引っ越し。


『はーい』
中2の私は今日、ここ沖縄に引っ越してきた。沖縄と言うだけあり、海がとても美しい。
青く澄んでいる。千葉とかのゴミばっかな海より綺麗だった。
ゴミが1つも無く、キャンプのゴミや木炭や、小さな塵(チリ)までもが片されていた。
それが気に入ったのか、お父さんとお母さんは、海の良く見えるログハウスを頼んだ。数億はしたな。
何故か、見覚えがある…でもあの頃の此処は、真っ赤だった。深紅。血みたいな色をしてた。

ソウ…アノコロノ自分ノ手首ノ色。海ヤ絵ヨリモ綺麗ナ、血ノ色ダッタ。

あの頃の私、何よりも血が好きだった。でも、今も血が好き。私の大親友。
血じゃなくて、自傷も好き。今の私のカッターは血の色とほんの少しの錆でいっぱいだ。
『萌香!お前は働かない奴だな…衣装ケース位手伝え!!』
『は~い…』
魂の抜けた様な声で、返事をした。
衣装ケースに隠してあるカッターが、ガタンと暴れるように揺れた。

私は衣装ケースを運びながら思った。
新しい学校で、チャンスはある。
そう、友達。
私は血じゃ無くてちゃんとした友達が欲しい。

私は変わりたい。変わる。変わるんだ。

カッターなんか捨てよう。捨てるんだ。
精神科へ行って薬を貰おう。ちゃんと飲もう。
血なんかどうでもいい。血なんかどうでもいい。
衣装ケースを床においた。
私は興奮した。なんでかって、決まってるでしょ?

ガチャリと、カッターの音がしたから。

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