RSプレイヤーによる日記のような何か兼レビュー倉庫

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よつばと!





よつばと!   
P.N炎雷破
 「よつばと!」は、あずまきよひこによる漫画で、「月刊電撃コミック大王」にて連載され、単行本も出されている。現在は10カ国語に翻訳され、2006年には文化庁の日本のメディア芸術100選に選出されるなど、公にも認知度が高い。
 ウェブ漫画である「Try!Try!Try!」が前身で、作者の前作である「あずまんが大王」とは異なり、4コマ形式ではなくストーリー形式である。が、「あずまんが大王」に登場した「ちよ父」などがたまに登場するなど、前作の読者へのサービスも見られる。
 形式は、短編集のような形をとっていて、だいたい1話で1日である。前の話に次の話の伏線があったり、何気ないセリフが次の話に繋がっていたりと、作品の構成からも楽しめるようになっている。
 前作から引き続いて見られるこの作品の特徴として、「セリフのないコマ」がある。ただ単にそういうコマであれば特徴とは言えないかもしれないが、そうではない。そのシーンでのキャラクター(特によつば)の表情がまず引き金になる。そして、そういう「無音」のコマが連続することで笑いを誘うのである。
 物語は5歳の女の子「よつば」が「とーちゃん」とある町に引っ越してきた場面から始まる。元気いっぱいの「よつば」と、それに振り回される「とーちゃん」や隣人達の日常が描かれる。いたって普通の人として描かれる周囲の登場人物と比べ(そうでもない人物もいるが)、「よつば」は明らかに言動が普通ではない。ありていにいえば、「変な子」である。しかし、いつも全力の「よつば」を見ているとそのようなことは全く気にならず、純粋に笑えてしまうから不思議である。
 また、「よつば」のセリフはほぼ全てが平仮名である。例を示すとすれば、「よつば」による他の登場人物の呼称は、とーちゃん、ふーか、えな、みうら、などであるということだ。幼さを前面に出す意図であろうが、その反面意外と語彙が豊富であり、そこがまた面白さの要素になっている。
 「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」をキャッチコピーに描かれる「よつばと!」。「よつば」達が繰り広げる笑顔と笑いでいっぱいのお話。くすっと笑ったあなただけが楽しめる、そんな漫画。是非御一読あれ。

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