マックの文弊録

マックの文弊録

2005.07.28
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◇木曜日:旧暦六月二十三日 癸丑(みずのと うし) 土用の丑
うなぎうなぎ
土用の丑の日というと鰻だ。と、云う事になっている。
近くのコンビニにも幟が立っていて、うなぎご飯や、鰻の棒寿司(880円という値札がついていた)を宣伝している。
巷の鰻屋さんもこの日は大いに賑わって、ご商売のご繁盛はご同慶の至りだ。しかし丑の日の鰻は、我国初代のコピーライターである平賀源内先生の発案によるもので、故事来歴があるわけではない。
「土用の丑の日に鰻を食べる」というしきたりは、江戸中期以降のことで、未だ300年足らずの歴史しかないのである。

東京の老舗の鰻屋の中には、土用の丑の日にはお店を閉めてしまうところがある。「普段鰻のお蔭で生計を立てさせていただいています。だからこの日ばかりは、鰻供養のためにお休みをさせていただきます。」というのが口実だそうだ。
しかし、どうもこれは屁理屈だな。
老舗である以上誇りもある。こちとら一年を通じて美味しい鰻料理一筋に精進してるんだ。平賀君の口車に乗せられて丑の日だけに鰻を食いに来るような俄か鰻ファンなどに付き合ってなんかいられないよっ!てなあたりが本音じゃないだろうか?

故事来歴といえば、我国では鰻はかなり以前から食されてきている。
石 いわ 鰻 むなぎ とり 食 め せ
というのは、万葉集に収められた大伴家持のうたである。
石麻呂君は、普段から随分痩せた人だったようで、暑くなるとこれが夏痩せのお蔭で余計に細くなり、まるで蚊とんぼのようになってしまう。ちょっとでも肉がつくように、見かねた周りの人が色々アドバイスをしていたのだそうだ。

さて、専門の鰻屋さんで戴く鰻料理は無論美味しい。
江戸風の鰻は、関西風とは割き方や焼き方が違うのはよく知られているが、たれはそれぞれのお店によってかなり違う。こってり濃厚なものから、あっさりしたものまで色々あるから、その日の気分や、同席する相手の嗜好に応じてお店を選ぶ事が出来るようになれば、これは相当の通といえる。
しかし、鰻はやはり高級魚だから、そんなに頻繁に老舗の鰻屋に通う事など、庶民にはできない。
そうなると、鰻を食べたい時には、スーパーで売っている蒲焼を買ってくることになる。スーパーの鰻だとはいえ、馬鹿にしてはいけない。ちょっと一手間加えれば実に美味しく戴く事が出来る。
大き目のフライパンに、鰻を皮を下にして並べ、日本酒を多めに振り掛ける。そうして蓋をして弱火で蒸す。それだけだ。こうするだけで、鰻君はふっくらと実に美味しく変身してくれるのだ。未だやったことの無い方は是非お試しあれ。ただし、皮の焦げ付きや、鰻の型崩れを防ぐために、フライパンはテフロン加工のものがお薦めである。

釈迦楽教授は、来訪されたご両親を名古屋名物櫃まぶしでご接待されたそうだ。名古屋出身の僕の友人も、この櫃まぶしが大好物の由であるが、僕自身は未だ戴いた事が無い。今回の釈迦楽教授のブログで、「ニ度変身する鰻ごはん」であることを教えていただいた。

この櫃まぶし、お櫃の中のご飯に鰻の蒲焼を刻んだのがまぶしてあるからこう呼ぶのだと思っていたら、どうもそうではないらしい。


「飯蒸し」→「まんま蒸し」→「まむし」→「まぶし」。これが一説。
もう一つは、
「鰻蒸し」→「マンムシ」→「まぶし」
だそうだ。

関西では鰻のことを「マムシ」と呼ぶが、これは蛇とは全く関係なく、上の「鰻蒸し」に由来するそうだ。


「田中角栄」→「たなかかくえい」→「ないかくかえた」→「内閣変えた」というのは、このアナグラムの一例だ。
上の通り未だ僕は櫃まぶしは戴いた事が無い。しかし、時折これが話題に上ると、僕の頭の中にはアナグラムのエンジンが働いて、どうも「ひまつぶし」に聞こえてしょうがない。

日頃の酷使でいささか弱音を吐き始めた僕の肝臓を気遣った人から、先日ウコンの粉末を戴いたが、この時もアナグラムエンジンが自動実行されてしまった。
「このウコンは、そのまま食べてもいいし、水に溶かして飲んでもいいのですよ。」と云われて、先方のご親切には感謝しながらも、もうアナグラム化されてしまったぼくの脳裏には、ウ×▲を食べたり、水に溶かしたりするイメージが浮かんで、余り嬉しい気持ちにはなれなかった。





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最終更新日  2005.07.29 14:45:25
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