FFいれぶんのへたれな小説とか

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January 23, 2005
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カテゴリ: 七番目の魔法塔
 次にトコが向かったのは、前・口の院長であるシャントット邸であった。
 誰もが認める実力者であるのだが、彼女は性格にかなり難があり、トラブルも多い。冒険者達の中ではおそらくウィンダスで最も有名な人物であろう。
 トコはしばらくシャントット邸の前でうろうろした後、扉をそっと開けた。
「あの~…シャントット博士いらっしゃいますか?」
 シャントットはトコの姿を認めると、鋭い剣幕でまくし立てた。
「まぁ!なんですの?わたくし冒険者風情に構ってる暇なんてこれっぽちもありはしないのですけれど」
「す、すいません!」
 思わず扉を閉めかけたトコだったが、何とか思いとどまり、シャントットに語りかける。
「あの、サルタで珍しいアイテムを見つけたんですけど…」

「こんな小汚いものを持ってこられても…」
 そう言いかけて、シャントットの動きが止まった。何か思い当たる節があったようだ。
「あら?これはどこかで見たような…。アナタ、これをどこで見つけまして?」
「あの、ホルトト遺跡の近くを掘ってたチョコボが見つけて…」
 シャントットはクリスタルを興味深そうに見つめると、トコへと視線を移した。
「これ頂いてもよろしいかしら?少し興味が沸いてきましたわ。無論、報酬ははずみましてよ」
「え?でもそれは…」
 燃えカスという言葉を、トコはすんでの所で飲み込んだ。
「まぁ、報酬を心配してますの?わたくしがそんなケチに見えまして?」
「いえっ、決してそういうわけでは」
 慌てて顔の前で両手をぶんぶんと振る。

 シャントットは口元に薄笑みを浮かべた。
「あなた、これの事について何かご存知で?」
「詳しくは…。でも、珍しいもので、エネルギーを失ったクリスタルだとか…」
 トコはヨランオラン、コルモル両博士に見せた事を告げた。
「オホホ!無能なコルモル博士らしいですわ!昔からあの方は物事の本質をわかってらっしゃらない」

「よござんす。学の無いアナタにもわかりやすいように説明して差し上げますわ」
 再び反り返るようなポーズで高笑いを上げると、シャントットはそのままのトーンで語りだした。
「コルモル博士は根本的な勘違いをされてますわ。これは確かにエネルギーを全く秘めていないクリスタル。しかしこれは"エネルギーを失った"のではなく、"最初からエネルギーを持っていない"クリスタルなのですわよ」
 その二つにどれ程の差異があるのか分かりかねているトコを見かねたのか、シャントットは続けた。
「クリスタルはエネルギーの結晶体。つまりエネルギーを持つことでクリスタル足りうるもの。ですけどね、逆に言えばエネルギーを保つための入れ物でしかないわけですの」
 再び視線を投げかけられ、トコは思わず頷いた。
「つまり、このクリスタルはエネルギーを貯蔵する事の出来る、エネルギーの燃料タンクみたいなものというわけですわ」
「そんな事が出来るんですか?」
「まぁアナタのような無能な方には目で見るほうが早いでしょう…」
 そう言うと、シャントットは何事か呪文のようなものを唱えだした。
「……力よ、…万物の根源りし………その深き本流にて………」
 それはまるで歌のようだった。
 呟くような呪文は全てを聞き取ることは出来ないが、やがて光が彼女の周りを円を描くように回り、彼女の手の中のクリスタルへと吸い込まれていった。
「さぁ見て御覧なさいな」
 手渡されたクリスタルは感触こそ変わらなかったものの、淡い光を放っていた。
「これは?」
「オホホ!ちょっとばかしわたくしの魔力を込めてやったのですわよ。その光は魔力の輝き。つまり、そのクリスタルにエネルギーが吹き込まれたという証ですのよ」
 黒いクリスタルは、未だ燃えカスと言うイメージどおりその黒いという本質は変わっていない。しかし、わずかに漏れる淡い光が不気味な存在感を持って、トコの手の中にあった。
「まぁ今込めた魔力だけでも、コルモル博士の邸くらい吹っ飛ばせる量ですけれどね」
 思わず取り落としそうになったクリスタルを、慌てて両手で握り締める。
「そんなにビクビクしなくても大丈夫ですのよ。エネルギーを限界まで貯蔵したクリスタルならいざしらず、その状態のクリスタルからエネルギーを取り出すなんてコト、アナタ程度には出来ませんもの」
 そう言って再びシャントットは高笑いを上げる。トコはクリスタルをシャントットに渡すと、報酬として黒鉄鉱10個分くらいのギルを渡された。
「こ、こんなにいいんですか?」
「よござんす。ただこれに関してまた頼みたいことが出来るでしょうから、しばらくしたらまたわたくしの所へ来てくださいな」
 思わぬ大金を得たトコは、何度もお辞儀をした後、珍しく上機嫌なままのシャントット邸を後にした。





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Last updated  January 26, 2005 01:21:58 PM
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