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2009.02.11
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ニューヨーク、口八丁の芸能プロモーター、ステュ(コリン・ファレル)は、不倫相手との連絡用に使っている公衆電話で謎の男から電話を受ける。男はライフルでステュの命を狙える位置におり、ステュの不誠実の数々を懺悔するよう迫る。

一台の公衆電話とその周辺というワン・シチュエーションで約80分と、実にタイトで緊迫感溢れる秀作。

2002年作で、プロットが似ている2004年の「ソウ」第一作よりも早かったわけだ。ただ、これは個人的な問題だが、私は「ソウ」の方を先に見ているのでどうしても比較してしまう。「フォーン・ブース」は屋外でギャラリーが大勢いる中でのストーリーだから、「ソウ」の、閉所恐怖症的に極限まで追い詰める緊張感には一歩及ばない。あくまで"比べたら"の話です。

謎の男の脅迫にステュは電話を離れられないまま、終盤ではニュースで見て現場に駆け付けた妻や不倫相手、仕事見習いの若者らに対して自分の嘘、赤裸々な本心を告白する。やはり教会がある国ならではの展開だとは思うが、素直に感動的な場面である。

現場でステュと対話を試みる刑事(F・ウィッテッカー)には離婚歴や人を死なせた過去があるのだが、事件の解決でそのトラウマも解消、という展開にはならないところがイイ。まあ、そこまで描かないのは尺が短いことが最大の理由なのだろうが、敢えて踏み込んで"描かない"ことでかえってキャラクターに深みを与えることに一応は成功している。

"トラウマからの救済"というテーマは最近のハリウッドの流行のようで、マーベル・コミックスの映画化作品に顕著だと思うが、あまりにも多くの映画で使われ過ぎてテーマ性が形骸化している気がする。ああ、またか、みたいな。だからこの「フォーン・ブース」のアッサリ感(回りくどくないとも言う)は新鮮であった。

素晴らしい脚本はラリー・コーエン。えっウソ?というのもこの人、自分で監督した映画は「悪魔の赤ちゃん」や「空の大怪獣Q」といった、"タイトルは有名、実際見てみるとド退屈"な代物ばかりで、私にとっては何故熱狂的なファンがいるのか解らない人物だったのだ。確か深キョン号の映画秘宝にも"監督としてはダメで脚本家としては天才"と書いてあった。これで納得。

吸血鬼映画の佳作「ロストボーイ」で監督デビュー、今や巨匠の一人に数えられるジョエル・シュマッカーも流石の仕事ぶり。俳優陣も。



職場の同僚が友人に勧められ、安かったので買ったというDVDを貸してくれた。チラシは持っていたが全く関心が無かった映画なので、思わぬ拾いモノ(失礼!)のレベルを遥かに越えた充実した作品であった。






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Last updated  2009.02.11 17:39:06 コメントを書く


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