵を語る芝美の「夜と夜の旅人」。お酒に溺れる文を転落から止めるためにあの世からやってきた、昔の奇妙な恋敵、春に、イタコバーテンダーを通して会う「ある体験」。吉本ばななの作品には必ずといっていいほど出てくる、家族のゴタゴタと、死。それが、いつも、絶対にドロドロにならなくて、時には、単にきれいで、美しいと感心もし、時には、きれい過ぎて、物足りない。数時間で読めてしまう、暇つぶしの一冊。

記事番号 4
書籍名 もっとロマンティック   カテゴリー ベストセラー     
著者名 落合恵子   発行年(西暦) 1985  
出版者 角川文庫   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/14 22:48
日本時代に、上司や同僚の中にファンが多く、読め、読め、と勧められてこの著者の作品を1冊読んで、合わないと思った。何だか、述べられていることが、きれい過ぎて、当たり前すぎて、皆が言ってたほど、心を打たれないではないか・・・、と。で、こちらに来て、「いや、1冊しか読んでないのに、早合点はいけない、時も経ったことだし、選択肢も狭まったことだし(これが大きい)、もう1冊だけ読んでみて、好きになれたら、めっけものじゃないか」、と借りてきて、失敗。ただ、私が合わないだけなんだろうけど・・・。落合ファンの皆様、ごめんなさい。

記事番号 3
書籍名 梟の城   カテゴリー 歴史小説       
著者名 司馬遼太郎   発行年(西暦) 1970  
出版者 新潮文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2003/12/13 00:43
久々に感動。これまでにこれほど自分の読まず嫌いを呪ったことはない。日本にいた頃、飲み屋でサラリーマンのおじ様に「あのね、君、司馬遼太郎のすごいところはだね・・・」「司馬遼太郎が描く秀吉がだね・・・」と言われるたびに、「げ、またですか・・・」としか思えなかった。「司馬遼太郎=おじさんの読み物」と思い込んでいた。生返事をして聞くフリだけしていたのが悔やまれる。
戦国時代末期にあっての、伊賀者、甲賀者、入り乱れての忍者の生き様が、歴史上の事実にうまく絡ませて見事に表現されている。忍者モノと言えば、忍者服部君しか知らない私にとって、かなり新鮮。普段から夢見がちな私だが、今回は真剣、葛籠重蔵に惚れた。確か、数年前に、金城武主演で映画が放映されていなかったか?今度帰省した際には絶対ビデオ、借りよう。ひょっとしたら、伊賀忍者屋敷に行っちゃうかもしれない。


記事番号 2
書籍名 テネシーワルツ   カテゴリー 日本文学       
著者名 林真理子   発行年(西暦) 1988  
出版者 講談社文庫   値段 -500円  
投稿日時 2003/12/12 01:28
戦後の歌謡界を生きた流行歌手の人生を、派手やかな世界に惹かれ、家族を捨てた、異父姉の目から語った物語。江利チエミをモデルにした作品。江利チエミは、母が大ファンである、故美空ひばりと雪村いづみとともに、3人娘で出ていたことは知っていたが、彼女個人については、彼女が歌う歌も含め、全く知らなかったので、当時の芸能界、時代背景など、とても新鮮に読めた。異父姉とき江の心の描写が見事。女の心の深淵のドロドロをこれだけ素直に表現できる著者を尊敬。


記事番号 1  編集
書籍名 愉楽の園   カテゴリー 日本文学       
著者名 宮本輝   発行年(西暦) 1986  
出版者 文春文庫   値段 500-600円  
投稿日時 2003/12/11 13:18 本のサイズ 選択してください
感想
感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度
☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ☆
こちらに来て、読む本の選択肢が狭まって、つい手を出した宮本輝に、結構はまってる。紀行文まがいの小説が多いこの著者の、これはタイ編。タイ人のBig Shotに恋人として囲われている恵子と彼女を取り巻く恋愛・官能物語。昔、一人旅したベトナムを思い出させる風景・人物描写。ああ、またホンダのカブに跨って、バイクの波に飲まれたい。

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