マックの文弊録

マックの文弊録

2005.08.21
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◇日曜日:旧暦七月十六日 丁丑(ひのと うし)
夏の美ヶ原の花-7
今日の天気図を見ると、双子の台風11号と12号が、日本のはるか南の洋上から我が列島を窺がっている。どちらも現在の中心気圧は955hPaである。
そしてどちらも時速約7キロで北北西に向かっている。予想によると、二十四日(水曜日)の夜半頃からそろそろ列島の、四国~東海地方南方(11号)と関東~東北地方南方(12号)に接近してくるような気配だ。
台風には水爆級のエネルギーが蓄えられている。なりゆきで11号と12号が合体でもしたら、夏休みの終盤は中々大変なことになるかもしれない。

台風は日本人にとって遍く夏から秋にかけての風物詩(どころでない場合もあるが)である。

ところで、和辻哲郎という人が居た。明治20年に兵庫県に生まれ、東京帝国大学で哲学を学び、昭和35年に身罷られた。谷崎潤一郎と同時代の人で、耽美的な文学に一時身を沈められたが、巷間、哲学者、或いは倫理学者としての地位のほうが一般である。

この和辻さんは1935年に、京都大学での講義をまとめた「風土」という本を出版なさった。これには、いささかハイデッガーの「存在と時間」の影響が見られる。
所謂風土というものをモンスーン、砂漠、牧場に分け、それぞれの風土と文化、思想の関連を追及しようとした著作であり、先の大戦後の日本文化論にもある程度の影響を及ぼした。

その「風土」の中で、和辻さんは、我が国の風土の特性を「日本の場合、モンスーンの作用は、夏太平洋側に台風として降る大雨と冬日本海側に降る大雪の二重現象としてあらわれ」るとお始めになる。



更に台風を受容しそれに忍従した日本人は、「しばしば執拗な争闘を伴わずして社会を全面的に変革するというごとき特殊な歴史現象をさえ作り出した」のであり、「反抗や戦闘は猛烈なほど嘆美せられるが、それは同時に執拗であってはならない」・・・「思い切りのよいこと、淡白に忘れることは、日本人が美徳としたところであり、今尚するところである」とおっしゃる。

ははぁ、なるほど。
そういう見方が出来るんだなぁと、僕は思うけれど、和辻さんの考えには組するものではない。大体日本人は、台風や北陸の大雪でその性格の根本まで左右されるほど単純じゃないだろう。

でもそれはそれとして、「思い切りのよいこと、淡白に忘れることは、日本人が美徳としたところであり、今尚するところである」というのは、そりゃぁそうだろうなぁと思う。

片やホリエモンを担ぎ出し、又片やヤッシーを看板に掲げる。
岐阜一区などという所に、岐阜なんて名前だって聞いたことも無さそうな東京出身のガイシケーの女性エコノミストを持ってくる。
これは、思い切りは甚だよろしくないし、淡白というよりもねちっこさの最たるものだ。

今回の一連の流れは、事毎に日本人の感性に反するものだといえそうだ。
それよりも双子台風の今後に注目したい気分である。





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最終更新日  2005.08.22 07:55:23
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