どんな点に注意したらいいのでしょうか



A 最近ダイエットに関する知識がかなり普及してきましたが、いまだに絶食したり、無理な減量をしたりして健康を損なう人がいるのは残念です。まずダイエットの基本を正しく理解し、毎日の生活の中で無理なく実行できるプランにすることが大切です。
 肥満の90~95%は食べ過ぎと運動不足による「単純性肥満」です。消費エネルギーより摂取エネルギーのほうが多いと、余ったエネルギーは脂肪に変えられて体内に蓄積されます。これは飢餓に対する自衛作用で、ある程度の蓄積は飢餓や病気などに備えて必要なのですが、多過ぎると肥満につながってしまうというわけです。
 したがって、摂取エネルギーを消費エネルギーよりも少なくし、からだにたまった脂肪を消費エネルギーにまわして体重を減らすことがダイエットの基本になります。

●食事療法と運動療法の両面作戦が最も効果的
 ダイエットの主役は摂取エネルギーを落とす食事療法ですが、それと同時に運動して消費エネルギーを増やす努力も欠かせません。食事療法と運動療法を組み合わせることによって相乗効果が期待できます。

●1日1600~1400キロカロリーが最低ライン
 1日の摂取エネルギーをどのくらいに設定するかは大事なポイントです。普通の生活における活動で体重を維持する消費エネルギーは、体重1kgにつき1日30~35キロカロリーとされています。減量する場合には、標準体重×25キロカロリーくらいに設定するといいでしょう。しかし、計算で得られた数値が1200キロカロリー以下になると、長期間続けることは困難です。最低でも男性で1600キロカロリー、女性で1400キロカロリーは必要です。
 若い女性の中にはスリムな体型が憧れて、1000キロカロリーくらいまで落とす人がいますが、これでは栄養失調になったり、将来骨粗鬆症になったりする恐れがあります。むりなプランは失敗のもとです。ダイエットを始めたものの途中で挫折してまた始める。これを繰り返すと体重が激しく増減します。こうしたウェイト・サイクリングは成人病になりやすく、むしろ肥満よりも危険だといわれています。

●必要な栄養素は確保する
 生命を維持するために必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルはきちんととり、糖質や脂質を減らして摂取エネルギーを抑えるのが原則。コンニャクやサラダばかり食べていては、やせることはできてもからだをこわしてしまいます。
 タンパク質は少なくても標準体重×1.0~1.2gは確保し、ビタミン、ミネラルも十分量を摂取するようにします。食事療法中は便秘になりやすいので、それを防ぐために食物繊維を1日20~30gとるように心がけてください。そして、糖質と脂質を減らします。特に脂質は1gで九キロカロリー(タンパク質、糖質は1gで4キロカロリー)と高エネルギーなので、脂質を減らすと効果が上がります。しかし、糖質も脂質もある程度は必要です。糖質は1日に最低100g、脂質は最低20g摂取するようにします。

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