RSプレイヤーによる日記のような何か兼レビュー倉庫

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悪魔のミカタ~魔法カメラ~



 “宇宙人に妹をさらわれた”と言うちょっと変わった過去を持つ高校生・堂島コウ。その彼のもとに突然現れたのは色とりどりのエナメルのベルトを要所要所に巻いただけと言う奇抜(?)なファッションの少女で、しかも“自称”悪魔だった。さらにその“自称”悪魔の言うことには「一昨日あなたの望みは叶えられました。その魔力を感知して、あたしは来ました。契約を履行し、魂をいただくために」まったく身に覚えのないコウは果たして、自らの無実を証明できるのか!?それとも・・・。
 この作品は全体的に変わっていて、「愉快」でも「痛快」でもなく、「笑える」わけでもない。主人公の周囲には曲者というより変な人物が集まっていて、悪魔以外は現実的な設定かと思いきや超能力のようなものを持っていたり、自分の死をあっさりと受け入れて死んでいったりする。つまり、「変な人たちによる変な話」というのがキャッチコピーになりうる。
 ストーリー的には「変」な設定と相まって、「おいおい・・」と言いたくなる場面は多々あるのだが、所々の発想が「あぁ~そういう考え方か」と心地よい満足感のような物に浸らせてくれてとても面白い。また、ミステリーの面では「魔法カメラ」といういかにもファンタジーなアイテムを用いていながら、トリックの部分はファンタジーと切り離されているため、安っぽいミステリーにはならずに済んでいる。これもまた評価に繋がる所だろう。
 ただ、読み手を選ぶ話であるのは確かだ。「これはこういう物だから」と割り切れる人は楽しめるし、そうでない人は恐らく全く受け付けないだろう。ライトノベルの要ともいえる「キャラクター」からして「変」なのだから、それは当然だ。だから、「これ面白いよ!絶対読んで!」と勧めることはできない作品だといえる。
 しかし、シリーズ全体での評価は高いようなので、2巻3巻と読んでいくとはまる人が増えていくのだと思われる。

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