ロビンソンの不定期日記

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第18話 真の覚醒


第18話 真の覚醒



ギィィン!

ケビンと良太の武器は大きな音を立ててぶつかり合っていた。

ただ、傍から見て不自然なのはケビンは魔石で出した武器ではなく人間界の木刀を使っている事だった。

「何で、木刀なのに切れないんだよっ!」

「武器ってのは、使い方次第で見違えるほどの威力を発揮するんだ・・・。」

そういうとケビンは木刀を振りかざした。

「ぐうっ!」

良太は弾き飛ばされた。

「そんなんじゃこっちじゃ即死だな・・・いっそのこと楽にしてやろうか?」

「うるさい!油断しただけだ!」

「世間じゃ、油断した奴から死んでいくんだよ!」

しゃべり終わると同時にケビンは良太の視界から消えた。

「遅いぞ・・・。」

良太が振り返った時にはもうすでに遅かった。

「ぐわっ!」

ケビンの木刀は良太の右わき腹をとらえた。良太はうずくまりわき腹を押さえている。

「やっぱりケビン相手じゃまだまだ相手にならないよな。」

座っていた、ジョージは立ち上がり良太に近づいてきた。

「見えなかっただろ?」

「な、何でなんだよ!」

「簡単な事だよ、理由は二つ。」

「二つ?」

「そう、ひとつは良太の目が慣れていないから。」

「もうひとつは?」

良太はわき腹を押さえながら見上げた。

「覚醒だよ、覚醒。」

「かくせい?」

「そう、まさか俺達のそれぞれの得意分野がただの才能とでも?」

「違うの?」

良太はようやく起き上がった。

「まぁ、簡単に言ったら遺伝みたいなもんだよ。」

「遺伝・・・両親の?」

「いや、もっと先祖だ。」

「・・・は?」

「昔の神だとかの子孫に当たる人間が居てもおかしくないと思わないか?」

「・・・たとえ子孫だとしても、先祖がどう関係あるの?」

「もし、先祖が恐ろしく強くて、その力を子孫のお前が使えるとしたら?」

「・・・無理でしょ。」

「方法は在るんだ、先祖がどうなのかはともかく覚醒する方法が。」

「それは・・・?」

「戦い。」

「ぇ?」

良太は物音に振り返った。

「良太こいつ等と丸一日戦い続けろ。」

「っぇ?」

そこには5体ほどの泥人形とケビンが立っていた。

「まぁ、倒せれば終わりだ。倒されたらここでお陀仏だ。」

「倒せばいいんだね?」

「そうだ。」

良太はまたしても青龍刀を出して走っていった。

「賭けだな・・・。」

ケビンが呟いた。

「まぁ、先祖がすばらしい能力を持ってる事を願うしか・・・。」

「そんな奴能力者の中でも、ほんの一握りだぞ・・・その一握りも覚醒してないのが現実だ・・・。」

「情けないが・・・あいつが俺達の望みなんだ。」

「ジョージ!」

そこにレインが現れた。

「どした?」

「これを・・・。」

レインの手には魔石が2つ乗っていた。

「魔石?」

「俺が持ってるのと同じのともうひとつは俺にはあわない。」

「そか、良太に?」

「そうだ、良太は?」

ジョージは良太を指差した。

「ぐうっ!」

良太は泥人形の右ストレートとまともに受けていた。

「・・・なにか教えたのか?」

「まぁ、とりあえず覚醒させようと思って。」

「覚醒ってここでも2日はかかるんじゃ・・・。」

「それは俺達だろ、普通の人は500年だ。」

「良太はどのくらいだと思う?」

「2日。」

「いや一日で結果はでる。」

ジョージの課を羽どこか楽しそうであった。

「ぐはっ!」

良太は本日3度目の改心の一撃を受けていた。

「なんだ、こいつら!ぜんぜん追いつけねぇ!」

そういうと良太は青龍刀を振りかざした。

泥人形は軽くかわし大振りでしかも早い拳を振りかざしてきた。

良太の体は宙に浮き数秒後地面に叩きつけられた。

「ぐぅ!」

良太は激痛に顔をしかめる。

「良太・・・勝てないだろ。」

レインはあきれた顔で言った。

「当たり前だ、覚醒と特訓の同時進行だ。」

ジョージは笑いながら言った。

その間も良太は宙を飛び続けていた。

「すぐに成果は出てくる。」

ジョージはまじめな顔で言った。

ジョージの言うとおりだった。良太の目は次第に泥人形の動きについていけるようになっていた。

しかし、見えるのと防げるのは別である。

ボコッ!

泥人形の強烈なアッパーが良太の腹部にクリーンヒットした。

「まだまだだなぁ、良太。」

ケビンは楽しそうな顔で笑いながら見ていた。

良太の厳しい特訓はまだまだ続くのであった。


第19話へ フラフラ \(▽ ̄\)~~~~~

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