LOVE PINKY***ラブライフ***

LOVE PINKY***ラブライフ***

☆詩☆


+ + + + + +

最初は怖いだけだった彼。

触れてしまうと 凍えて切り裂かれそうな雰囲気なの。

なのに、なんで惹かれたの?



きつい瞳に 映る寂しげな色に 惹かれたのかも。

なぜ、そんなに深く悲しい目をしているの?

なぜ、そんなに悲しげに微笑むの?

子供のあたしにはも分からない.......



彼といる時間が楽しかった。

彼の仕草が堪らなく好きだった。

あたしにしか見せる事の 無い優しい微笑が嬉しかった。



あたしの躰をたどる彼の指。

あたしの躰をなぞる彼の舌先。

彼の声、匂い、吐息がすべて愛しかった。

彼に抱かれるあたしが 愛しくさえ思えた。

この時間(とき)が永遠に続くと思っていた。



「お前の笑っている顔を見ていると嬉しかった」

そんな言葉は欲しくない。

彼のいない時間なんて欲しくない。

彼がいないのに微笑むなんてできない。

欲しかったのは"愛してる"その一言だけ.......



なぜあの時、泣くしかできなかったの?

なぜあの時、しがみついてでも一緒にいようとしなかったの?

それだけはわかっている。

彼の心にはあの女が今も住んでいると知っていたから。

そして、あたしはその女に似ていただけだから.......



今でも思い出して 涙が頬を濡らす。

まだ少女だった、あの日々の事を.......

もう戻らない彼との思い出を.......


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